Bay City Rollers

Early collection

日本編集の初期ローラーズのコンピレーションアルバム。初代ボーカリスト、ノビー・クラークが歌う曲が聴けるのはこのアルバムだけです。彼の声はレスリーとは違う魅力があります。

以下のアルバムに収録されていないレスリー時代の名曲も収録されており、とっても楽しめる一枚。

Rollin'

1973年末にリードボーカルがノビーからレスリー・マッコーエンに交代、1974年にはギターにスチュワート・ウッディ・ウッドが加入し、黄金メンバーとなりました。

スピード感があり、思わずはハモリたくなる「ベイ・シティ・ローラーズのテーマ」、S・A・T・U・R・D・A・Y・ナイト!の掛け声がお馴染みのSaturday Night、シングルヒットしたRemember (Sha La La La)、Summerlove Sensationを収録。

これら以外の曲はイマイチで、プロデューサーが彼らの魅力を活かしていないです。プロデューサーの意向でセッションミュージシャンを使って4日間でレコーディングされたのが原因でしょう。

おいしい曲はたいがいのベスト盤に入っているので、そちらを持っているならあえて買わなくてもよいです。

Once upon a star

プロデューサーを変えたことが大正解。メンバーの生き生きさが違います。

極甘ポップだけでなく、心にしみるバラードも収録。

マンドリンなど音数も増え、曲のバリエーションが広がり、とっても楽しめます。メンバーが作曲した曲のクオリティーの高さには驚かされます。

Would'nt you like it?

前作と同じプロデューサーがまたいい仕事をしてくれました。自信を持ったメンバーの勢いを感じます。

全曲をメンバーが作曲しています(再録のSaturday Nightを除く)。

バリバリのロックンロール、せつなさを感じる美しいバラード、ちょっとイカレタ感じのある曲などバラエティに溢れ、捨て曲がありません。

このアルバムで創設からのメンバーのアランが脱退(27歳でティーンのアイドルには向かないという理由で)。

Dedication

アランの後任として、BCRのコピーバンドをやっていたイアン・ミッチェルが加入。彼がリズムギターになり、ウッディがベースになりました。

アメリカ市場をターゲットにした作品づくりとなり、これまでの若々しい勢いに、「大人らしさ」も加味して、奥行きが深まった作品。

ノリノリのロック曲の連発でハートを熱くし、壮大なオーケストラをフィーチャーしたバラードで感動のうちに終結する傑作です。

アルバムが発売されてから2か月後にイアンが脱退。LPの初回プレスではDedicationをイアンが歌っていましたが、その後のプレスではレスリーのボーカルに差し替えられました。イアンの声がよかっただけに暴挙だとしか思えませんでした。日本盤CDではイアン・バージョンが使われています(ボートラでレスリー・バージョンもあり)

It's a game

イアンの後任としてパット・マッグリンが加入。彼は1976年のツアーに参加し、先行シングルカットされたタイトル曲のプロモビデオには登場したものの、アルバム作成途中に脱退。レコーディングには参加したらしいがジャケットには写真が掲載されずクレジットもされていません。

ターゲットのマーケットをアメリカにしたこともあり、大人らしさを強調してセンチメンタルな曲が多いです。ほぼ全曲に加えられたオーケストラ・サウンドが音に厚みを出し、バラードの美しさは絶品です。

しかし、その一方で彼らの魅力だったノリのよさが消えてしまいました。

プロデューサーがデビッド・ボウイのアルバムを担当したことがあった縁で、ボウイのRebel Rebelのカバーを収録。エリックの歌声がカッコよいです。

Rollerworld: Live at the Budokan 1977

1977年10月の武道館でのライブを収録。

4人だけでの演奏で音に厚みはなく「もう一人ギターがいたらよかったのに」と思ってしまうものの、勢いとエネルギーに満ちあふれています。日本女子ローラーマニアも合唱で活躍し、特にDon't Let the Music Dieでは彼女らのひたむきさに胸が熱くなります。

「実は演奏できないのでは?」という疑惑を一掃する傑作です。

Stranger in the wind

アランが復帰(ベースではなく、リズムギター担当として)。

前作よりさらにコテコテにオーケストラやコーラスのアレンジが加えられています。

ロックンロール的なノリはないです。曲自体は悪くはなく、大人向けの落ち着いた味わいはありますがBCRに求めるサウンドではないです。

Elevator

1978年の日本公演を最後にレスリーが脱退。

オーディションをやった結果、南アフリカのアイドルバンド、ラビットのボーカルだったダンカン・フォールが加入し、心機一転、バンド名もザ・ローラーズにし、サウンドもハードになって再出発を図った作品。

パワーポップな勢いを感じる曲が収録されていてなかなかの力作ですが、声質や曲調の違いが鮮明で全くの別バンドになった気がして、そんなにのめりこめません。

Voxx

ザ・ローラーズ第二弾。

アリスタ・レコードと「あと1枚アルバムを出す」という契約が残っていたものの、アリスタが前作のプロモーションに全く力を入れなかったことに反感を抱いてヤル気ゼロ。契約をこなすためだけに、エレベーターのアウトテイク、ダンカンのソロ曲やラビットの曲を再録音してアルバムを作成しました。

Ricochet

前作でアリスタとの契約を満了してエピックに移籍。ヤル気を取り戻してレコーディングしました。

クイーン風にドラマチックなアレンジでアルバムが始まって驚かされます。

2曲目の後半には地元スコットランド名物のバグパイプが入って哀愁が漂ったり、ダンカンの元同僚で当時イエスで活躍中のトレヴァー・ラビンが書きそうなハード・プログレ風のインスト曲があったり、単なるパワーポップさに留まらないアイディアが詰め込まれています。

聴きごたえのあるアルバムですが、BCRとは別バンドになってしまったという印象がぬぐえないです。



Rosetta Stone

Rock Pictures

BCRを脱退したイアンが、もともと在籍していたバンド、ヤング・シティ・スターズに復帰し、BCRのマネジャーのタム・ペイトンのもとで改名して活動開始。

てっきりイアンのボーカルを味わえると思っていましたが、他のメンバーがリードボーカルだということを知った時はガッカリしました。しかし、ボーカルのデミアン・マッキーの声も魅力的で、胸キュンポップにマッチしています。

BCRに負けない粒ぞろいの名曲そろいで、聴いていて気分が高揚します。ポップな曲だけでなく、心にしみるバラードもたまらなくよいです。

Caught In The Act

前作よりもギターがハード目になり、ロック色が強くなりました。

ロックアルバムとして悪くはないのですが、前作に比べて「これはたまらん」という魅力を感じる曲が少ないです。

1979年にイアンは再び脱退し、イアン・ミッチェル・バンドを結成して2枚のアルバムを発表(聴いていないのでレビューは割愛)。





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