Greenslade


(2CD)


(2CD)

Greenslade

コロシアムの解散に伴いデイヴ・グリーンスレイドが元同胞のトニー・リーブス、キング・クリムゾンのリザードでドラムを叩いたアンディ・マカロック、キーボーディストのデイヴ・ロンソンを招き入れて結成。

スピード感のあるツインキーボードとベースのからみからオープニング。ジャズロックっぽい雰囲気があり、「こいつはいいぞ!」と思ったところで、スピードダウンしてボーカルパートへ。

全体的にインストパートはスピード感があって小気味よく、ボーカルパートはゆったりとしています。コントラストがついていてよいと思う一方で、勢いで駆け抜けてもいいのではと思う曲もあります。

ラスト曲は生ピアノとエレピの美しいからみからスタートし、ジャズロック風のリズムに移行してオルガンソロに入るという流れ。たたみかけるようなドラムも心地よいです。後半はぐんぐんとスピードがあがりメロトロンも絡んできてテンションアップです。見事な展開です。

ロウソンの声は平坦でマイルドすぎて、バッキングに負けているのが残念。

BBCラジオ放送のために1973年1月10日、4月5日に録音されたライヴ音源を収録したボーナスCDとのセットもあります。


(CD+DVD)

Bedside Manners Are Extra

ベースがズーンズーンとゆったりとダークな感じで響く幕開けなので、一大プログレ世界を期待しましたが、その後はゆったりとほのぼのとしたボーカル曲で拍子抜け。でも途中のインストパートからはスピ―ドアップして軽快になります。続く曲はスピード感のあるオルガンパートと中間部のメロトロンたっぷりのゆったり世界のコントラストがよい明るめのサウンドです。

Drum Folkはドラムソロを擁して複雑で起伏のある展開がスリリングな約9分の曲で聴きごたえ満点。ラスト曲は若干ブルージーな雰囲気で始まり、コロコロと展開してジャズロック風になる爽快さのあるインスト曲です。

アルバム全体を通じて明るく、やさしさを感じる曲が多いです。叙情系プログレが好きな人にはしっくりくるでしょう。

1973年11月20日にBBCテレビ番組に出演時の映像、プロモビデオを収録したDVDとのセットもあります。


(2CD)


(2CD)

Spyglass Guest

さらなるサウンドの広がりを求めるためにゲストミュージシャンを招き、エレキギター、アコギ、バイオリンの音が加わりました。

ジャズっぽいロウソンのボーカル曲でコロシアムの盟友クレム・クレムソンが泣きのギターを奏で始めたときは、意外性にゾクっとします。Siam Seasawではゲストミュージシャンが弾くアコギが牧歌的な雰囲気を漂わせたあと、クレムが泣きのギターを奏でてじっくりと盛り上がります。

パイプオルガンの音で始まるJoie De Vivreはバイオリンをフィーチャーした目まぐるしく展開する曲。後半のオルガンソロとバイオリンソロは聴きどころ。

ラストは、コロシアムのドーター・オブ・タイムに収録されていたブルース曲Theme for an Imaginary Westernで渋くクロージング。残念ながら曲の出来はコロシアムの方が遥かに上です。

グイグイくるプログレさは薄れたものの、曲のバリエーションが増えて楽しめます。

仲が悪くなったのか、それとも「俺の曲では、俺だけがキーボード弾くぜ」という自己主張なのか、ロウソンが書いた3曲ではグリーンスレイドは弾いていません(逆にグリーンスレイドの1曲ではロウソンが弾いていない)。

BBCラジオ放送のために1974年11月7日に録音されたライヴ音源を収録したボーナスCDとのセットもあります。

Time And Tide

1975年に入りトニーが脱退してカーヴド・エアーに移籍。後任にマーティン・ブレイリーが加入。ちらっとギターも弾いています。

1曲目はロウソンがシャウトするロックンロール曲。続く曲はポップで、これまでのイメージに合わない曲での幕開けに驚きます。

中盤はグリーンスレイドの独壇場。Timeでは彼のチェンバロに合わせて男声合唱団がコーラスし、それに続く曲では荘厳にメロトロンを鳴らし、間髪入れずラテンっぽいサウンドとクラシカルさが共存した曲になだれ込むという流れは、ジェットコースター的目まぐるしさがあり面白いです。

後半はロウソンがロック、ブルース、バラードと種々の曲を歌いまくります。彼の声にはファーストほどのイマイチ感はないです。

Live 1973-75

Live in Stockholm 1975

1975年3月10日のスウェーデン、ストックホルムでのコンサートを収録。

1976年初頭に解散。

Large Afternoon

グリーンスレイドとトニーが一念発起して再結成。キーボード兼ボーカルには、ジョン・ウェットンとも活動を共にしたことがあるジョン・ヤングが就任。彼の声は深みがあり、ロウソンとは全く印象が異なります。

広がりを感じるシンフォニックな曲での幕開けを聴くと、グリーンスレイドの健在ぶりがわかります。

On Suiteはジョンの熱唱と分厚いキーボードサウンドが見事にマッチした一大叙事詩になっていて聴きごたえあり。

シンフォニック系プログレのお手本的なサウンドはよいものの、ロウソンが醸し出していたジャズロックさがなく、物足りなさを感じます。

The Full Edition. Live 2001







Copyright shig-sak