(2CD)
(2CD)
(3CD+DVD)
(3CD+DVD)
|
マッカートニーII(1980年)
McCartney II
「バック・トゥ・ジ・エッグ」の発売後の1979年7月にスコットランドの農場に行って宅録したアルバム。
当面リリースするつもりはなかったものの、1980年1月の日本での逮捕騒動から帰国後にリリースを決定。
軽薄テクノポップでオープニング、その後もピョコピョコとした人工的なサウンドが続き、「もう、イヤ」と途中で再生をやめることがしばしば。
涅槃の域に達してから買わないと大損をこいた気になるでしょう。
CD2枚のデラックス盤、CD3枚+DVD1枚のスーパーデラックス盤があります。
|
(2CD)
(2CD)
(3CD+DVD)
(3CD+DVD)
|
タッグ・オブ・ウォー(1982年)
Tug of war
ジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えた傑作。
1980年12月に曲作りを開始するものの12月8日のジョンの死去にショックを受けて中断。翌年2月になって気を取り直して制作を再開しました。
大御所スティービー・ワンダーとのデュエット曲Evony and Ivory、リンゴ・スターがドラムを叩くTake It Away、心にしみるスロー・バラードWanderlustなど名曲ぞろいです。
Here Todayはジョンを偲んで歌った曲。
ボーナス曲を収録したCDとの2枚組と、オリジナル・ミックス音源を収録したCDやDVDがセットになった3CD+DVDがあります。詳しくはこちら。
|
(2CD)
(2CD)
(2CD+DVD)
(2CD+DVD)
|
パイプス・オブ・ピース(1983年)
Pipes of peace
もともと2枚組として録音が進んでいた「タッグ・オブ・ウォー」に収録されなかった曲に、新曲を追加して仕上げられた作品。
当時「スリラー」をヒットさせて人気絶頂だったマイケル・ジャクソンとのデュエット2曲を収録。それ以外に特筆すべき曲はありません。
ボーナス曲を収録したCDとの2枚組と、さらにDVDがセットになった2CD+DVDがあります。詳しくはこちら。
|
|
ヤァ!ブロード・ストリート(1984年)
Give my regard to broad street
前2作がセールス的に絶好調だったので、ノリノリの勢いで長年の夢だったオリジナル映画制作に取り掛かりました。同名の映画のサントラ盤です。
プロデュースには三度ジョージ・マーティンが携わっています。
新曲はNo More Lonely Nightsくらいで、ビートルズやウイングスの曲のセルフ・カバーを多数収録。オリジナル曲と聞き比べてみると面白いです。
ピンク・フロイドやTOTOのメンバーがゲスト参加しているのも聴きどころ。
|
(DVD)
|
ヤァ!ブロード・ストリート
Give my regard to broad street
「盗まれた新アルバムのレコーディングテープの行方を追う」という物語の間にポールによるスタジオライブ映像が挿入されるという構成。
はるか昔に見て「つまらん。見るだけ時間の無駄。二度と見ない」と思った記憶あり。
|
|
プレス・トゥ・プレイ(1986年)
Press to play
映画「ヤァ!ブロード・ストリート」が大コケだったことにガッカリして、新たな方針を目指すために当時数々の大ヒットアルバムを手掛けていたヒュー・パジャムをプロデューサーに迎え、ここ数年間の盟友だった10ccのエリック・スチュワートと一緒に曲作りしたアルバム。
レビューを書こうにも書きようがないくらい印象に残らない作品。
多くの人がこれを聴いて「ポールはもう終わった・・・」と思ったそうです。
|
|
バック・イン・ザ・USSR(1988年)
Choba B CCCP
「プレス・トゥ・プレイ」が不評、さらにフィル・ラモーンをプロデューサーに迎えて制作を始めた新アルバムも完成目前で頓挫して八方塞がりを感じたことで、「原点に戻って自分を見つめなおそう」的に1987年7月の2日間に1950年代のスタンダード曲をレコーディングしたもの。
当初、ソビエト連邦でゴルバチョフ書記長が改革の一環として進めていた情報公開(グラスノチ)を応援するために、ソ連限定で発売。ソ連からの逆輸入が話題になったことで、1991年に全世界でも発売されました。
活きのよい演奏で、けっこう楽しめます。
|
(2CD)
(3CD+DVD)
(2CD)
(3CD+DVD)
|
フラワーズ・イン・ザ・ダート(1989年)
Flowers in the dirt
エルヴィス・コステロとのコラボが大成功。曲作りの段階から対等の立場でアイディアを出し合い、時にはエルヴィスが大先輩に向かってダメだしをしました。
オープニング曲は、ここ数年間の不調を吹き飛ばす、気合に満ちたロック。自信に満ちあふれたポールの声を聴くだけで元気になります。
曲ごとにプロデューサーを変え、バリエーションに満ちた作品が収録されています。「これこそポールだ。まだ死んではいなかった」と安心しました。
CD2枚組とCD3枚+DVD1枚のデラックス盤があります。ボーナスCDに収録されているエルヴィスとのデモがとってもよいです。アコギと2人の声だけでの演奏がとっても素晴らしく、2人の熱気がビンビンとストレートに伝わってきます。アレンジせずに、このまま出しても十分に満足できるというレベルです。
|
|
ライヴ!! 1989-1990
Tripping The Live Fantastic
「フラワーズ」で勢いを取り戻したポールが、ソロとして初めて行った1989〜1990年の世界ツアーから選抜された音源を収録。
約10年ぶりのツアーでノリノリとなっている姿が記録されています。ビートルズ曲のオンパレードで、アルバム発売以来初ライブ演奏となった曲もあります。
|
(DVD)
(Blu-ray)
|
ゲット・バック
Get back
1989〜90年に13ヵ国計102回開催されたツアーから、ポールが厳選した23曲を収録。ビートルズ曲が大多数です。
ビートルズの映画を手掛けたリチャード・レスターが監督をやっています。
純粋なライヴ映像ではなく、ニュースの映像や写真も挿入されます。オープニングのBand on the Runでビートルズの映画ヘルプのシーンが挿入されたり、Let It Beでは映画レット・イット・ビーでのポールの演奏シーンやジョンの写真が重ねられたり、「次はどんな映像が飛び出すか?」というワクワク感があります。
複数の会場での映像を組み合わせていて、曲の途中で服が変わったりします。「世界ツアーの総集編」と割り切って見ると気になりません。
|
|
ライヴ・イン・カリフォルニア 1990
Live... Berkeley California 1990
1990年4月1日のアメリカ、バークリー公演を収録。アメリカのテレビ&ラジオ放送用に収録された音源を使用。
|
|
公式海賊盤(1991年)
Unplugged (The Official Bootleg)
ツアーメンバーを率いて出演したテレビ番組MTVアンプラグドでの演奏を収録したもの。
ビートルズ曲、ソロ曲、オールディーズ曲が極上のアコースティックアレンジで演奏されています。
ほのぼのしたい時にはピッタリ。
|
|
オフ・ザ・グラウンド(1993年)
Off the ground
ライヴ感を出すためにツアーのメンバーだけで、リハーサルを繰り返した後にスタジオでの一発撮りを狙いました。
オーヴァーダビングは最小限で、前作に比べると薄めのアレンジになっています。
ガツン!とくる曲はないものの、ポールらしいポップセンスに満ちた曲が楽しめます。
|
|
ポール・イズ・ライヴ
Paul is live
1993年の世界ツアーから選抜された音源を収録。
ビートルズの曲が主体ですが、ときおり挟まれる「オフ・ザ・グラウンド」の収録曲がスタジオ音源よりもパワフルでよいです。
|
(DVD)
|
ポール・イズ・ライヴ
Paul is live in concert
1993年のツアーの映像を収録。
|
|
ライヴ・イン・ザ・USA
Live in The USA 1993
1993年6月15日のアメリカ、シャーロット公演を収録。地元のラジオ放送用に収録された音源を使用。
音質はクリアで広がりがあります。「ポール・イズ・ライヴ」に収録されていない曲もあり、両者を組み合わせると当時のセトリの再現に近づきます(詳しくはこちら。
イイ感じで聴いてきて、ラストはHey Judeの大合唱で大盛り上がり、と思いきや、序盤でフェードアウトしてしまうのはガッカリ。
|
|
ライヴ・イン・ブエノスアイレス 1993
Live Buenos Aires 1993
1993年12月10日のアルゼンチン、ブエノスアイレスを収録。南米のテレビ・ラジオ放送用に収録された音源を使用。
|
(2CD)
(2CD)
(5CD+2DVD)
|
フレイミング・パイ(1997年)
Flaming pie
前二作のコテコテの凝ったアレンジを捨て、シンプルな演奏にまとめた作品。派手さはないものの、「素のポール・マッカートニー」がじっくりと味わえます。
ELOのジェフ・リンが共同プロデュースしています。
リンゴ・スターをゲストに迎え、ジョージ・マーティンがオーケストラの指揮をとったBeautiful Nightは聴きモノ。
ホームレコーディングやデモ曲を収録したボーナスCDとのセット、さらにボーナス曲を収録した5CDとドキュメンタリーやビデオクリップを収録した2DVDのセット、さらに4LPもつけたコレクターズ・エディションも発売。
|
|
ラン・デヴィル・ラン(1999年)
Run devil run
1998年4月に最愛の妻リンダが乳癌のために逝去。それから約1年が経過し、自分の原点に戻って傷心の日々から立ち直ることを目指して、オールディーズのカバー曲をレコーディングしました。ポールの曲も3つ収録。
ギターはピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモア、ドラムはディープ・パープルのイアン・ペイスという豪華布陣。
「悲しみを吹っ飛ばせ!」とばかりのノリノリでポールが歌っています。
|
(DVD)
|
ライヴ・アット・キャバーン
Live at the Cavern club
「ラン・デヴィル・ラン」のリリースを受けて、ビートルズを育てたリバプールのキャバーン・クラブで行った1999年12月14日のコンサートを収録。
たった300人しか見れなかった奇跡のショーです。
ランのレコーディングに参加したデヴィッド・ギルモア、イアン・ペイスも参加。彼らがどんな演奏をしているのか楽しみにして見ましたが、バンドマンに徹していてピンク・フロイドやディープ・パープルの片鱗もなく面白みに欠けます。
|
|
ドライヴィング・レイン(2001年)
Driving rain
ビートルズ時代のように、バンドメンバーの自発性を重視した音作りをしたいと考え、会ったことがない若手セッションミュージシャンを集めてレコーディング。そのため粗削りでフレッシュなバンド・サウンドになっています。
バラードではいい曲がありますが、ロックな曲は「もう少し念入りなアレンジをしてよ!」という不満を感じ、聴いていてイライラすることがしばしば。
ドラムのエイブ・ラボリエル・Jr、ギターのラスティー・アンダーソンはツアーメンバーになり、その後20年以上も活動を共にしています。
|
(DVD)
|
バック・イン・ザ・US ライヴ2002
Back in the US
2002年年4〜5月のアメリカ公演を収録。ベストな選曲で、ノリノリのポールの姿が納められていますが、ライブ映像の合間に、観客のインタビューやポールが遊んでいる映像などが挟まれ、せっかくの臨場感が損なわれています。
Hey Judeなんか途中からしか収録されておらず、「何考えてンの!?」と言いたくなります。
|
|
バック・イン・ザ・U.S. −ライヴ2002
Back in the Us Live 2002
2002年4〜5月のアメリカ公演。
上記のDVDには収録されていなかった「ドライヴィング」の曲、アコギ曲も収録してツアーで演奏された曲を全収録(たぶん)。
DVDとは異なって余計な音が入らないので、コンサートの雰囲気に集中して楽しむことができます。
|
(DVD)
|
ライヴ・イン・レッド・スクエア
In red square
2003年のロシア公演を収録。モスクワ公演は、ほとんどドキュメンタリーで、サンクト・ペテルスブルグ公演では切れ目ないライヴ映像が楽しめるそうです。
|
|
ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード(2005年)
Chaos And Creation In The Back Yard
2003年にツアー終了後、ツアーメンバーと一緒に新アルバムのレコーディングセッションを開始したものの、突如ポールの気が変わってナイジェル・ゴドリッチをプロデューサーに迎えて作成開始。ナイジェルの提案でバンドメンバーなしで作り上げました。
全ての楽器を自分で演奏した手作り感満載の作品です。適度に肩の力が抜けていて、メロディーがよく、聴きやすい曲ばかりです。
素朴な曲に加え、神秘的な雰囲気を感じる曲もあり、聴いていて飽きません。
|
(DVD)
(Blu-ray)
|
ライヴ・イン・ザ・US 2005 ザ・スペース・ウィズイン・アス
The space within US
2005年9〜12月のアメリカ・ツアーを収録。
コンサートの映像が1曲終わるごとに、有名人やツアースタッフのインタビューやドキュメンタリー的映像が挿入され、煩わしいです。感覚的に、余計な映像の量が演奏よりも多い。
その一方で、「ケイオス」曲やTill There Was You、I'll Get You、I'll Follow the Sunと言った他のツアー音源では聴いたことがないビートルズ曲が入っていて、セトリとしては面白みがあります。
|
(DVD)
|
ポール・マッカートニー・アンソロジー1970-2005
The McCartney years
2005年までに発表されたビデオ・クリップの集大成(3枚組)。
|
|
追憶の彼方に〜メモリー・オールモスト・フル(2007年)
Memory Almost Full
2003年に作成を開始したものの「ケイオス」を先行させるためにいったんお蔵入りになり、2006年からレコーディング再開。
「これがポールに期待するサウンドだ」と言えるポップセンスあふれる曲が収録されています。
ポール一人でのレコーディング曲とバンドでの演奏曲を半々に収録。
ラスト近くに収録されたHouse of Waxはダークでスリリングさを感じる曲で、ラスティーが圧巻のギタープレイを聴かせてくれます。ラスト曲もスリリングさのある曲。2分もかからずに終わってしまい、不思議な余韻を残してアルバムが閉じます。
|
|
アメーバ・ギグ
Amoeba Gig
2007年6月27日にレコード・ショップのアメーバ・ミュージックにて900人限定で行なわれた「追憶の彼方に」の発売記念シークレット・コンサートを収録。
|
(2CD+DVD)
(2CD+2DVD)
(2CD+DVD)
(2CD+2DVD)
|
グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ〜ベスト・ヒッツ・ライヴ
Good Evening New York City
2009年7月17〜21日にニューヨークのシティ・フィールド球場で開催されたコンサートを収録。当時67歳。パワフルかつ安定した声で歌っているのはさすが。
定番曲に加え、「追憶」の曲やザ・ファイヤーマンの曲もやっていて、よいアクセントになっています。A Day In The Life(前半)やGive Peace A Chance(サビ)もやっているのは驚き。
I Saw Her Standing Thereではビリー・ジョエルと共演。ちょうど1年前、今回の球場の隣にあったシェイ・スタジアムの取り壊し前のビリーのコンサートにポールがゲスト参加してこの曲を演奏したので「返礼」という意味でしょう。
通常盤(2CD+DVD)に加え、TV番組のために行われたエド・サリヴァン・シアターでのコンサートを収録したボーナスDVDつきもあります。
|
(デラックス盤)
|
キッス・オン・ザ・ボトム(2012年)
Kisses on the Bottom
ポールが愛するスタンダード曲をカバーした作品。ストリングスやピアノをバックにポールが艶のある声で歌っています。新曲が2曲収録されています。
いい作品ですが、ロックやポップなポールを聞きたい方には向きません。ポール曰く、「仕事のあと、家でワイングラスやティーカップを手にしながら聴くアルバムだよ」。
デラックス盤にはボーナス曲が2曲とダウンロード券(ライブ音源4曲をダウンロードできる)がついています。
|
(DVD)
(Blu-ray)
(Blu-ray)
|
ライヴ・キス2012
Live Kisses
2012年2月、「キス・オン・ザ・ボトム」のリリース翌日に開かれたハリウッドのキャピトル・Aスタジオでのライヴ映像を収録。プロモビデオや制作風景なども収められています。
|
(デラックス盤)
|
NEW(2013年)
NEW
1曲目は過去最速と思わせるくらいのスピード感があるロック曲。一気にボルテージがアップします。その後もアップテンポ曲を主体にポール節が炸裂する曲が続きます。
本編のラスト曲はプログレ臭のあるスリリングな変化球的な曲です。
曲毎に色々なプロデューサーに仕事をやってもらっただけにバリエーション豊かです。
しかし、曲によって出来不出来の差が大きく、コンサートでも演奏されたSave Us、Queenie Eye、Everybody Out There以外は印象に残りません。
輸入盤のデラックスエディションには、3曲が追加され、日本盤ではさらに1曲追加されています。
|
|
エジプト・ステーション(2018年)
Egypt Station
2000年代に出したアルバムの中で最強。76歳にもなって、こんなハイレベルの作品を生み出す創造力があることに驚きです。
オープニングの短いインストに続く曲は涙ぐんでしまうほど心にしみるピアノバラードです。
泣ける曲あり、ほんわか曲あり、ノリノリ曲あり、プログレ曲もありとバラエティに富んでいます。アルバム中の曲の流れがよいためか、散漫な印象がないのはナイス。
ラスト近くに目まぐるしく展開する7分近くのプログレ曲を配置した後、短いインスト曲を挟んで、3部構成の曲に入るという流れには惚れ惚れします。ラストはポールがギターを思う存分弾きまくります。
|
|
マッカートニーIII(2020年)
McCartney III
コロナのせいでロックができないRockdown(Lockdownのもじり)状態のなか、セルフプロデュース&全楽器を自分で演奏してレコーディング。
オープニングのほぼインスト曲で気分が一気に高揚したところで、「これぞポール風のポップだ」と言える曲に突入。いろいろな楽器が多重録音されて、けっこう作りこまれた感じがナイスです。続く曲はシンプルなアコギ弾き語り風が心地よし。
ラストはアコギ弾き語り曲。声が若く聴こえると思って調べてみたら、1992年にレコーディングしたもののお蔵入りになった音源が前年の「フレイミング・パイ」の再発プロジェクトの過程で発掘されたとのこと。
|