イーグルス・ファースト(1972年) Eagles リンダ・ロンシュタットのバックミュージシャンとして集まったメンバーが「いっちょ、うちらのバンドでも作ってみよっか」ということでイーグルスを結成 オープニングのグレンが歌うTake It Easyは、まさに「アメリカっ! ウエスト・コーストっ!」という感じのドライで軽快な曲です。 続く、ドンが歌うWhitch Womanは一転してダークな香りがして、のちのOne of These NightsやHotel Californiaと似た雰囲気を感じます。 他にはさほど心に残る曲はなく、軽快さがずっと続いたまま時間が過ぎていきます。 |
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ならず者(1973年) Desperado 古き西部の開拓時代を題材にしたコンセプトアルバム。 しっとりさを感じる曲が印象に残る作品です。Doolin-DaltonやDesperadoをしんみりと歌いあげるドン・ヘンリーの声にはしびれます。 その一方でバーニー・レドン流のカントリー曲もあり、アルバムの流れが散逸している印象があります。 |
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オン・ザ・ボーダー(1974年) On the Border 「ならず者」がファーストほどには売れなかったためにカントリー的路線に限界を感じ、ロック色を強めるためにレコーディング途中で前2作のプロデューサーから別の者に変えて作成された作品。 曲にスライドギターを入れてもらうためにバーニーの友人ドン・フェルダーをレコーディングに招いたら、そのまま正式加入しました。 特に目玉となる曲もなく、物足りなさを感じているうちに時間が過ぎ、ラストのBest of My Loveで留飲が下がるといった感じ。 |
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ライヴ・イン・ニューヨーク 1974 Live In New York 1974 1974年4月13日のニューヨーク公演を収録。テレビ/ラジオ放送用として収録された音源を使用。 音はモノラルっぽく広がりがなく、若干クリアさに欠けますが、音のバランスはよく、十分鑑賞できます。 リンダ・ロンシュタットが数曲ゲストで歌っています。これが結構ナイス。 |
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呪われた夜(1975年) One of These Nights ダークな感じがするOne of These Nightsには、イントロのベースの音から、ゾクゾクさせられます。 他にもLyin' EyesやTake It to the Limitという名曲が目白押し。 ロック色を強めるバンドの方向性に耐えられなくなったバーニーがこのアルバムを最後に脱退。 |
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ホテル・カリフォルニア(1976年) Hotel California バーニーの後任として、以前からメンバーと親しかったジョー・ウォルシュが参加。 哀愁漂うHotel Californiaに続いて、ほのぼのとした曲に入り、ハードなロック曲になだれ込むところは、かっこいいです。 バーニーの後任として加入したジョー・ウォルシュが歌う曲では、彼の独特の声質が新たな魅力をイーグルス・サウンドに加えました。 さらにロック色を強めたバンドの方向性への違和感、グレンやドンHとの確執などのために、ランディーがアルバム発表後のツアー終了後に脱退。 日本盤SACDには5.1chサラウンド音源もついています。 2017年に40周年記念として、リマスターCD、1976年10月20〜22日のロサンゼルス公演を収録したCDをセットにした2CD、その2CDにBlu-rayオーディオをセットしたものが発売。 |
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ライヴ・イン・ヒューストン 1976 Live In Houston 1976 1976年11月6日のアメリカ、ヒューストン公演を収録。ラジオ放送用に収録された音源を使用。 Hotel Californiaでは曲全体で演じられるポコポコした音(ギターをミュートして刻んでいる音?)が目立ち、音の安っぽさが気になりましたが、他の曲では音のバランス、クリア感とも十分。たまに音程が揺らぐ箇所がありますが、許せる範囲です。 「イーグルス・ライヴ」のようなポストプロダクションされていない分、ライヴの熱気が伝わってきます。 |
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ロング・ラン(1979年) The Long Run ランディーの後任として、ハイトーンで歌えるベーシストのティモシー・B・シュミットが加入。 The Long Run、Heartache Tonight、I Can't Tell You Whyという名曲がある一方で、「箸にも棒にもかからないどうしようもない曲」も収録されている玉石混合のアルバムです。 前述の3曲をベスト盤やライヴ盤でお持ちなら、あえてこのアルバムを買う意義はありません。 |
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ライヴ・イン・カリフォルニア 1980 Live In California 1980 1980年3月4日のアメリカ、イングルウッド公演を収録。ラジオ放送用に収録された音源を使用。 15曲中7曲がロング・ランの収録曲で、新作への自信が伺えます。 音はそこそこクリアで、特にボーカルはバッチリ。演奏の音量がボーカルに比べてやや小さめですが、「ボーカルを聴かせるためのミックス」だと思うと、さほど気になりません。ポストプロダクションされていないので、ライヴの熱気をビンビンに感じます。 |
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イーグルス・ライヴ(1980年) Eagles Live カリフォルニア州での1976年10月20〜22日の公演から5曲(ランディ在籍時)、1980年7月27〜31日の公演から10曲を収録(ティモシー在籍時)。 ベスト集みたいな感じで、名曲がみごとな演奏で収録されています。 演奏が完璧すぎるためか、それともポストプロダクションを徹底的にやったのか、スタジオ録音とほとんど違わない演奏なので、ライヴを聴いている感じがしないです。 当時ドンHとの対立が激化していたグレンは他のメンバーとのオーバーダビングへの同席を拒否し、テープがグレンがいたロサンゼルスと他のメンバーがいたマイアミを行ったり来たりしたそうです。 そのままバンドは休止状態に入り、1982年に解散。 |
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ヘル・フリーゼズ・オーヴァー Hell Freezes Over 1993年にイーグルスのトリビュートアルバムが発売されることになり、Take It Easyを歌ったミュージシャンがメンバーにビデオへの参加を呼び掛けたら、とんとん拍子に話が進んでイーグルスがロングラン当時のメンバーで再結成することになり、1994年4月24日にカリフォルニア州のワーナーブラザースのスタジオでMTVスペシャルとしてコンサートが行われました。 コンサートの冒頭で、グレンが「解散なんかしていないぜ。14年間休暇を取っていただけさ」と発言し、人間関係が修復されたことが伺えます。 CDにはスタジオ録音された新曲4つが収録され、その後にMTVスペシャルの音源を収録されています。 Hotel Californiaのアコースティック・バージョンを筆頭に心に染みる哀愁漂う演奏が繰り広げられます。 選曲、アレンジ、演奏ともに絶品です。 |
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ヘル・フリーゼズ・オーヴァー Hell Freezes Over 上記のコンサートの映像を収録。 CDとは曲順が違い、Hotel Californiaのアコースティック・バージョンで幕開けし、いきなり心に染みる哀愁の世界に引き込まれます。また、CDではスタジオ録音音源だった新曲がライヴ演奏で収録されています。 往年の名曲、新曲、ソロ作品が織り交ぜながら進んでいきます。とにかくすべてが絶品。 ラストのDesperadoを聴き終えた時、満足感に浸れます。 |
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ライヴ・イン・カリフォルニア1994 〜アンプラグド・スペシャル・セッション Warner Brothers Studios, Burbank, CA-April 25th 1994 ヘル・フリーゼズ・オーヴァーの収録日の翌日の演奏を収録。 とてもクリアな音質で公式発売されないのが不思議なくらい。 アコースティックなシンプルな調べが、心にじんじんと染みてきて、せつなさ、なつかしさに胸が熱くなってきます。ヘルのCDやDVDに収録されていない曲が5曲収録されていて、たっぷりと感動の世界に浸ることができます。 |
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フェアウェル・ツアー ライヴ・フロム・メルボルン Farewell Tour Live from Melbourne 2001年に報酬の分配をめぐる意見対立の末、ドンFが解雇され、4人体制になりました。 2004年11月のオーストラリア公演を収録。 サポートミュージシャンとしてギタリスト、キーボーディスト、ドラマー、ホーンセクションが入っているので音に豪華さと厚みがあります。 ドンHはドラムを叩いている場面より、前に出て歌っているシーンの方が目立ちます。 イーグルスの名曲を前半と後半に入れ、中盤は各メンバーのソロ曲を入れるという構成になっています。これでもかの名曲の連発。選曲よし、演奏よし、画質&音質よし。文句のつけようがありません。 ジョーの存在感がやたら大きく、彼のファンにはたまらないでしょう。 |
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ロング・ロード・アウト・オブ・エデン(2007年) Long Road Out of Eden 2枚組。1枚目は初期のイーグルスを連想させる乾いた感じの曲が多いです。一方、2枚目は「ホテル・カリフォルニア」を連想させる、湿り気のあるダークな曲が収録されています。 長年待った甲斐がある、完成度が高い曲が収録されています。 |
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駆け足の人生〜ヒストリー・オブ・イーグルス History of the Eagles イーグルスの歴史を記録したドキュメンタリー映像。 パート1では結成から1980年の活動休止まで、パート2ではドンHとグレンがソロ活動を始め、その後の再結成までを記録しています。 さらに1977年3月21日のアメリカ、ランドーバー公演を収録したボーナスディスクつき(ただし、日本盤Blu-rayにはついていません) 2016年1月18日にグレンが病気のために死去。 |
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Live From The Forum MMXVIII 2018年9月12〜15日のロサンゼルス公演を収録。 ヴィンス・ギルとグレンの息子ディーコンをサポートメンバーに迎えています。 Seven Bridges Roadで幕開け。かつての感動的なハモリの美しさはないです。 これまでのライヴアルバム同様、往年の名曲やメンバーを織り交ぜて演奏していますが、グレンがいない痛手は大きく魅力に欠けています。他のライヴアルバムを聴くほうが時間の有効活用になります。 |
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