Billy Joel


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)

Cold spring harbor

ザ・ハッスルズやアッティラというバンドでレコードを出すものの不発続きでバンドを解散させてソロとして活動を開始したアルバム。

素朴なピアノマンの印象漂う作品。「まだまだ原石のまま」といった状態で、地味な曲が多いです。

ビリー・マニアになって、「歴史を辿りたい」と思った人向け。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD)


(40周年記念)


(40周年記念)

Piano man

売れなくても地道に活動を続けるビリーが1972年にやったラジオ番組でライヴ演奏したCaptain Jackがヒット。それを聞きつけたレコード会社のお偉方がビリーに惚れこんで契約してメジャーデビュー。活動拠点をロサンゼルスに移しました。

ロサンゼルスのバーで演奏していた頃に出会った人々を描いたピアノの弾き語りバラード、Piano Manは絶品。この曲に心が震えない人はいないでしょう。

アコースティック・ギターをバックに歌うバラード、スケールの大きな叙事詩的な曲など佳作があり、素朴な感じが心地よいです。しかし、方向性を暗中模索といった感じで、ピアノを活かしたアレンジになっていないのが残念。

デビュー40周年記念盤では1972年4月15日のフィラデルフィア公演(上記のビリーの転機になったもの)を収録したCDをセット。


(SACD+CD+DVD)

Piano man

日本限定企画。

はるか昔にLPで発売されていた4ch音源や新たにマスタリングした2ch音源を収録したSACD、未発表デモやライヴ音源を収録したCD、ライヴやミュージックビデオ映像を収録したDVDのセット。

4ch音源ではコテコテにアレンジされた音をうまいこと散らしていて、意外性を楽しめます(詳しくはこちら)。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)


(SACD)

Streetlife serenade

ロサンゼルス時代にレコーディングされた作品。

小粒ながらキラリと光る曲が収録されています。前作に比べ、ピアノを活かしたアレンジになっておりピアノマンぶりを満喫できます。

二つのインスト曲(ピアノ早弾き炸裂の曲、ゆったり&ドラマチックな展開をする曲)は聴き応えあります。

SACDには4ch音源も収録。

Live at The Great American Music Hall

1975年6月8日のサンフランシスコ公演を収録。

2021年になって突如蔵出しで発売。とてもクリアな音質で、ビリーのピアノマンぶりが見事に収録されています。

初期の名曲に交じって、レコーディング前だった「ニューヨーク物語」からNew York State of MindとJamesも演奏しています。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)


(SACD)

Turnstiles

活動拠点を地元ニューヨークに戻し、ビリー・サウンドが確立した作品。

ロサンゼルスに別れを告げる曲、故郷ニューヨークを偲ぶ曲といった人生の転回点を歌った作品を収録。

New York State of Mindではピアノとサックスが絶妙にからむ中、ビリーが感動的に歌い上げます。せつなさ漂うJames、スピード感あふれるロック曲Prelude/Angry Young Manなど名曲ぞろいです。

レコーディングに参加したダグ・ステグメイヤー(B)、リバティー・デヴィート(Dr)、ラッセル・ジェイヴァース(G)はその後もビリーの盟友として活躍していきます。

New York 1977

1977年5月6日のニューヨーク公演を収録。ラジオ放送用に収録された音源を使用。

音質は良好。楽器の分離がよくて、細かい演奏を聴きとることができます。リバティーのドラムとビリーの熱唱にパワフルさを感じます。

「これから俺はビッグになるんだ」というビリーの熱い気持ちがビンビンと伝わってきます。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD 5.1ch)


(SACD 2ch)


(30周年記念)


(30周年記念)


(40周年記念)

The stranger

レコード会社がビリーに紹介したプロデューサーのフィル・ラモーンが、ビリーの才能を100%開花させました。

スリリングなThe Stranger、心温まるバラードJust the Way You Are、目まぐるしく曲が展開する物語的曲Scenes From An Italian Restaurantを収録。

ビリーが高らかに歌い上げる荘厳なバラードでアルバムが終わった後の演出が心憎いです。

曲よし、アルバム全体の構成もよし。

高音質5.1chが楽しめるSACD、2ch音源のみ収録のSACDあり。

30周年記念版は1977年6月6日のカーネギー・ホール公演を収録したライブ盤CD、BBCのTV出演時のライブなどを収録したDVD付きの3枚組。

40周年記念版は5.1ch収録SACD、カーネギー・ホール公演を収録したCD、多数のおまけのセット。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD 5.1ch)


(SACD 2ch)


(40周年記念)

52nd street

オープニングのヘヴィなロックで心地よく疲れ、名バラードで心を癒し、軽快な曲で元気を取り戻す、という冒頭の流れが爽快なアルバム。ジャズっぽいアレンジの曲やラテン系曲もあったり起伏に富んでいます。

ラストの演歌チックな曲では、ビリーの迫力あるコブシの効いた歌で盛り上がります。

一曲一曲もよし、アルバムの流れもよし。「これ以上何を求めるのか!」という感じ。

高音質5.1chが楽しめるSACD、2ch音源のみ収録のSACDあり。

40周年記念版は5.1ch収録SACD、多数のおまけのセット。

Live in 1978

1978年10月3日のアメリカ、ランドバー公演を収録。ラジオ放送用に収録された音源を使用。

Houston 1979

1979年11月25日のアメリカ、ヒューストン公演を収録。ラジオ放送用に収録された音源を使用。

発売前の「グラス・ハウス」から先行して3曲演奏。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD)

Glass houses

自分にまとわりつく「ニューヨークのピアノマン」のイメージを粉砕して心機一転を図った作品。

表ジャケットには、革ジャンを着たビリーがグラスハウスに投石する場面が描かれ、裏ジャケットでは割れたガラスの向こうにニューヨーカー的ビリーが描かれています。

「心にしみるバラード」や「ジャズっぽいサウンド」を封印し、ロックンロールで押し通しています。

「奥深さがない」という批判なんか空のかなたに吹っ飛ばす勢いとスピード感が楽しめます。

でも、やっぱりしんみりバラードは欲しかった・・・。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD)

Songs in the attic

タイトルを直訳すれば「屋根裏部屋にしまった曲たち」。「ストレンジャー」で大ブレイクする前の名曲に光を当てるために、1980年当時の最強ツアーメンバーでライブ録音したもの。

その曲のイメージにあった会場を選んで演奏されており、自分の曲を愛するビリーの心が伝わってきます。

選曲よし、演奏よし。しかし、ヒット曲は収録されていないので、ビリーのファンになってから聴きましょう。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD)

The nylon curtain

「大物になったからには、社会的なメッセージを発しなければいけない」という気持ちをこめた作品。

失業問題を歌った曲、ベトナム戦争についての曲などヘビーな内容の曲が収録されています。

「俺の力で社会をどうにか立て直したい」というビリーの気合が伝わってきます。

アレンジがコテコテしているし、テーマが重い曲があり、気楽に聴けるという感じはしません。

Live from Long Island

1982年12月29日のニューヨーク公演を収録。

公式発売された商品ではないです。以前発売されていたVHSかレーザーディスクから音源をとってCD化したもの(多分)。

音質は納得できるレベルで、全盛期のビリーのライヴを十分に堪能できます。

Long Island '82

1982年12月29日のニューヨーク公演を収録。テレビ/ラジオ放送用に収録された音源を使用。

公演は上記と同じ。使用音源が一緒かどうかは不明。


(DVD)

Live from Long Island

「ナイロン・カーテン」リリース後のライブ映像。ビリーがステージ上の随所に置かれたキーボードを巡り、所狭しと動き回る姿は微笑ましいです。

以前発売されていたVHSかレーザーディスクに収録された映像をDVD化したもの(多分)。公式リリースではないため、画質・音質ともに難あり。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD2)


(SACD)

An innocent man

「前作では、背伸びしすぎてしまった。ちょっと肩の荷を降ろしてみよう」という気持ちで作った作品。

60年代風にアレンジしたシンプルなロック曲が多いです。ベートベンのメロディーを取り入れたゆったりとしたラブ・ソングThis Night、はずみたくなるポップ曲Up Town Girlは聞き所。

ビリーの優しさが感じられるアルバムです。

Wembley Arena, London June 8th 1984

1984年6月8日のロンドン公演を収録。BBCテレビ/ラジオ放送用に収録された音源を使用。

音はモノラルっぽく広がりがなく、若干クリアさに欠けますが、音のバランスはよく、熱気あふれる演奏が見事に収録されています。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)

The bridge

新たな自分を模索するために、積極的に大物ミュージシャンとのコラボ曲を収録したアルバム。

レイ・チャールズやシンディ・ローパーをボーカルに迎えた曲、スティーヴ・ウィンウッドがハモンド・オルガンを弾いた曲あり。

多彩な曲が収録されているものの散漫な感じがして、それほど心を打つ曲はありません。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)

KOHUEPT

以前からソ連でコンサートをしたいと思っていたビリーが、政治改革実行中のソ連政府から開催を呼びかけられたことで実現したコンサートを収録。

Prelude/Angry Young Manでの華々しいオープニングから一気に引き込まれます。シングル・ヒットした曲だけではなく、各アルバムの隠れた名曲を選んでおり、「こんな曲もライブ演奏したの?」を意外な感じがします。

「社会主義国家にロックの自由さを教えてやるぜ!」という意気込みが伝わってきます。

このコンサートの全容を収録した「マター・オブ・トラスト:ブリッジ・トゥ・ロシア」が2014年に発売されたため、存在意義は薄いです。


(DVD)


(Blu-ray)


(2CD+Blu-ray)


(2CD+Blu-ray)

A Matter of Trust: The Bridge to Russia

1987年7〜8月に行ったソビエト連邦公演を収録した作品。

この公演の模様は、CDでは「コンチェルト」として、映像は「ライヴ・イン・レニングラード」というVHSで発売されていましたが、収録曲を大幅に追加して2014年に発売されました。

全盛期のビリーの姿を収録した貴重な作品です。くわしくはこちら


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)

Storm front

新たな自分を見出すため、長年連れ添ったフィル・ラモーンと別れ、フォリナーのミック・ジョーンズをプロデューサーに迎えた作品。

また、長年ビリー・ジョエル・バンドで活躍してきたダグとラッセルもレコーディングに参加していません。

ハイスピード・ロックWe Didn't Start Fireでは、これまでにない超攻撃的なボーカルを聞かせてくれますが、「円熟した渋さ」を感じさせる曲が大半です。

悪くはないのですが、全盛期の輝きは感じられません。

Live Wembley Stadium 1990

1990年5月26日のロンドン公演を収録。BBCラジオ放送のために収録された音源を使用。

曲が「ヤンキー・スタジアム」とほとんど重複します。


(2CD+Blu-ray)


(2CD+Blu-ray)

Live at Yankee stadium

1990年6月22、23日のニューヨーク公演を収録した作品。地元だけにビリーもファンも熱狂しています。

2CDには2日間のセトリを完全収録し、Blu-rayには「ストーム・フロント」の曲をメインに収録しています。

ビリーの激しい動きやメンバーとのからみは、見ていて楽しいです。ラストのPiano Manでの観客全員を巻き込んだ大合唱は感動モノです。

以前からDVDが発売されていましたが、ソロ活動開始50周年記念で16mmフィルムからレストアし、音源もリミックスして2022年に発売。画質、音質ともにパワーアップしているので旧盤を持っている方でも買い替え必須。


(紙ジャケDSD)


(Blu-spec CD)

River of dreams

「ロック界の超大物」になった余裕が感じられる作品です。特筆すべき曲はなく、地味なイメージがします。

2000 Years: Millennium Concert

1999年12月31日〜2000年1月1日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われた年越しライブを収録したもの。

MCもしっかりと収録されていて、地元ニューヨークでの記念すべきライヴをビリーが楽しんでいる様子がよくわかります。

12 Gardens Live

2006年1月〜4月に行った12回のマディソン・スクエア・ガーデン公演を収録。

これまでのコンサートではあまり演奏されなかった渋めの曲が入っています。

キーを下げて歌っていて、彼の老化を感じます。


(2CD+DVD)


(DVD)


(DVD)


(Blu-ray)


(2CD+DVD+ドキュメンタリーDVD「Last Play At Shea」)


(同上)


(ドキュメンタリー「Last Play At Shea」)


(同上)

Live at Shea Stadium

2008年7月にニューヨークのシェイ・スタジアムでの映像。このスタジアムは取り壊しが決まり、ビリーがラストを〆るコンサートを開きました。

ビリーの全てのキャリアから厳選した曲が演奏されます。ポール・マッカートニーを始め、豪華なゲストも参加。ポールがシャウトするI saw her standing thereでボルテージが上がり、ラストはLet it be。このコンサートを生で見れた人たちがうらやましい。

このライヴのドキュメンタリー映像の「Last Play At Shea」もリリースされます。

My Lives

ソロデビュー前に活動していたグループ時代の曲から2001年に発売したクラシック・アルバムまでのキャリアを総覧する4CDと1994年6月18日のドイツ、フランクフルト公演を収録したDVDをセット。

CDには未発表デモ曲、別テイク曲、シングルB曲、未発表ライヴ曲、サントラ盤収録曲など、オリジナルアルバムには未収録曲がてんこ盛り。

ビリーを長年聴いてきて耳タコになっている私でも、新鮮味を感じることができました。

ラストのインストが長くジャズさが増したZanzibar、アカペラじゃないLongest Timeなど意外性のある曲もあります。

ビリーを聴き込んで達人レベルに達したら聴いてみましょう。







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