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怪奇と幻想の物語〜エドガー・アラン・ポーの世界 (1976年) Tales of Mystery and Imagination - Edgar Allan Poe ミステリー作家エドガー・アラン・ポーを題材にした作品。 ダークな感じのする曲が収録されていてプログレ風味を感じますが、歌メロがイマイチでさほど心に響きません。 後半には5部構成のインスト組曲を収録。クラシック感たっぷりに始まり期待度が高まるものの、その後の展開が淡々としていて盛り上がりに欠けた状態で終るのは残念。 2016年にCD3枚、Blu-rayオーディオ、LPなどを含んだボックスセットが発売。 Blu-ray audioにはハイレゾ5.1chサラウンド音源も収録。 |
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アイ・ロボット (1977年) I Robot もともとアイザック・アシモフの小説「われはロボット」を題材にするはずだったが、彼が数年前に版権を売却してしまったために願いかなわずに方針転換し、人間と人工知能の戦いを描くことになった作品。 テクノ風のインスト曲からスタートします。その後、若干プログレ風味付けをした明るめでの耳触りのよい曲が続きます。 たまに入るストリングやホーンがいい味付けを出しています。 ラスト1つ前の曲は男女のスキャットとストリングが怪しくからみ、スリルさが高まったところでラストのしんみり感のあるシンフォニックな曲になだれ込み。「ここからググッと盛り上がるか!」と思ったところでフェードアウトし、物足りなさが残ります。 デモ曲などを収録したオマケCDとのセットもあり。 |
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ピラミッド (1978年) Pyramid アルバム構想時にブームになっていたピラミッドやピラミッドパワーを題材にした作品。 ポップ&ロックなサウンドとオーケストラのサウンドがうまくかみ合い、厚みのあるリッチな雰囲気があります。 圧巻はIn the Lap of the Gods。怪しげな鐘の音と重厚なパイプオルガン風がグアーンと鳴って始まるインスト曲で、徐々にコーラスの存在感が増し、ラストは王様の神殿前に集まった群衆が一斉に大コーラスをする感じで終わるという大盛り上がり曲です。いかにもエジプトっ!というイメージ。ここからエジプト的なドラマチック構成が続くかと思ったら、次の曲Pyramaniaはおちゃらけ風でガックリ。 ラストはしんみりとした曲でしっとりと終わります。 2024年にCD4枚、Blu-rayオーディオ、2LPのボックスセットが発売。 |
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イヴの肖像 (1979年) Eve 女性の強さと持ち味を賛辞するとともに、男性社会で女性が直面する問題を題材にした作品。 ソフトタッチなポップな曲が続きます。プログレさはみじんも感じられません。 特に盛り上がることもなく、淡々として終わります。 |
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The Sicilian Defence レコード会社との契約枚数をこなすためだけに、1979年にちゃちゃっと録音。結局、レコード会社は発売を却下。 キーボードやピアノの演奏のみでボーカルやその他の楽器は入っていません。ピアノ曲はしんみりさが心地よいのですが、シンセメイン曲はピョコピョコ鳴るだけでつまらないです。 2014年になってボックスセットの一部としてCD化されたものの、単品発売はされていません。配信で聴くことができます。 |
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運命の切り札 (1980年) The Turn of a Friendly Card カジノでのギャンブルに着想を得て、人生というギャンブルテーブルでのリスクを題材にしたもの。 冒頭からオーケストラがシンフォニックなサウンドを奏でて豪華です。 Timeではエリック・ウルフソンが初リードボーカルを担当。今までになかった優しくほんわかとした雰囲気が加わり、アルバムに深みが出た気がします。 タイトル曲は5部編成の組曲。美しさが心に染み込む叙情的なPart 1、ロック調で気分アップする曲、チェンバロでしっとり幕開けするが後半はオーケストラで盛り上がる曲、エリックのほんわかボーカルに癒される曲、泣きのギターと豪華絢爛なオーケストラに心を揺さぶられるPart 2が連なります。文句なしのシンフォニック・ロック大作です。 デモ曲などを収録したオマケCDとのセットもあります。 2023年に、デモ、アウトテイクなどを収録した2CD、ハイレゾステレオや5.1chサラウンドを収録したBlu-rayとのボックスセットが発売。 |
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アイ・イン・ザ・スカイ(1982年) Eye In The Sky 「いつも何かが我々を見守ってくれている」という信仰心を題材にしたもの。 憂いのあるギターサウンドが魅力的なインスト曲で幕開け。続くEye in the Skyは優しさに満ちたメロディーが耳に残る名曲。ほっこりとした気持ちになります。 コーラス、ストリング、ホーンの入れ方が絶妙なロック曲から幻想的なGeminiにつながるところは美しさを感じます。 Silence & I は静かに始まり、中盤でオーケストラが入ってググっと盛り上がって、最後は静かに終わるという静と動のコントラストが見事。 一曲一曲の完成度が高く、アルバムを通じて曲の流れがよくて一体感があり、ぐいぐい惹きこまれていきます。 2017年にCD3枚、Blu-rayオーディオ、LPなどを含んだボックスセットが発売。 Blu-ray audioには5.1chサラウンドやハイレゾステレオを収録。 SACDにはステレオ音源のみ収録。 |
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アンモニア・アヴェニュー (1984年) Ammonia Avenue 工業科学に対する大衆の誤解、大衆に対する工業科学の無理解を題材にしたもの。 エリックがほんわかと歌うミディアムテンポのポップ曲でスタート。 プログレさはないものの、聴きやすくて耳に馴染むポップ&ロック曲が収録されています。エリックがリードボーカルをとる曲はしんみりと心にしみます。 インスト曲のPipelineでは、メル・コリンズのサックスが聴けます。とてもいい感じなのに曲が4分で終わってしまい残念。 2020年にCD3枚、Blu-rayオーディオ、LPなどを含んだボックスセットが発売。 Blu-ray audioには5.1chサラウンドやハイレゾステレオを収録。 |
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ヴァルチャー・カルチャー (1985年) Vulture Culture 硬直した経済社会で増大する、人間の無慈悲を題材にしたもの。 優しげなポップな曲の連続。魅力を感じる曲が少なく、欲求不満が溜まってきます。 |
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ステレオトミー (1986年) Stereotomy 現代社会での抑圧をテーマにしたもの。 オープニング曲はスリリングなハード曲で一気にテンションアップ。ダンサブル曲、テクノ風のインスト曲を経て、元プロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーの渋い声が心に響く曲に流れ込むところは素晴らしいです。 TOTO風のロック曲、ビートを活かしたスピード感と泣きのギター&サックスが奏でる緊張感が魅力的な曲の連発で気持ちが高揚したところでバラード曲でクールダウンし、ラストはオープニング曲の再演でおしまい。 全体を通じて緊張感とカッコよさが感じられます。 |
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ガウディ (1987年) Gaudi 人々が仕事と生活のバランスに悩んでいることから着想を得て、家庭生活を犠牲にして仕事に打ち込んだ建築家ガウディを題材にしたもの。 一曲目はオーケストラがリッチに鳴り響くゆったりとしたボーカル曲。前作のデジタル感がなくクラシカルな雰囲気が出ています。 しかし、その後の曲にはさほどの魅力は感じられず、淡々と時間が過ぎていく感じがします。 ラストの曲はスパニッシュギターが冒頭で流れて「スペインっ!」という感じがよいのですが、そこからさほど盛り上がらないまま終わってしまい、物足らなさが残ります。 |