Camel


(SHM-CD)

Camel

アンドリュー・ラティマー(G、Vo)、ダグ・ファーガソン(B)、アンディ・ウォード(Dr)が組んでいたバンドにピーター・バーデンス(Key、Vo)が加入する形で結成。

砂漠のような熱いギターとオルガンのバトルが展開される曲で幕開け。

ジャズの味付けをしたロック色の強い曲が多く収録されています。後半は哀愁を感じる叙情的な曲が演奏された後、スピード感のある曲で幕を閉じます。

聴きごたえあります。


(SHM-CD)

Mirage

熱く泣くギター、クールなキーボード、ときおり入る幻想的なフルートが描く世界に浸れます。

後半は、インスト曲Earthriseでの各楽器の激しいバトルに圧倒された後、起伏のある組曲Lady Fantasyを堪能できます。

ソフトとハードのコントラストが効いた、メリハリのあるアルバムで楽しめます。

Live In London & New York '74

1974年6月20日のロンドンのマーキークラブでのコンサートを収録したCD1と11月19日のニューヨークで収録したスタジオライヴのCD2のセット。ラジオ放送用に収録された音源を使用。


(SHM-CD)


(プラチナSHM)


(SACD)

Music Inspired by The Snow Goose

前作に収録した、小説「指輪物語」を題材にした「ホワイトライダー」組曲が好評だったことを受け、小説を題材にしたコンセプト・アルバムを作ることを決め、ポール・ギャリコの短編小説「スノーグース」に目を付けました。

当初、小説の朗読をつけることを考えていましたが、ポールの許可が得られず、全曲インスト作品となりました。時にほのぼの、時にせつなく、時に心温まる曲がそろっています。

ハードさはないので、人によっては物足りなさを感じるかも。


(SHM-CD)


(プラチナSHM)


(SACD)

Moonmadness

キャメルの幻想的&叙情的サウンドの集大成。

エレピとフルートのからみが美しいSong Within a SongやAir Born、うっとりとさせられるギターの音色が魅力的なChord Changeを収録。

ラストのLunar Seaは緩急のつけ方が見事な12分曲。よく動くベースラインをバックに、アンディーLが思う存分ギターを弾いています。

何が描かれているかわからないカバーアートについての私の分析はこちら

アルバムに続くツアーで、管楽器担当としてメル・コリンズがゲスト参加。彼のプレイに刺激を受けたアンディーWがジャズっぽさを強めたスタイルに変化。彼からそれに合うようなベースを弾くように求められたことに嫌気がさしたダグが脱退。


(SHM-CD)


(プラチナSHM)


(SACD)

Rain Dances

ベーシスト不在の中でレコーディング開始。途中から、ハット・フィールド・アンド・ザ・ノース解散後に半隠居状態だったリチャード・シンクレアがベーシストとして加入。

ベースラインに躍動感が加わり、正式加入したメルが心地よいサックスプレイをやってくれています。

従来のファンタジー風に加え、ジャズ・ロック風でかっこよい曲、しんみり曲、ほんわか曲、軽快な曲ありと多彩です。

ボーカルをアンディーLとリチャードが分け合うことでバリエーションが増しました。


(DVD)


(DVD)

Moondances

1976年4月14日のハマースミス・オデオン公演と1977年9月22日のヒポドローム公演を収録。

前者もよいが、後者はさらに素晴らしい。メル・コリンズが奏でる管楽器が従来曲に彩を加えています。サックスがギターやキーボードと絡み合うシーン、アンディLとのダブル・フルートなど見どころ満載。アンディーWのドラムの炸裂度合いもアップ。リチャード・シンクレアが細かい指さばきでベースを奏でる場面、オリジナルではピーターが歌っているNever Let Goをリチャードが歌う場面もヨシ。

Live In Concert, London 1977

1977年10月1日のロンドン公演を収録。BBCテレビ放送用に収録された音源を使用。

A Live Record

2枚組CD。

1枚目は1977年のイギリスツアーの音源を中心に収録。初期から「雨のシルエット」までのアルバムから厳選された曲が収められています。序盤からメルのサックスが舞い踊り、アンディーとのギターのからみがサウンドに深みを与えています。

2枚目は1975年10月17日のロンドン公演でオリジナルメンバーとロンドン交響楽団が共演した「スノーグース」全曲演奏を収録。こちらも素晴らしい。「あれっ、こんな演奏パートあったかな?」と思うところがいくつかあり、スタジオアルバムよりもいい感じ。


(SHM-CD)

Breathless

レコード会社からヒットシングルを強く求められたこともあり、リチャード節全開と言った感じの全体的に、爽やか&軽快なジャズ・ロック風の曲が多いです。メルのサックスがいい感じで決まっています。

いい作品ですがラジオ・ヒット狙いで、キャメルの代名詞とも言える「情緒的&幻想的」という感じが薄いのでまずは星4ランクを聴いてからにしましょう。

売れ線重視にピーターとアンディーLの意見が対立。他のメンバーがアンディーLを支持したことで孤立したピーターがレコーディング終了後に脱退。後任キーボーディストに元キャラヴァンのヤン・シェルハースとデイヴ・シンクレアが加入してツアーに突入。

Live In Tokyo '79 & '80

1979年1月23日と1980年1月27日の東京公演を収録。

Live In San Jose, CA '79

1979年2月9日のカリフォルニア州サンノゼ公演を収録。

ノイズが多く音質に難があるものの、6人編成の重厚な演奏を楽しめることができます。。

ツアー後にリチャード、デイヴ、メルが脱退。


(SHM-CD)

I Can See Your House from Here

ベース&ボーカルにコリン・バス、キーボードにキット・ワトキンスが加入。

コリンが歌う1曲目から超ポップ。キャメルだと言われなければ、他のバンドだと思ってしまいます。テクノポップ調のRemote Romanceには愕然とします。インスト作品は叙情系サウンドですが、物足りなさを感じます。

ラストの10分のインスト曲Iceでは、泣きのギターがたっぷりと聴けて溜飲が下がります。


(SHM-CD)

Nude

第二次世界戦の終戦を知らずに、南方の孤島で29年も潜伏し、1974年に帰国した日本兵(小野田寛郎)をテーマにして描いたコンセプトアルバム。出征、島での生活、保護、帰還を描いています。Onodaをもじって、Nudeというタイトルになりました。

広がり&透明感のあるキーボードをバックに、心地よさそうにギターを弾いています。

淡々と進んでいて、特に盛り上がることなく終わってしまいますが、爽やかで聴きやすい作品です。

他の用事で忙しかったキットとヤンがレコーディングに参加できず、キーボードはダンカン・マッケイが担当(キットとヤンはアルバム発売後のツアーには参加)。


(SHM-CD)

The Single Factor

デッカ・レコードとの契約上、アルバムを出さざるを得ず、さらにデッカから「ヒット曲を出せ」というプレッシャーがかかる中に制作されました。

アンディーWが手に重傷を負ったため(アルコール&薬物依存で精神を病んだことで自殺未遂)、レコーディングには不参加(その後、脱退)。

バンドを再編成する時間が取れなかったことから、ゲスト・ミュージシャンを集めて録音されています。アンソニー・フィリップス、サイモン・フィリップス、アラン・パーソンズ・プロジェクトのコアメンバーのデヴィッド・パットンやクリス・レインボウ等が参加。

超ポップで、ポップ・バンドだと思って聴けば楽しめますが、全盛期のサウンドとはかけ離れています。

この頃から、前マネージャーとの間で印税を巡る裁判が始まり、アンディーLを悩ませます。


(SHM-CD)

Stationary Traveller

東西ドイツ分断の象徴だったベルリンの壁をテーマにしたコンセプト・アルバム。

オープニング曲やタイトル曲などのインスト曲は憂いのある華麗なギタープレイが楽しめます。一方、ボーカル曲は淡々とした感じがして、いまひとつ魅力に欠けます。ラストのLong Goodbyeはドラマチックに展開するシンフォニックなボーカル曲で、ひときわ輝いています。

キーボードにトン・スケルペンツェル、ドラムにポール・バージェスが就任。前作に参加したデヴィッド・パットンがベースを弾き、クリス・レインボウがボーカルをとる曲があります。

本作のツアー終了後、一旦活動を休止。


(SHM-CD)

Pressure Points

1984年5月11日に開催された結成20周年記念ライブを収録。「ステーショナリー・トラヴェラー」レコーディングメンツ(ベースはコリンが復帰)で演奏しています。

ヌード以降のアルバムの曲が主体で、70年代曲はRhayader、Rhayader Goes to Townのみ。これらではピーターがオルガン、メルがサックスでゲスト参加しています。

インスト曲では、熱いギターが聴けます。

輸入盤のCD2枚組にはステーショナリーからの5曲とLady Fantasyが追加されています。

これでデッカとの契約が終了。レコード会社の干渉に嫌気がさしたアンディーは、前述の裁判終了後にカリフォルニアに移住して自分のレーベル、キャメル・プロダクションを立ち上げます。


(DVD)


(DVD)

Total Pressure: Live in Concert 1984

1984年5月11日のハマースミス・オデオンでのライブ映像を収録。

収録曲は上記の2CDのとおり。

Live In Holland 1984

1984年5月15日のオランダ公演を収録。地元ラジオ放送用に収録された音源を使用。

Air Born The MCA & Decca Years 1973-1984

1973〜84年のオリジナルアルバムのリマスターCD、秘蔵ライヴ音源収録CD、5.1ch音源収録Blu-rayなどの27CD+5Blu-rayのボックスセット。

詳しい内容はこちら

ライヴ音源の充実ぶりがナイス。これまで断片的にしか聴けていなかった公演が、フル(ほぼ?)で聴けるようになっています。

5.1ch音源のアルバムの中では「スノーグース」が特に絶品。

Dust and Dreams

「プレッシャー・ポインツ」当時のメンバーで再起動。

ジョン・スタインベックの小説「怒りの葡萄」を題材にしたコンセプト・アルバム。この小説は、生活に貧窮したオクラホマ州の農民が夢を求めてカリフォルニアに移住する苦難を描いたもので、アンディーはイギリスを捨ててカリフォルニアに移住した自分の姿を重ね合わせています。

短い曲が切れ目なく繋がり、あれよあれよという間にストーリが進んでいきます。

ギターやフルートは哀しく、美しいです。大雨と洪水の最中の不幸を描いたシンフォニックなインスト連作に続く、怒りを表現したHopeless Angerのハードさはいいコントラストになってアルバムのラストを盛り上げます。

題材が題材だけに、重たい雰囲気がある作品になっています。昭和キャメルの叙情さをまず聴いてからにしましょう。

Never Let Go

1992年の20周年記念コンサートを収録した2枚組CD。

1枚目は昭和キャメルのベスト・セレクション。2枚目は「ダスト・アンド・ドリームス」の完全再現が収録されています。

Harbour of Tears

イギリスの植民地支配のためにアイルランドから多数の国民がアメリカに強制移住させられたことによる一家離散をテーマにしたコンセプト・アルバム。

父親の死去を受けてアンディーが自分のルーツを調べた結果、祖母がアイルランドからアメリカに移民したことを知ったことから着想しました。

アイルランドの伝統音楽を女性ボーカルが歌うところから幕開け。インスト曲とボーカル曲が交互に演奏されています(曲が切れ目なしにつながるので「交互」感は薄いですが)。

テーマのおかげで重たく地味な雰囲気がある作品ですが、前作同様に、ギターやフルートは哀しく、美しく鳴り、バイオリンやチェロによる演奏が音に深みと美しさを加えています。


(DVD)


(DVD)

Coming of Age

1997年3月13日のロサンゼルス公演を収録。

前半はベスト的な選曲で、後半は「ハーバー・オブ・ティアーズ」の全曲演奏です。

Rajaz

オープニング曲は1970年代のサウンドを彷彿とさせるジャズっぽい雰囲気もある軽快なサウンドになっていて、前2作の重苦しさから解放されています。The Final Encoreはキャメルのおいしさを凝縮した感じがあるさまざまに展開する曲で聴きごたえ満点。

コンセプト・アルバムでないせいか、気楽に演奏している感じがして聴きやすいです。

A nod and a Wink


(DVD)


(DVD)

Footage

1973年から2003年までのTV番組やライブなどのお宝映像を集めたもの。


(DVD)


(DVD)

Footage II

1973年から2003年までのTV番組やライブなどのお宝映像を集めたもの。


(DVD)


(DVD)

The Opening Farewell

2003年6月26日カリフォルニア州のキャタリストというナイトクラブでのライブ映像。


(2CD)

The Snow Goose: Re-recorded Edition

アンディーが1992年から血液系の疾患にかかり、骨髄繊維症に進展。2007年に骨髄移植を受けて体調が戻ったことで、音楽への情熱が戻り活動再開。

再起動を記念して2013年10月にスノーグースを再現するライヴを行うことになり、その前段階として5月にスノーグースをスタジオでも完全再録音しました。

2002年に癌で死去したピーターを追悼する意味もあり、若干のアレンジ変更を除き、オリジナルに沿っています。聴いていて心地よさを感じます。

日本盤は、2013年10月28日のロンドン公演を収録したCDをセットした2枚組。


(2CD)


(2CD)


(DVD)


(DVD)


(Blu-ray)


(Blu-ray)

Camel At The Royal Albert Hall

2018年9月17日のロンドン公演を収録。ムーンマッドネスを完全再現しています。







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