John Lennon

Unfinished Music No. 1: Two virgins

1966年11月にヨーコ・オノに出会って交際開始。

ビートルズのホワイト・アルバムのレコーディング開始直前の1968年5月19日の夜に、妻が旅行中に自宅にヨーコを招き入れて録音したもの。

妻との離婚成立後の11月に衝撃的なジャケットで発売されました。

音楽というより「音」。凡人には全く理解できない世界です。

「ジョンの作品なら何でも持っておかないと気がすまない」信者向け。

Unfinished Music No. 2: Life with the lions

LPでのA面には1969年3月2日のケンブリッジ大学でのライヴを、B面には1968年11月にロンドンのクイーン・シャーロット病院の病室で録音された音源を収録。

前衛的作品で、音楽というより「音」。胎児の心音を収録するなど、凡人には全く理解できない世界です。

ジョンの信者向け。


(50周年記念)

Wedding album

1969年2月から始まった「アビー・ロード」のレコーディング途中、3月20日にヨーコと挙式。

LPでのA面は、互いに名前を20分以上言い合っているだけ。

B面は、3月25〜31日にオランダのアムステルダムのホテルで実施された「ベッド・イン」時のインタビューや会話を収録したもの。

2019年に結婚証明書のレプリカやポスターなどのオマケをセットした豪華ボックスセットが50周年記念として発売。

Live Peace in Toronto 1969

「アビー・ロード」のレコーディング終了後の1969年9月にプラスティック・オノ・バンドを結成。

9月13日にカナダのトロントで行われたロックン・ロール・リヴァイヴァル・ショーを収録したもの。エリック・クラプトンがギターを奏でています。

オールディーズ曲、ビートルズ曲、ソロ時代曲を楽しみながら演奏しているのがわかります。

後半はヨーコが歌うDon't Worry Kyokoとヨーコがアーとかリャーとか延々と12分叫ぶJohn, Johnを収録。聴きとおすにはかなりの忍耐力が必要。

カナダから帰国後の9月20日にビートルズのメンバーに脱退を宣言しました。


(SACD)

John Lennon/ Plastic ono band

1970年初頭に心理学者ヤノフが出した本を読んで関心を持ったジョンとヨーコは彼から原始療法(精神病の治療方法。精神の奥深くに抑制された幼少期の心の痛みを呼び起こして認識するもの)を受けました。

その直後ということもあり、ジョンの心の底からの叫びが収録され、聴き手の心を揺さぶる一作になっています。

ずっしり心に響く曲ばかり。Godでは「ビートルズなんか信じない!」という歌詞まで飛び出します。気軽に聴けるアルバムではありません。ジョンが多くの悲しみを背負っていた人物だということがよくわかります。

ビリー・プレストンとフィル・スペクターがピアノを弾いた2曲以外、ジョン(G, Pianoなど)、リンゴ・スター(Dr)、クラウス・フォアマン(B)の3人で演奏しています。そのシンプルさがジョンの声を際立たせ、感情がビンビンに伝わってきます。


(2CD)


(2CD)


(6CD+2Blu-ray)


(6CD+2Blu-ray)

John Lennon/ Plastic ono band

発売50周年記念盤。

2CDの2枚目にはアウトテイクを収録。

豪華セットにはさらなるアウトテイク、各曲の目玉演奏をよく聴こえるようにミックスしたThe Element Mixes、曲の作成過程がわかる音源で構成したThe Evolution Mixes、ジャムセッションなどを収録したCDがさらについています。

2枚のBlu-rayにはアルバム+シングルの2ch、5.1chサラウンド、ドルビーアトモスや上記CD収録曲のハイレゾ音源を収録。


(Blu-ray audio)


(SACD)

Imagine

ポールの「マッカートニー」、ジョージの「オール・シングス・マスト・パス」に比べて「ジョンの魂」の売り上げがイマイチだったことにショックを受け、「売れるアルバムを作る」という気合をこめて作った作品。

前作の重苦しさが軽減され、気楽に聴ける曲が多く収録されています。

名作Imagine、ピアノの音が印象的なバラードJealous Guy、ジョン史上最良のバラードOh My Love収録。ポールを皮肉ったHow Do You Sleep?は波紋を呼びました。

前作のシンプルさと異なり、「これぞフィル・スペクターのプロデュース」と言わんばかりにアレンジが重厚です。

96kHz/24bit音源を収録したBlu-rayオーディオも発売。


(2CD)


(2CD)


(4CD+2Blu-ray)


(4CD+2Blu-ray)

Imagine

ヨーコ監修のもと第一世代のオリジナル・マルチ・トラック・テープから新たにリミックスされた音源を収録。

2CDの2枚目にはアウトテイクを収録。

豪華セットのCD3にはジョンとヨーコの自宅にあるスタジオで録音されたライヴを収録。フィル・スペクターのコテコテアレンジがない分、ジョンの魂がダイレクトに生々しく伝わってきます。CD4にはイマジン収録の各曲の作成ドキュメンタリー&デモ音源を収録。歴史的価値はあるでしょうが、何を話しているかわからないと聴きとおすのはしんどいです。

2枚のBlu-rayにはアルバム+シングルの2ch、5.1chサラウンド、アウトテイク、デモ、スタジオライヴのハイレゾ音源を収録。


(DVD)


(DVD)


(Blu-ray)


(Blu-ray)

Imagine/Gimme some truth

2つの映像作品「イマジン」と「ギミ・サム・トゥルース」をオリジナルネガからレストアして、セット販売したもの。

「イマジン」は1971年にジョンとヨーコが監督した、イマジン収録曲にイマジネーションあふれる映像をつけたもの。「ギミ・サム・トゥルース」はイマジンのレコーディング風景などを収録したドキュメンタリー。


(SACD)

Some time in New York City

1971年8月にニューヨークに引っ越し。反体制派と交流を深めました。

LPでは2枚組で発売。1枚目のスタジオ録音では女性解放、刑務所での暴動、北アイルランド問題など社会的・政治的問題を題材にしています。ジョンのボーカルだけでなく、ヨーコのソロ、ジョンとヨーコのデュエットも収録。ニューヨークの無名バンドをバッキングに起用し、荒々しく、前作の柔らかさとは大違いです。

LPでの2枚目は「おまけ」扱いのライブ盤。A面には1969年12月15日にロンドンで開催されたチャリティーコンサートの音源を収録。エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン、キース・ムーンらが演奏しています。ジョンが歌うCold Turkeyはよいですが、ヨーコがジャムセッション的演奏をバックに16分間歌う(叫ぶ?)Don't Worry Kyokoは聴くのがしんどいです。B面は1971年6月6日のフランク・ザッパ&マザース・オブ・インベンションとの共演を収録。ジョンが歌うWellは許せるものの、ラストでヨーコが叫ぶAuは音楽とは言い難く聴きとおすのに辛抱が必要です。

Live in New York City

1972年8月30日に、精神障害児を支援するために開かれた慈善コンサートでの演奏を収録したもの。

ジョンのボーカルとサックスのからむ曲が多く、渋さ&カッコよさを感じます。

ロックな曲だけでなく、MotherやImagineといったじっくりと聞かせる曲も収録されていてコントラストがついています。

コンサートではヨーコのボーカル曲や「叫び曲」が演奏されましたが、カットされているのは幸い。


(SACD)

Mind games

1973年4月1日、ヨーコと一緒に架空の国家「ヌートピア」の建国を宣言。

仕事として音楽づくりをしていることに違和感を覚えて、曲を書く意欲がなかなか出ないなか、「どげんかせんといかん」という気持ちだけでスタジオに入ってレコーディングされたアルバム。

タイトル曲はスライド・ギターが爽快な曲で、ジョンの気合を感じるボーカルが聴けます。

あとの曲はさほど印象に残るものではないものの、ニューヨークの凄腕ミュージシャンが演奏していることで、小粒ながらピリリと辛い仕上がりになっているのは救い。

アルバムのレコーディング中にジョンはヨーコと離別を決め、18カ月間におよぶ別居生活に入りました(のちに「失われた週末」と呼ばれる)。


(SACD)

Wall and bridge

ジョンがCome Togetherでチャック・ベリーの曲のメロディーを無断借用したことに対し、音楽出版会社のモーリス・レヴィが損害賠償を訴え、裁判を回避する条件としてジョンは次回作でモーリスの会社が管理するオールディーズを3曲収録することに合意。

1973年の暮れにオールディーズのアルバムの製作に入るものの、プロデューサーのフィル・スペクターが録音テープを持って失踪。待てど暮らせど彼が戻ってこないので、やむなく新曲の作成を開始しました。

当時、飲んだくれてすさんだ生活をしていたにもかかわらず、創造力が高く素晴らしい曲ができました。

エルトン・ジョンと共作のWhatever Gets You Thru The Nightはサックスがカッコいい、ノリノリのロック曲。その他、ホーンセクションを活かした曲が多く収録されています。充実していて聴きごたえがあります。

モーリス対策として、1曲だけおちゃらけ風にオールディーズを収録。これだけでモーリスが納得するはずはなく、遺恨は次回作に持ち込まれます。


(SACD)

Rock'n roll

交渉の末、オールディーズのアルバムを作成してモーリスが経営するテレビ通販会社で発売することで決着。

以前フィル・スペクターと一緒にレコーディングした曲で使いものになるのが4曲しかなかったために、「心の壁、愛の橋」でのメンバーに協力を頼んで追加レコーディングしました。

モーリスにはラフ・ミックスを渡して発売させる一方で、キャピトル・レコードから仕上げバージョンを発売して対抗。

シングルカットされたStand by Meは切実な訴えが心に響く名曲。ベン・E・キングのオリジナルバージョンの影がかすむほど。

ロックンロール好きなジョンがレコーディングを楽しんでいることはわかりますが、一本調子のために、途中で聴き飽きてしまいます。

同年10月9日にヨーコとの間にショーンが誕生。音楽活動を休止してイクメン生活に入りました。


(SACD)

Double fantasy

専業主夫生活から音楽界に復帰した作品。ジョンとヨーコの曲が交互に収録され、二人のアルバムとなっています。

家族愛に満ちたほのぼのとした名曲が収録されています。

ヨーコのKiss Kiss Kissは、子供には聴かせられないエッチな曲です。家族の前で聴くときは飛ばしましょう。

このアルバムリリース後の12月8日に、ジョンは射殺されました。

2010年にオリジナルミックスのCDと「ストリップド・ダウン」ミックスと呼ばれる、シンプルな演奏のみにリミックスしたCDの2枚組が発売。

 

Milk and honey

1980年12月の死の直前までレコーディングに取り掛かっていたジョンの曲と、1983年にヨーコがレコーディングした曲を交互に収録。

ジョンの曲はデモやラフミックス状態で、粗さがあります。

「ダブル・ファンタジー」と構成が同じですが、前作の出来がよすぎて、こっちは印象に残らないです。

John Lennon anthology

アウトテイク、デモ曲を集めた4枚組。アルバム収録曲と違ったアレンジの曲(かなり完成度が高い)が含まれ、聞き比べると面白いです。

ジョンの大ファン向け。


(DVD)

Imagine

ジョン・レノンとは、いったいどのような人物だったのかを綴る、伝記的ドキュメンタリー。







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