ロンドンの下町で生まれたチャーリー・トランパーは、高級ショッピング街チェルシー・テラスに自分の店を開くという夢を抱く。出兵から帰還した彼は、幼馴染のベッキー・サモンをビジネスパートナーにし、チェルシー・テラスの店を買収しはじめる。

そのなか、ベッキーは、チャーリーの上官トレンザムに騙され、彼の子供を身篭ってしまう。彼が子供を認知しないことを知ったチャーリーは、その子の父親となることを決め、ベッキーと結婚する。彼が軍にスキャンダルを告発したことで、トレンザムは軍隊から追放され、不名誉のなか移住先のオーストラリアで死ぬ。

息子からその経緯を聞かされたトレンザムの母親は、息子はチャーリーに殺されたのも同然と考え、彼への復讐に執念を燃やす。彼女はチェルシー・テラスの一角を購入したり、盗品をチャーリーの所有するオークション・ハウスに出品させたりと、さまざまな妨害工作を行う。その困難を乗り越え、チャーリーはチェルシー・テラスに百貨店トランパーズを開くことに成功する。

一方、自分の出生の秘密を知ったベッキーの子ダニエルは、祖母のミセス・トレンザムにチャーリーの事業を妨害しないように忠告するが、逆に彼女から重大な事実を聞かされ、自殺に追い込まれる。

ミセス・トレンザムはチャーリーへの復讐の最終手段として、トランパーズの株の買収を始める。彼女の妨害工作を止めるためには、トレンザムがオーストラリアで生ませたという子供を見つけるしかなかった。





●ロンドンの地図

作品の主舞台となったロンドンの地図です。画像をクリックし、拡大画像をご覧ください。

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A: ホワイトチャペル チャーリーの出生地。

B: コヴェント・ガーデン チャーリーが通った市場がある。

C: オールド・ケント・ロード チャーリーが自分の手押車を購入する。

D: ハマースミス ベッキーが通ったセント・ポールズがある。

E: ベドフォード・カレッジ ベッキーが通った大学。

F: チェルシー

(昭文社 「グローバル・アクセス 世界・日本地図帳」に掲載の地図をもとに作成)


●ロイヤル・フュージリア連隊

チャーリーやトレンザムが在籍した軍隊です。



●第一次世界大戦

チャーリーが第一次世界大戦に参加した際の経路です。

A: エジンバラ
連隊の訓練を受ける。

B: エタープル(フランス)
ハミルトン中佐の連隊に合流する。

C: イープル(ベルギー)
チャーリーが地雷を踏み、負傷する。

D: ランス(フランス)
トミーがトレンザムに殺される。

赤線:ロイヤル・フュージリア連隊の進路


●勲章

第二次マルヌの戦いでフュージリア連隊に授与された勲章です。

ヴィクトリア勲章(VC)

戦功十字勲章(MC)
トレンザムに授与される。

戦功章(MM)
トミーに授与される。


●絵画

ブロンツィーノ「聖母子像」
トレンザムがランスの教会から盗み出し、チャーリーの手に渡る。
(ブロンツィーノは複数の聖母子像を描いています。別の絵の可能性が高いです)

ヴァン・ゴッホ「ジャガイモを食べる人々」
結婚6周年の祝いにチャーリーがベッキーに贈る。

クールベ「リンゴと梨」
ゴッホを売却した代わりに購入。


●第二次世界大戦

チャーリーはこの大戦のときはイギリス中を駆け回りました。

A: カーディフ
フュージリア連隊の訓練基地がある。

B: サウサンプトン
エジプトからの米が到着する。

C: カーライル
農民大会に出席中にダフニからの電話を受ける。

D: ハザートン
レクソールのパブがある。


●ダニエルの大旅行

ダニエルは自分の出生の謎を探るためにオーストラリアまで行きました。

A: サウサンプトン クイーン・メアリー号で出港。

B: サンフランシスコ アオランギ号で出港。

C: シドニー 童貞を失う。

D: メルボルン トレンザムの無残な死を知る。

赤線:ダニエルの道程(往路)


クイーン・メアリ号
イギリスからニューヨークまで利用しました。

アオランギ号
サンフランシスコからシドニーまで利用しました。