デュラン・デュラン(1981年) Duran Duran Girls on Film、Planet Earthという2大キラーチューンを擁したアルバム。 それに続く曲が弱くて、魅力に欠けるのが残念。3枚目以降の曲のようにサウンドが厚めになれば活きたかもしれませんが。 アンディによるとこの当時は「シングルが売れればよい」と思って、アルバム制作には力を入れていなかったとのこと。 上記の2曲が入ったベストアルバムを持っているなら、あえてこのアルバムを買う必要はなし。 デモ曲、別ミックス曲などを収録したボーナスCDつきの2CDや、プロモビデオを収録したDVDつきのセットもあります。 |
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リオ(1982年) Rio サックスを導入したRioで華麗にオープニング。サウンドの成長が顕著です。 カッコよさ満点のHungry Like the Wolfを筆頭に、音に厚みが出てきて、魅力的な曲が増えてきました。特にベースラインの面白さがアップ。 シングルヒットした爽快な曲だけでなく、ねっとり感のある曲にも惹かれます。 アメリカでは当初イギリス盤と同じものが発売されましたが、イマイチ売れなかったので、試しにダンスミックスを作って売ったら大うけ。アメリカではニューロマンティックではなくダンスバンドとして売り出すことになりました。CDにはこのダンスミックスもボーナス曲として収録。 デモ曲、シングルB面曲などを収録したボーナスCDつきのセットもあります。 |
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Live at Hammersmith 82 1982年11月16日のロンドン公演を収録。 サイモンは「拳」と書かれたTシャツを着て熱唱しています。小柄な(約170センチ)のアンディが元気いっぱいに飛んだり跳ねたりする姿は見ていて楽しくなります。 ベースが大きめにミックスされていて曲の厚みがアップ。特にファーストアルバム収録曲の魅力がかなりアップしています。 アルバムだけを聴くと「イケメンのナヨっとした連中」という印象があったのですが、ライヴ映像を見て結構ガチっとしていたことがわかり、印象がアップしました。 |
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セヴン&ザ・ラグド・タイガー(1983年) Seven and the Ragged Tiger 前作が大ヒットしたことで、すごいプレッシャーに悩まされながら曲を作ったアルバム。そのお陰か、意外な展開が魅力的なReflexを始め、一筋縄ではいかない実験的ともいえるユニークな曲が目白押し。 女性バッキングボーカルやホーンの導入で音にバリエーションが増え、豪華絢爛さを感じます。 イケメンアイドルバンドを脱却し、アーティストに進化したアルバムです。 シングルヒットしたIs There Something I Should Know?やシングルB面、別ミックス曲を収録したボーナスCDつきのセット、さらに1984年のコンサート映像、プロモビデオ、TV出演時の演奏などを収録したDVDとのセットもあります。 |
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アリーナ Arena (An Absurd Notion) バンド名の由来となった、1968年の映画バーバレラの登場人物デュラン・デュラン博士が、自分の名を騙るバンドのコンサートを妨害しようと奮闘するオリジナルSF物語のなかに、1984年4月12〜15日のアメリカ、オークランド公演の映像を挿入した作品。 演奏シーンの途中で物語のカットが入ってしまい、せっかくのコンサートが分断されてしまうのは超残念。邪魔です。 そのあおりを食って、ロジャーとニックがほとんど映らず、トリオバンドみたいな扱いになっています。 |
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アリーナ Arena 1984年の世界ツアーで収録した音源で構成されたライヴアルバム。過去3枚のスタジオアルバムやシングルからオイシイ曲ばかりが選ばれて収録されています。 自信に裏付けられたライヴの勢いがあるためか、曲の魅力がスタジオアルバムに比べてアップ。女性コーラスが大胆にフィーチャーされ、華やかさを感じます。何故か冒頭の曲以外、観声が入っておらず、コンサート感が乏しいのは残念。CD化の際に追加されたGirls on Filmのサビでは女子の合唱が聴こえてようやく「ああ、やっぱりライヴだったんだ」と認識できます。 |
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ライヴ・イン・ニューヨーク Live in New York 1984 1984年3月19日のニューヨーク公演を収録。MTVで全世界に生中継された際の音源を使用。 音のクリアさ、バランスは良好。公式ライヴアルバムの「アリーナ」に比べて収録曲が倍で、観客の盛り上がりもしっかりと収録されていてコンサート感があり、断然こっちがよいです。 ラストのGirls on Filmでは女子たちがサビを激唱。曲の途中に入ったメンバー紹介では短いソロパートがあり、思いっきり盛り上がっています(約14分の拡張版!)。 |
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ノトーリアス(1986年) Notorious 前作に続くツアー終了後、活動休止して別ユニット(アーケーディア、パワー・ステーション)でアルバム発表。 続きまくるツアーに精魂尽き果てたロジャーが、1986年に入り脱退。 ナイル・ロジャースをプロデューサーに迎えてレコーディングを開始するものの、ギタリストとしてさらなる活躍の場を目指すことを決めたアンディが途中で脱退。助っ人ギタリストとして、フランク・ザッパのバンドメンバーだったウォーレン・ククルロを迎え、またナイルもギターを弾いてレコーディングを継続。 一曲目のタイトルチューンからホーンが炸裂。リズムが強調され、ファンク的ロックに転換しました。ほぼすべての曲でホーンが軽快に鳴り、ダンサンブルな曲が続きます。 3作目で見られた豪華絢爛さはなく、筋肉質なサウンドです。 別ミックスや1987年5月のオランダ公演のライヴ音源を収録したボーナスCDつきのセット、さらに1988年1月のブラジル公演の映像、プロモビデオ、TV出演時の演奏などを収録したDVDとのセットもあります。 |
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ビッグ・シング(1988年) Big Thing ダンスミュージックが大流行していたことを受け、「うちらも乗り遅れてはイカン」と思ったのか、エレクトリックでダンサンブルな曲が収録されています。シンセが目立っている分、前作に比べてDDらしい華やかさを感じます。 後半は一転して、アコギやピアノをフィーチャーしたしんみりとした組曲風の展開になります。ラストはウォーレンが弾く幻想的&ヘヴィーなギターを重ねてググっと盛り上がって終了。とても不思議な印象でのクロージングです。 シングルB面、別ミックスを収録したボーナスCDつきのセット、さらに1988年12月のイタリア公演の映像、プロモビデオを収録したDVDとのセットもあります。 アルバムのプロモツアーの終了後、レコーディングに全面参加していたウォーレンが正式メンバーに昇格。また、ドラムを叩いたスターリン・キャンベルが正式加入。 |
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ライヴ・イン・ジャパン Tokyo Dome 1989 1989年2月22日の東京ドーム公演を収録。FMラジオ放送用として収録された音源を使用。 「ビッグ・シング」の曲をメインにしたセトリで、すごく新鮮味を感じます。東京ドーム独特の音の響き方をしていてライヴ感が強いです。音のクリアさバランスも良好。女性コーラスやホーンセクションが華を添えていて、きらびやかさがあります。 ラスト数曲で小室哲哉がゲストでキーボードを弾いています。 おまけで1988年12月12日のイタリア、ミラノ公演の音源も収録。 |
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リバティ(1990年) Liberty 実験的な要素はなくなり、普通のオトナのロックになりました。 特筆すべきことがないアルバム。 1991年初頭にスターリンが脱退。 |
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デュラン・デュラン(ザ・ウェディング・アルバム)(1993年) Duran Duran オープニング曲はハートがウキウキするアップテンポナンバー。テンションが一気に高まったところで、至極の美しいバラードに突入する流れは見事。 その後、ダンスミュージック、テクノ風、ラテン風など万華鏡的なバラエティーに富んだ曲が収録されていて、これまでのDDとは違う世界が楽しめます。 ジャケットの4つの写真は、各メンバーの両親の結婚記念写真。 |
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サンキュー(1995年) Thank You ウェディング・アルバムのレコーディングが1992年には終わっていたのにマネジメント会社が発売に乗り気ではなく先送りされたために、ヒマな時間で他のアーティストのカバー曲を録音。 エルビス・コステロ、レッド・ツェッペリン、ボブ・ディランなどの曲を収録。2曲でロジャーがドラムを叩いています。 1曲目はゲストボーカルとのからみが活きているノリノリのダンサンブルな曲でイイ感じ。2曲目もノリがあっていいのですが、そこからゆったり曲に入ったとたんに曲の魅力が失速。 大ヒットした前作の勢いをかって売れはしたものの評価は最悪。バンドの評判は失墜へ。 このアルバムのサポートツアーの終了後、ジョンはソロアルバム作成、新バンド、ニューロティック・アウトサイダーズの結成などの活動を実施。 |
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メダザランド(1997年) Medazzaland シンセが目立つテクノポップなインスト曲でスタート。続く曲たちも、ボーカルの音量が控えめ、打ち込みっぽく聴こえる単調なドラム、シンセのポコポコ&ピョコピョコぶりが目立ち、実験的なサウンドになっています。新境地を目指して攻めている感じで、変化球として面白みはありますが、DD初心者向けではないです。 レコーディング途中にジョンが脱退を発表。 |
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Thanksgiving Live - The Ultra Chrome, Latex & Steel Tour 1997年11月27日のフロリダ公演を収録。 定番曲の間に「メダザランド」収録曲が演奏されていていいアクセントになっています。ドラムに自然な生の響きがあり、サイモンの声も普通のミックスになっていて「メダザランド」曲がいい感じに変化しています。 ウォーレンが幻惑的&不思議なギターフレーズを弾いていることがよくわかり、この時代の彼の存在意義を感じます。 |
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ライヴ・イン・ロンドン Live In London '98 1998年12月21日のロンドン公演を収録。衛星テレビ放送用に収録された音源を使用。 |
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ポップ・トラッシュ(2000年) Pop Trash サイモンの声にハリと色気がなく、全く魅力がないです。曲からヤル気が感じられず、聴いていて「もっとシャキッと気合入れてやれ!」と言いたくなります。 アルバム制作のためにハリウッド・レコードと契約できたものの、全く売れなかったのでこれ1枚で契約解除されてしまいました。 ツアー終了後、サイモンの声掛けにより、オリジナルメンバーが再集結しました。それに伴い、ウォーレンが脱退。 |
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ライヴ・フロム・ロンドン Live from London オリジナルラインアップで早速レコーディングを開始するものの、「もうオワコンじゃないの?」的な扱いを受け、関心を持ってくれるレコード会社がなかなか現れず。 「俺たちはまだ終わっちゃいないぜ」ということを証明するために世界各地でコンサートやったら、大評判でチケット即完売状態。その勢いをかった、2004年4月30日、5月1日のロンドン公演を収録したもの。 オープニングは当時は未発売のアストロノートに収録の(Reach Up for The) Sunrise。新曲に対する自信がうかがえます。そこからは80年代のヒット曲の連続攻撃。 メンバーは老けた顔をしているものの、カッコよくて惚れ惚れします。アンディだけはグサランをかけた田舎のツッパリ高校生風ルックスで面白いです。 選曲、演奏、カメラワーク、すべてよし。たまらん、サイコーです。 |
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アストロノート(2004年) Astronaut コンサートの盛況さで健在ぶりを証明したことでエピックソニーとの契約をゲット。 1曲目のイントロのドラムの刻み方を聴いただけで、「あのDDが戻ってきた!」と実感できます。(Reach Up for The) Sunriseはサビのコーラスワークが魅力的な軽快なロック。続くWant You More!はアンディのギターの刻みとニックのテキトーな軽いシンセのフレーズが面白いロックチューン。この2連発で大満足。 続く曲たちも、飛ばす曲、じっくり聴かせる曲の織り交ぜ方が絶妙でとても聴きやすいです。 後半はオトナ向けのしっとりめの曲が多く尻すぼみ感があります。後半にもガツンとノリノリ曲があったらコントラストがついて良かったのに。 |
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レッド・カーペット・マサカー〜美しき深紅〜(2007年) Red Carpet Massacre 2005〜2006年にセルフプロデュースでReportageという仮題をつけたアルバムをレコーディングしたもののレコード会社が「シングルヒットできる曲を入れろ」とダメ出し。ヒップホップ系のティンバランドをプロデューサーに迎えて曲をレコーディングしようとしたら、その方針に反対したアンディが再度脱退。結局、Reportageを封印してアルバムを作り直しました。 ティンバランド(&そのファミリー)の影響で、前作のニューロマンティック風味のサウンドとは一転して、ダークさを感じるエレクトリックでドラムとベースを強調した曲が多いです。 前作のような80年代的サウンドをやって「守り」に入るのではなく、新機軸で「攻め」に来た意欲は感じますが、聴いていてあまり楽しさを感じません。 |
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オール・ユー・ニード・イズ・ナウ(2010年) All You Need Is Now 種々のアーティストのヒットアルバムを手掛けたマーク・ロンソンをプロデューサーに迎えたことで功を奏したのか、80年代のノリが再び復活。 オープニング曲での王道的DDサウンドを聴くと、ほっとした気持ちになります。続く曲ももグイグイ来て、気分が高まります。 後半のダレがなく、スカッと飛ばし続けてラストはバラードでクールダウンするという構成は見事。 |
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アンステージド Unstaged 2011年3月23日のロサンゼルス公演を収録。 奇才デヴィッド・リンチが監督しています。 ほとんどモノクロで、ライヴ映像のうえにいろいろな物体の画像が重なるという構成になっています。 |
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ア・ダイアモンド・イン・ザ・マインド A Diamond In The Mind:Live 2011 2011年12月16日のイギリス、マンチェスター公演を収録。 新旧の名曲を織り交ぜて、熱く演奏しています。2曲目のPlanet Earthのサビでの「パッパラッパ」の観客のコーラスを聴くと、バンドとファンの一体感を感じ、彼らがいかにファンから愛されているかを実感します。 DVD/Blu-rayはさらに絶品。ライティングやセットが見事でカメラワークもナイス。途中でアニメを挿入したり、白黒画像を挿入したり、メリハリが効いていて見飽きません。CDではカットされた「オール・ユー・ニード・イズ・ナウ」の曲も収録。新鮮味があってよし。 |
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ペイパー・ゴッズ(2015年) Paper Gods エレクトロポップさを前面に出した曲を収録。ベースがズンズンと体に響きます。 演奏は機械的ながら、ボーカルには今をときめく若手女性ボーカリストのカイザ、ジャネール・モネイ、リンジー・ローハンをゲストに招き、ググっと惹きつけられます。特にナイル・ロジャースの軽快なカッティングギターとジャネールの熱いボーカルが印象的なファンクロック曲Pressure Offはノリノリで気分高揚します。 サウンドに斬新さがあり、DDの創造力は衰えていないことの証と言えます。 |
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フューチャー・パスト(2021年) Future Past 「これぞDDの王道」といったノリノリなダンサンブルな曲が目白押し。聴いていてウキウキとした気持ちになります。 トーヴ・ローのソロパート、アイボリアン・ドールのラップをフィーチャーした曲がいいアクセントになっています。ピョコピョコな軽快曲More Joyでは日本のガールズバンドCHAIを起用し、お祭り的な楽しい雰囲気を出しています(日本語でガヤガヤしゃべっている気がするが聴き取れない)。 ラストはマイク・ガーソンのピアノを導入し、ゆったりとした神秘的な雰囲気になっています。クールダウンとしては最適。 デラックス版にはボーナス曲を3つ収録。 |
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ハリウッド・ハイ Live in Los Angeles: A Hollywood High アメリカでレコードを売りまくってくれた恩があるキャピトルレコードの本社ビルが見えるハリウッドのホテルでの2022年3月17日のコンサートを収録。 12曲中5曲が「フューチャー」からで新作への自信がうかがえます。 サイモンが「分断されてしまった世界に、平和が再び来ることを願って」と言ってスタートするOrdinary Worldでは、ビルがウクライナ国旗の色でライトアップされて心を打たれます。 詳しくは私のブログをご覧ください。 |
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ダンス・マカブル(2023年) Danse Macabre 2022年10月31日にハロウィンをテーマにしたコンサートをラスベガスでやったところ、やたら楽しかったので「このテーマでアルバムを作ろう!」的なノリで制作。 ビリー・アイリッシュ、トーキング・ヘッズ、ザ・ローリング・ストーンズ等の曲のカバー、自身の作品のカバー、新曲を収録。 アンディやウォーレンがギターを弾いた曲もあります。 ミステリアスな曲、ダークな曲、ノリノリのダンス曲などお祭り状態で、聴いていてとっても楽しい気持ちになります。 詳しい情報を私のブログに掲載しています。 |
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