Simon & Garfunkel

Wednesday Morning,3A.M.

ポールのアコースティック・ギター一本をバックに二人がハーモニーを聴かせる曲を収録。曲は荒削りで、二人の声も違って聞こえ、心にしみる曲は少ないです。発売当時に話題にも上がらず3000枚しか売れなかった理由がわかります。

唯一、Sound of Silenceが別格の光を放っています(ベスト盤によく収録されているものとはアレンジが異なりギターだけのバッキング)。

他のアルバムを聴いてから、試しに聴いてみるくらいでよいです。

二人はデュオでの成功を諦め、ポールはロンドンでソロ活動を開始し、アートは大学院に戻りました。

Sounds of Silence

前作のプロデューサーが二人に無断でSounds of Silenceにドラムやベースをオーバー・ダビングしてシングル盤を発売したら大ヒットしてしまい、二人が呼び戻されて急遽作成されたアルバム。

Soundsはもちろんのこと、アートのハイトーンがきれいなApril Come She Willにはうっとりとさせられます。

ウイングスのファンにはおなじみのRichard Coryも収録。ウイングス版ではアコギ3本で演奏していましたが、こちらは1本。シンプルなこの曲も味があります。

それ以外の曲はたいしたことないです。


(SACD)

Parsley,Sage,Rosemary and Thyme

1曲目のScarborough Fairはアートのハイトーンと透明感あふれるバッキングが見事な名曲。

この曲があまりにも輝きすぎていて、他の曲がかすんで見えるのが残念。

ラストの7 O'Clock News/Silent Nightは、クリスマスソングの「きよしこの夜」を二人がハモる中、ニュースを読むDJの声が重なるという実験的な曲。この精神は次回作に引き継がれます。

Live From New York City 1967

二人のハーモニーとポールのアコギだけでの演奏を収録。

シンプルなだけ二人の気持ちがダイレクトに伝わってきます。スタジオアルバムではイマイチに感じた曲が、とても魅力的に生まれ変わっています。


(SACD)

Bookends

これまでの「曲を集めました」的なアルバムとは大きく違い、LPでいうA面はコンセプトアルバム風です。

アルバムの序章的位置付けの短いアコギのインスト曲で開始。切れ目なく、ムーグ・シンセサイザーでベースラインを弾いた軽快な曲に続き、しんみりさあふれるAmericaに行く流れは絶品です。

アートが老人ホームで録音してきた、おじいちゃん、おばあちゃんのおしゃべりを2分間流すだけの曲の後、Old Friends、ボーカルありのBookends Themeと切れ目なく続き、A面は終わります。見事な構成です。「プログレS&G」と表現しても言い過ぎではないでしょう。

LPでいうB面にはヒット曲Mrs. Robinsonを収録。

Live 1969

「明日に架ける橋」レコーディング直後の1969年10月、11月に行われたラスト・ツアーの音源を収録。

華美なアレンジを極力抑え、二人の歌声とポールのアコギを前面に出しています。心にすーっと染み込んできて癒されます。至福の時間を楽しめます。


(CD+DVD)


(SACD)

Bridge Over Troubled Water

タイトル曲でアートが高らかに歌い上げ、El Condor Pasaでポールがアンデスっぽい不思議な世界を奏で、Ceciliaで軽快にハーモニー。みごとな展開です。

40周年記念として1969年に放送されたテレビスペシャルなどを収録したDVDとのセットもあります。

アルバム制作中に音楽に対する意見の違いが明確になってきたことから、その後はソロ活動を優先。たまにイベントなどで共演しました。


(DVD)

The Concert in Central Park

財政破綻したニューヨークを支援するために1981年9月19日にセントラル・パークで開催されたチャリティー・コンサートを収録。

オリジナルアルバムから厳選された名曲たちを余すことなく収録。さらにポールとアートのソロ作品からの曲も収録。史上最強の曲編成です。

ライヴだけあって、「しんみり曲」のしんみりさはスタジオ版に負けますが、ポップな曲の元気の良さはこちらに軍配が上がります。


(DVD)


(DVD)

Old Friends: Live on Stage

2003年2月のグラミー賞で特別功労賞を受賞。オープニングでのSoundsの演奏がとてもよくできたので、その勢いで再結成ツアーの実施を決断。2003年12月3日のニューヨーク公演を収録(DVDは他のニューヨーク公演の映像も利用しているっぽい)。

ポールの声に若干老いを感じるものの(当時62歳)、アートとのハーモニーは依然見事です。

しかし、全盛期のライヴ音源や映像としては格段に上のセントラル・パークがあるなかでの存在意義は希薄。まずはそれらを聴いて、「とことんまでS&Gを追究したい」という気持ちになったらどうぞ。







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