Kate Bush

The kick inside

学生時代にレコーディングしたデモテープをいろんなところに送りまくったらピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアに届き、彼女の才能に惚れた彼の資金援助のもとでデモテープを洗練。とんとん拍子に話が進んでデビュー。

小悪魔的な怪しさが前面に漂っています。ゆったりとしたスケールの大きな曲から、キュートなポップまで、粒ぞろいのカラフルな作品が収録されています。

まだ3作目以降にみられる奇抜さはありませんが、とても楽しめる作品です。

Lionheart

前作の少女らしさが薄まり大人の雰囲気が漂っています。透明感溢れる美しい曲が並んでいます。

ヒーリング・ミュージックとしてはよいですが、おもしろさという面では今一歩。

Manchester Apollo 10th April 1979

1979年4月10日のイギリス、マンチェスター公演をフル収録。当時、イギリスの民放TV局での放送のために収録されたものですが、ケイトが出来に納得いかずお蔵入りになっていました。

前2作からの曲に加え、「魔物語」収録のEgypt(何故か、お囃子風アレンジ)、Violin(ほぼ完成版)もやっています。

音のクリアさ、バランスのよさは申し分なし。なぜ、これの公開をケイトが拒絶したのか謎に思うくらい。


(VHS)


(VHS)

Live at the Hammersmith Odeon

1979年5月13日のロンドン公演を収録。

曲ごとに衣装を変え、リンゼイ・ケンプ師匠直伝のダンス&パントマイムを披露し、聴覚的&視覚的に思う存分楽しめるコンサート映像になっています。とにかく楽しいし、美しい。

以前VHSとレーザーディスクが発売されていて、私はLDを持っていました。公式DVD/Blu-ray化を世界中のケイト・ファンが待ち望んでいますがいっこうに発売される気配なし。

Never for ever

ピーター・ガブリエルのレコーディングに参加したことで、「音楽には制約がない」ことに目覚め、自由奔放さが表に出た作品です。しっとりとした雰囲気の作品からバイオリンをフィーチャーしたロックまで多様多彩な曲が収録されています。

曲の出来、アルバムの流れと言い、申し分ない。

The dreaming

アフリカ的なリズムを前面に出した挑戦的な作品。これまでの華麗さと美しさを破棄し、荒々しさを感じます。アルバムの後半には、申し訳程度に従来の「うっとり系」の曲が入っていますが、それ以外の曲が強烈すぎて影が薄いです。

アルバムとしては面白さに満ち溢れていますが、刺激的過ぎて入門としては向きません。大ファンになってから聴きましょう。

The hounds of love

前半と後半で全くタイプの違う曲が収録されています。前半はロック色の強い曲が並んでおり、特筆すべきものはありません。

一方、後半は「うっとり系」の曲からスタートする組曲形式になっており、魔女的なサウンド、ヘビーなサウンドと目まぐるしく展開します。

最もプログレ色を感じる内容で彼女の本領発揮といった感じです。入門として適しています。

The sensual world

ゲストミュージシャンを招き、音のバリエーションは増えたものの、アルバム全体としての流れがなく、散漫な印象がします。

おとなしめの曲が多く、前作までに比べおもしろさに欠けます。

The red shoes

一曲一曲はエネルギーに満ちており、曲の完成度は高いです。しかし、アルバム全体としての流れがなく、非常に聴きづらいです。曲順を入れ替えれば、傑作になったかもしれません。


(VHS)

The Line, the Cross and the Curve

ケイトが監督&脚本した短編映画。レッド・シューズの収録曲を使いながら、謎の女性の悪だくみに引っ掛かり永遠に踊らざるを得ない赤い靴を履かされたケイトの顛末を描いています。彼女を導く役として、彼女のダンスの師匠リンゼイ・ケンプが登場。

ケイトが出来に満足していないそうで、発表当時にVHSが発売されたもののDVD化はされていません。

Aerial

CD1はA Sea of Honey、CD2はA Sky of Honeyという副題がついたコンセプトアルバム。

サウンドはおとなしく、激しさや派手さはありません。ヒーリングミュージックとしては聴きやすいですが、面白みには欠けます。

ケイトの魅力を知らない初心者にはお勧めできません。ケイトの信者向け。


(3CD)


(3CD)

Director's cut

センシュアル・ワールドとレッド・シューズの収録曲を、今の彼女の心境を反映して再アレンジ、再録音したもの。

「あっ、違うな…」と思う程度で、曲の印象がよくなるわけではないです。

本作、センシュアル、レッドをセットにした3枚組もあり。

50 words for snow

ピアノの弾き語り調が主体の作品。派手さや華麗さはなく、一聴して「地味」です。

しかし、何回も繰り返し聴いているうちに、「隠し味」を聴きとれるようになれば、この作品のよさはわかるでしょう。

ケイトの信者向け。

Before the dawn

2014年8〜10月にロンドンで行ったコンサートの模様を収録したもの(3CD)。

CD2には「愛のかたち」でLPのB面をフルに使って収録されていたケイト史上最強の組曲The Ninth Waveを収録し、CD3には「エアリアル」に収録された組曲The Sky of Honeyを収録。

ラストのCloudbustingの観客の大合唱は感動モノです。

どの曲もオリジナルに比べて魅力がアップして想像以上の出来に仕上がっています。







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