デザート・ムーン(1984年) Desert Moon スティクスの「ミスター・ロボット」のツアー終了後に制作されたもの。ゴキゲンなロック&ポップ&バラードの連発です。 2曲目ではゲストの女性ボーカル、ローズメリー・バトラーが熱唱し、デニスとのからみがナイス。やたら軽快な3曲目では少年少女のコーラスが入ります。「思いついたアイディアをとりあえず全部やってみました」的な感じが楽しいです。 |
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バック・トゥ・ザ・ワールド(1986年) Back to the World 前作のようなアイディア満載バラエティ路線から一転して、じっくりとミディアムテンポの曲を聴かせるタイプのアルバム。 同じような曲が延々と続き、次第に飽きてきます。 6曲目にようやくホーンセクションとハーモニカが効いたアップテンポの曲が入り目が覚めます。ラストはシンフォニック風味があるイケイケロック曲で派手に終了。 曲順を入れ替えてもっとアルバム全体のコントラストをつけた方がよかったと思います。 |
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ブームチャイルド(1989年) Boomchild 「楽しければいいのさ」的な明るいポップ曲の連続。気楽に聴くことができます。特にタイトル曲は、ノリノリでぶっ飛ばして爽快感があります。 でも、スティクス時代のスリリングさやドラマチックさを感じる曲がなく、薄味のまま終わってしまうので物足りません。 全く売れず、このアルバムのために契約したレコード会社から契約解除されてしまいました。 ソロ活動に行き詰まりを感じたのか、1989年12月にスティクスの活動を再開させ、翌年「エッジ・オブ・ザ・センチュリー」をリリース。 |
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10 on Broadway (1994年) 1993年にミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」でピラト提督役を演じたことがきっかけとなり、ブロードウェイ・ミュージカルのスタンダードを歌ったもの。 ロック色は全くなし。オーケストラをバックに歌いあげています。アカペラのOn the Street Where You Liveは、ホント楽しそうに歌っています。 デニスの歌のうまさがよくわかり、じっくりと心にしみてきて、聴いていて豊かで優雅な気持ちなれます。 |
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The Hunchback of Notre Dame (1996年) ミュージカルへの関心が高まり、ビクトル・ユゴーの小説「ノートルダムの鐘」を題材にミュージカルを作った作品。 ロックさはゼロ。オーケストラをバックにしたデニスの歌唱力が冴えていて、冒頭からグイっと引き込まれます。 女性パートのリードシンガーとして義理の妹が歌い、バッキングボーカルとして妻と娘も参加。一家総出で楽しんでいる雰囲気があります。 リリース後、スティクスのリターン・トゥ・パラダイス・ツアーに参加。1999年に「ブレイブ・ニュー・ワールド」をリリースするものの、同年に脱退し、完全ソロ活動へ。 |
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The Music of Styx - Live with Symphony Orchestra 2003年4月4日にシカゴで、40人編成のオーケストラと合唱団と一緒にスティクスの名曲やソロ曲を演奏したコンサートを収録。 コーラスのハイトーンパートは、女性コーラス部隊が担当。 デニスの作品の中でもバラードが主体に選ばれていて、オーケストラとのマッチングに違和感はないです。Ladyではサビでのリズムの刻み方が似ているためか、途中でクラシック曲のBoleroが挿入されるという仕掛けあり。Show Me the Wayはアカペラアレンジになっていて少年少女合唱団がコーラスに厚みを加えています。 Come Sail with Meはオケとバンドのサウンドが混ざり合ってパワフルになり、大盛り上がりです。 |
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One Hundred Years from Now(2007年) 1曲目のタイトル曲はスリリングでドラマチックに展開するプログレ風サウンドで一気に引き込まれます。3曲目は緊張感のあるスピーディー曲でスティクスを彷彿とさせる素晴らしいコーラスワークが冴えています。 「このサウンドを待っていた」と彼の完全復活を喜ぶことができます。 中盤以降はソフト曲、ポップ曲、バラード曲が続き、序盤の勢いは薄れるものの粒ぞろいのいい曲が揃っています。 ラストはエッジが効いたハードなギターをバックにグイグイと歌って、派手に終了。 |
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…アンド・ザ・ミュージック・オブ・スティクス〜ライヴ・イン・ロサンゼルス Dennis DeYoung And The Music of Styx - Live in Los Angeles 2014年3月18日のロサンゼルス公演を収録。 ツインリードギターを擁したバンドを率いてスティクスの名曲を完全再現しています。
ギター&ボーカルのオーガスト・ザドラはトミー・ショウの音域を完全カバーできており、最初、音源だけ聴いた時は「まさかトミーがゲスト参加した?」と錯覚してしまうほど。彼のお陰でトミーの曲も演奏でき、スティクスのコンサートの再現度が高まっています。 ラストのThe Best of Times、Renegade、Come Sail Awayの3連続パンチにはノックアウトされます。 |
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東26番地: Vol.1(2020年) 26 East: Volume 1 サバイバーのメンバーだったジム・ピートリックがデニスにデモ曲を送ったことをきっかけに曲づくりを開始。当初はこれがラストアルバムになる予定だったが思いのほか曲が多くできたので、Vol. 1と2に分けてリリースすることになりました。 ソフトなバラード、ポップ、さらにはプログレ風の曲がいいバランスで収録されていて、グイグイとアルバムの流れに惹きつけられます。彼の全キャリアのいいところどりで曲を仕上げたという感じ。 ラストは、パラダイス・シアターのA.D. 1958のメロディが再登場してしんみりとエンディング。 カバーアートは、1962年にシカゴのローズランド地区の東26番地に住んでいたデニスとパノッソ兄弟がトリオで音楽活動を始めたことを意味しています。まさに集大成という気持ちなのでしょう。 |
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東26番地: Vol.2(2021年) 26 East: Volume 2 中期ビートルズの香りがする陽気なHello Goodbyeでスタート。自分をロック界に導いたバンドへの賛辞を込めたとのこと。 トム・モレノのハードなギターを導入した曲、心に染みるバラード、ノリノリなポップなど、完成度の高い曲が目白押し。70年代のスティクスをイメージした曲作りをしたそうで、スティクス風のコーラスワークも冴えています。 ラストは荘厳さを感じるプログレ風の曲でグワッと盛り上がった後は、何とスティクスのGrand Finaleで終了。見事な演出でキャリアを閉じました。 |