1974年以前にもアルバムを発表していますが、音楽性が違っていて聴く予定はないので省略 | |
ファンタスティック・マック(1975年) Fleetwood Mac 活動拠点をイギリスからロサンゼルスに移すことを決意して渡米。 直後にギタリストが脱退したことで、後任を探していたらリンジー・バッキンガムと出会い、さらにリンジーの希望で彼のパートナーのスティーヴィー・ニックスも加入しました。黄金時代の幕開けです。 クリスティン・マクビーのやさしいお母さん風の声、スティーヴィーのけだるそうなダミ声、リンジーの一風変わった声という個性的な声が曲に多彩な味付けをしています。 クリスティンが歌うほんわかポップSay You Love Me、スティーヴィーが歌う哀愁漂うRhiannonは聴いていて心地よさを感じます。 軽快さ、やさしさを感じる曲が多く、耳馴染みがよいです。 |
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ライヴ・イン・コネチカット1975 Live.. University Of Connecticut,1975 King Biscuit Flower Hour 1975年10月25日のアメリカのコネチカット大学のホールでの行われたライヴを収録。ラジオ番組キング・ ビスケット・フラワー・アワーでの放送用の音源。音質はそこそこクリアで安定しています。 スティーヴィーが激唱するRhiannonは聴きどころ。「あたしゃ、新バンドでガンガンやっていくわよ!」という彼女の意気込みを感じます。 終盤では旧体制時代の2曲をリンジーが熱唱します。私は旧体制の曲を聴いたことがなかったので新鮮味を感じました。 |
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噂(1977年) Rumours 前作からの流れを組む作品。 シングルヒットしたDreams、Don't Stop、You Make Loving Funを筆頭に名曲だらけ。全米で大ヒットしてグラミー賞を取得したことが頷けます。 しかし、その裏ではマクヴィー夫妻の結婚生活が破綻し、リンジーとスティーヴィーは交際をやめるという人間関係のゴタゴタが起こっていました。その辛さから逃れるために曲作りに没頭したことが幸いしてよい曲がたくさんできたという説があります。 ライヴ音源やデモ音源を収録した3CDセットもあります。 |
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噂〜ライヴ Rumours Live 1977年8月29日のロサンゼルス公演を収録。2023年になってようやく蔵出しされました。 「ファンタスティック」「噂」のおいしいところが凝縮されています。ノリのよい客の反応を受け、メンバーがノリノリで演奏しているシーンが目に浮かびます。 |
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牙 (タスク)(1979年) Tusk リンジーがノリに乗っていて、実験的とも言える曲を次々に放ち、それに負けじとスティーヴィーやクリスティンも曲を連射。 これまでのやさしさ、明るさだけでなく、憂いさ、ハードさを感じる曲もあり、多彩な曲が収録されています。 結局、LPレコード1枚には収まりきれなくなり、2枚組で発売されました。 女性ボーカル曲とリンジーのボーカル曲が交互に収録されていて、最初聴いた時は「女性ボーカルだけに絞ったら名作度があがったのにな」と思いましたが、聴いていくうちにリンジーの曲に魅力を感じてきました。 |
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フリートウッド・マック・ライヴ Live 1977〜1980年のコンサートから選抜された音源で構成されたもの。「ファンタスティック」〜「タスク」に収録された名曲たちが熱意こもった演奏で収録されています。 選曲&演奏ともに文句なし。彼らの魅力が凝縮されています。 2021年4月に、1977〜1982年の未発表ライヴ音源を1時間以上収録したボーナスCDがついた3CD+2LP(+シングル)が発売されました。このボーナスに収録された曲が熱気ムンムン。聴く価値があります。 |
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ミラージュ(1982年) Mirage 「タスク」が実験的な側面が強かったせいかセールス的にイマイチだったために、「噂」路線で二匹目のどじょうを狙いにいった作品。 クリスティンのHold Me、スティーヴィーのGypsy、リンジーのOh Dianeというヒット曲を収録 全体的に薄味であっさりとした曲が多いです。特にリンジーの曲の魅力が不足している気がします。保守的に回り過ぎたのか? すらっと聴けますが、あまり後味が残らないという感じ。 |
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タンゴ・イン・ザ・ナイト(1987年) Tango in the Night 従来のポップさにエスニックな要素も加え、コテコテ感がある曲が収録されています。不思議な感覚がする曲があり、じっくりと聴きこんでいくと味わいが深まっていきます。 スティーヴィーのSeven Wonders、クリスティンのLittle Liesはこれまでになくアレンジが豪華でスケールがでかい気がします。 アルバムの発表後、リンジーが「バンドにいると自分の創造力が失われてしまう」とバンドに告げ、大げんかの末に脱退。 |
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ビハインド・ザ・マスク(1990年) Behind the Mask 曲が書けて歌えるギタリスト、ビリー・バーネットとリック・ヴィトーを迎えて6人体制で再出発した作品。 オープニングのクリスティンが歌う曲はポジティブさを感じます。続くハードな曲はスティーヴィーとリックが対等に張りあったデュエット曲。リンジー時代にはこんなからみはあまりなかったので新鮮味があります。3曲目のバーネットの曲は映画音楽風のスリリングなプログレ調で始まるこれまでのマックにない雰囲気を感じる7分曲。 「リンジーがいなくても、いいアルバムを作ってみせるわよ」という気合を感じます。 このアルバムのサポート・ツアー終了後、リックとスティーヴィーが脱退。 |
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タイム(1995年) Time 女性ボーカルとしてカントリー娘のベッカ・ブラムレット、ギタリストとしてデイヴ・メイソンが加入。 クリスティンが歌う曲はいつもの「マック調」ですが、それ以外の曲は全く別物。 他の作品を揃え終わり、クリスティンの歌声をもっともっとも〜っと聴きたいと思ったら買うくらいでよいです。 アルバムの発表後、ベッカとビリーがカントリー道を追及するために脱退、さらにはクリスティンまでも脱退してしまいました。 |
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ザ・ダンス The Dance クリスティンの脱退でバンドの運命も尽きたと思われたものの、ミックとリンジーがセッション組んだり、スティーヴィーとリンジーがサウンドトラックに取り組んだりと交流が続き、1997年3月に全盛期メンバーが再結集。 5月23日にカリフォルニア州のワーナー・ブラザース・スタジオで開催されたコンサートを収録。 全盛期の作品から名曲ばかりを抜粋して凝縮した感じ。まさにベスト中のベスト。新曲も収録されています。 |
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ザ・ダンス〜グレイテスト・ヒッツ・ライヴ The Dance 上記のコンサートの映像を収録。 リンジーがピックを使わずに指でギターを弾いていることを初めて知りました。かなりノリノリで弾いていて見ごたえあり。スティーヴィーはストレートヘアーでキラキラした目がかわいらしいです。ダミ声とのギャップが面白いです。この2人の仲良しぶりが微笑ましい。 終盤のTuskではステージに大学のマーチングバンドが参加し、大人数で小太鼓やホーンを鳴らして迫力満点。続くDon't Stopでも演奏してグワーンと盛り上げます。 ラストは一転してクリスティンがピアノ弾き語りでSongbirdをしんみりと歌って終了。見事な演出です。この曲はCDに入っていないので、大感動を味わうならDVDを買うことをお勧めします。 1998年にはロックの殿堂入りを果たしました。喜びもつかの間、クリスティンが引退宣言をして再度離脱。 |
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セイ・ユー・ウィル(2003年) Say You Will クリスティン抜きの全盛期マックで製作したアルバム(とは言え、クリスティンは数曲でキーボードとバッキング・コーラスを担当)。 リンジーとスティーヴィーが呪縛から解かれたかのような、自由奔放&好き勝手に多彩な曲を披露しまくっています。 「次に何がくるか?」という面白さはあるものの、マックの魅力の親しみやすいポップさはないです。 |
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ライブ・イン・ボストン Live in Boston 2003年9月23、24日のアメリカ、ボストン公演を収録。クリスティンは不参加で、サポートミュージシャン7名を率いて演奏しています。 ミックがニコニコしながら激しいドラムを叩いているのが印象的です。リンジーはキレッキレで演奏。ノリに乗って客席で演奏するシーンもあり。スティーヴィーは50代半ばとは思えない美魔女ぶりを発揮しながら熱唱。 当然ながらセイ・ユー・ウィルの曲が多くなります。私はこのアルバムを聴きこんでおらず馴染みがないのでその点ではマイナス。また、クリスティンが歌う名曲がないのも残念。 CDには10曲が抜粋されて収録。フル収録のCDが欲しいなら、以下のものをどうぞ。 |
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ライブ・イン・ボストン Live.. Boston, Ma 2003 2003年9月24日のアメリカ、ボストン公演を収録。TV放映用に収録された音源を使用。 上記のDVDとセトリが完全に重複します。 |
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リンジー・バッキンガム/クリスティン・マクヴィー(2017年) Lindsey Buckingham Christine McVie 2014年に突如クリスティンがマックへの復帰を宣言。リンジーとクリスティンは曲作りを開始し、ミックやジョンも参加してレコーディングが進みました。 2014年9月〜2015年11月にかけて行われたマックのツアー終了後、いざ新作に取り掛かろうと思ったものの、スティーヴィーがソロ活動を優先するために、アルバム制作に参加せず、業を煮やしたリンジーとクリスティンが「もう、待てん」ということで曲を仕上げて二人名義でアルバムを発表しました。 つまり、実質、マック・マイナス・スティーヴィーって感じです。 全盛期マックを彷彿とさせる良質なポップが収録されていて楽しめます。 2018年4月、秋から始まるマックのツアーへの選曲方針の食い違いから、リンジーが解雇され、マイク・キャンベルとニール・フィンが加入。 2022年11月30日にクリスティンが逝去。 |
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