ビッグ・ラド・イン・ザ・ウインドミル(1986年) The Big Lad in the Windmill ボブ・ダルトン(Dr)、ディック・ノーラン(B)、フランシス・ダナリー(G, Vo)が結成したバンドにジョン・ベック(Key)が参加することでイット・バイツを結成。 短めの曲で、メロディーはポップな感じがするものの、サウンドはシンフォニックで展開が早く、「これでもか!、これでもか!」のプログレサウンドが連発されます。 とても聴きやすいプログレハードポップの傑作です。 フランシスの声は、若き日のピーター・ガブリエルの趣があり、耳に馴染みます。 |
||
ライヴ・イン・モントルー Live in Montreux 1987 1987年7月5日のスイスで開催されたモントルー・ジャズ・フェスティバルでの演奏を収録したもの。 ファーストアルバムの収録曲たちがライヴという熱気をまとい、魅力アップして収録されています。CDのラストには1988年の公演でのOnce Around the Worldがおまけでついています。 |
||
ワンス・アラウンド・ザ・ワールド(1988年) Once Around the World ポップなメロディーが親しみやすさを感じる一方で、さりげなく変拍子を入れたり、目まぐるしく展開する演奏はかっこよく、聴き応えあります。一風変わったコーラス(かけ声?)の入れ方も楽しいです。 魅力とアイディアを凝縮させた4分程度の曲が続いた後で、ラストは15分曲で終了。どっちかというと短めの曲の方がおいしいです。 |
||
イート・ミー・セントルイス(1989年) Eat Me in St. Louis 前2作に比べ、ギターを前面に出し、キーボードのシンフォニックなサウンドが影を薄めました。 ごく普通のハード目のロックといった感じで、あまり魅力を感じません。 |
||
ライヴ・イン・トーキョー Live in Tokyo 1989年10月10日の東京公演を収録。 Kiss Like JudasのオープニングからテンションMax。ベスト的な選曲で、最高な演奏が収録されています。 オリジナルではイマイチに感じていたイートの曲が、ウインドミルやアラウンドの曲にうまく融合することで美味しさがアップしています。 フランシスの存在感は圧倒的です。 |
||
サンキュー・アンド・グッドナイト〜ライヴ Thankyou and Goodnight 1989年にロンドンでテレビ用に収録されたライヴ音源を編集したもの。 3枚のスタジオアルバムから名曲を厳選して演奏したという感じです。オリジナルでは「もうちょいガンバレ」という印象があった「イート・ミー・セントルイス」の収録曲が「いよいよ本領発揮」とも言える魅力アップしているのが意外。 |
||
Live in London メジャーデビュー、ホヤホヤの1986年7月のマーキー公演(1CD)、セカンドアルバムを出して勢いあふれる1988年5月のアストリア公演(2CD)、新アルバムに向けた新曲も聴ける1990年4月のハマースミス・オデオン公演(2CD)をセットにした、最強5CDセット。詳しくはこちら 2018年夏に突如発売。 オリジナル・アルバムを聴いてイット・バイツが気に入ったら購入は必須。売り切れないうちに早く買いましょう。 1990年のツアー終了後、ロサンゼルスで新アルバムのレコーディングを開始したものの、意見対立の末、フランシスが脱退。後任にリー・ノットを入れ、心機一転してバンド名をナバホ・キッスなどに変えてライヴを行うものの客の反応がイマイチで結局解散。 2003年8月のフランシスのロンドン公演にイット・バイツのメンバーがゲスト参加したことで再結成の機運が高まるものの、フランシスが活動拠点のアメリカでの活動で忙しく、結局立ち消え。 |
||
ホウェン・ザ・ライツ・ゴー・ダウン When the Lights Go Down ジョンBが、ジョン・ウェットンのツアーサポートとして一緒に活動したことがあるジョン・ミッチェルと一緒に新バンドKINOを結成。ジョンMが、フランシスの後任になり得るギタープレイとボーカルができるとわかり、彼を招いて新生イット・バイツを結成しました。 2006年12月にイギリスで行ったお披露目公演の音源を収録。 フランシスとは声質が違うジョンMの力強さと渋みある声のお陰で、昔の曲に新しい魂が吹き込まれ、生き生きとしている感じがします。 |
||
ザ・トール・シップス(2008年) The Tall Ships コンサートの反応がよかったことに気をよくして、新メンバーで新作を作成を開始。しかし、フランシスがいないバンドでの活動に意欲を見せないディックがレコーディングに全く協力しなかったので、ベースはジョンBとジョンMが弾きました。 第1期の面影を残しつつも、サウンドに力強さが増し、ハードな曲はハードに、バラードはしんみりと起伏に富んだ構成になっています。 何と言ってもミッチェルの声は素晴らしいです。聞き惚れてください。 アルバムの発売直前にディックが脱退し、リー・ポメロイが加入。 |
||
イッツ・ライヴ(2010年) It's Live 2009年7月3日に、1夜だけ東京で開かれたライブを収録した作品(2枚組)。 多忙で来日できなかったリーに代わり、ネイサン・キングがベーシストで参加。 1曲目のKiss Like Judasからバンドも観客もボルテージ絶頂で熱い雰囲気が伝わってきます。第1期とザ・トール・シップスからの「ベスト選曲」という感じ。 これを聴いて彼らに魅力を感じなければ、他のアルバムを聴く意味はありません。 |
||
イット・ハップンド・ワン・ナイト It Happened One Night 2010年の地元イギリス・カンブリアでの公演を収録したもの。前半はザ・トール・シップスの曲を、後半はワンス・アラウンド・ザ・ワールドの曲を演奏しています。 セットや服装がシンプルで「ビジュアル面の華麗さがあった方がよかったな」とは思いますが、選曲、演奏、音質は最高レベルで文句なし。 ライブDVD、ドキュメンタリーDVD、ライブCD(2枚)の豪華4枚セットです。 |
||
マップ・オブ・ザ・パスト(2012年) Map of the Past 新世紀に入ろうとしていたイギリスを背景に、主人公の愛、情熱、嫉妬、怒り、後悔、喪失を描いたバンド史上初のコンセプト・アルバム。 ラジオをチューニングする音に続いてドラマチックなアルバムの序曲としてふさわしい、しんみりとした曲が流れます。そして、ジョンMのヘビーなギターが鳴って、シンフォニックな曲に移る。この流れはとてもカッコよく、まさに「プログレの王道」といった感じです。 デラックス盤には、「イット・ハップンド・ワン・ナイト」からの音源(6曲のみ)を収録したボーナスCDがつきます。 2019年5月、Facebookで活動終了を発表。 |
KINO | ||
Picture 第2期イット・バイツ起動直前に、ジョンM、ジョンBとマリリオンのベーシストのピート・トラウェイバス、元ポーキュパイン・ツリーのドラマー、クリス・メイトランドがプロジェクト的に結成したバンドの作品。 アルバム発売後のツアーでは、ボブがドラムを叩いており、今思えば第2期イット・バイツの実質のファースト・アルバムです。 1曲目はスピード感あふれるアップテンポのプログレ・ハード・ロック。それ以降はエイジアやロンリーハート・イエス的な軽快なプログレ・ポップになっています。 とても親しみやすい作品です。 |
||
レディオ・ヴォルテール(2018年) Radio Voltaire ジョンMがロンリー・ロボットの3作目の企画をレコード会社に持っていたら、「ついこの前セカンドを出したばかりだよな。その代わりにKINOのアルバムを作ってみたら?」と言われてKINOを復活させる気になり、ピートも賛同して再起動。 ドラムはFrost*人脈で、ロンリー・ロボットでも叩いていたクレイグ・ブランデルが担当、ジョンBはゲストミュージシャンとして参加しています。 ウェットな感じがする曲がほとんど。いつものジョンM風といった感じ。 ピクチャーを聴いたときの感動を期待していると、肩透かしをくらいます。 |