King Crimson


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)


(2CD)


(2CD)


(4CD+DVD audio)


(4CD+DVD audio)

In the court of the Crimson King

ロバート・フリップ(G)、マイケル・ジャイルズ(Dr)、グレッグ・レイク(B、Vo)、イアン・マクドナルド(Key、管楽器)、ピート・シンフィールド(作詞、照明)で始動。

衝撃的なオープニング曲からラストの荘厳な曲まで、動と静のコントラストを見事に使いながら曲が展開されます。一曲一曲の完成度と言い、アルバムの構成といい文句なしの傑作。ロック・ファンならば聴かずに死ぬのはもったいない作品。

2005年には、長年行方不明だったオリジナル・マスター・テープを用いたリマスター盤が発売されました。音質がかなりよくなっているので、旧盤を買わないようにCDの発売年に注意してください。

40周年記念としてスティーヴン・ウィルソンが手掛けたリミックス音源を用いたCD+DVD audio(5.1ch音源収録)や2CDセットや4CD+DVD audioセットもあり。


(3CD+Blu-ray audio)


(3CD+Blu-ray audio)

In the court of the Crimson King (50th Anniversary Edition)

2019年リミックス音源、オリジナル音源、セッション音源などを収録した3CDと2019年にスティーヴン・ウィルソンがやり直した5.1ch音源などを収録したBlu-ray audioのセット。


(20CD+2DVD+4Blu-ray audio)

The Complete 1969 Recordings

1969年のライヴ音源を収録した7CD、セッション音源を収録した6CDなどを収録。Blu-ray audioには「宮殿」のドルビーアトモス音源を収録。


(4CD)


(2CD)

Epitaph

1969年に収録されたオリジナル・メンバーでのライブ音源。

ノイズが入る曲、もやっとした曲がありますが、ベースの重さやシンバルのシャリ感は出ていて、メンバーの熱気は十分に伝わってきます。マイケルのパワフルなドラム、ロバートやイアンの自由奔放さに圧倒されます。そして、グレッグの美声にはうっとりさせられます。

曲名だけ見ると「知らない曲だな」と思ったものが、実は「ポセイドン」や「アイランド」に収録される曲のプロトタイプだったりと面白さもあります。

けっこう至福な時間が過ごせますので、クリムゾンのマニアになったら是非とも聴いてみてください。

輸入盤は2CDですが、日本盤はさらに2枚追加して4CDになっています。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

In a wake of Poseidon

1969年のアメリカ・ツアーの終了後、音楽的方向性の違いなどからロバート以外のメンバーが次々に脱退。契約の都合でアルバムを作成をせざるを得ないので、ゲスト・ミュージシャンを入れたり、元メンバーにセッション・ミュージシャンとして手伝ってもらい完成にこぎつけました。

曲やアルバムの構成は、前作とほぼ同じで、動と静のコントラストをつけています。しかし、二番煎じ感は拭えず、曲の出来がイマイチで、魅力に欠けます。

後半にはクラシック音楽の「木星」をモチーフにした長編インスト作品が収録されています。すごい演奏をしていることはわかりますが、複雑すぎて理解できません。

CD+DVD audio(5.1ch収録)もあり。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

Lizard

前作のレコーディングに参加したゴードン・ハスケルをベース&ボーカル、メル・コリンズを管楽器、アンディ・マカロックをドラムとして正式に迎え、ゲストにジャズ・ピアニストのキース・ティペットや管楽器奏者を招いてレコーディング。

サックスなどの管楽器を主体にしたサウンドが収録されています。おとなしめの曲が多く、またボーカルの声もイマイチなので、ぱっとしません。一曲だけイエスのジョン・アンダーソンがゲストで歌っていますが、たいしたことはありません。

CD+DVD audio(5.1ch音源収録)。5.1ch音源は2chとは全く違って管楽器が生き生きしており、激しさを感じます。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

Islands

ジャズ的に向かうバンドにハスケルが違和感を感じて前作の完成直後に脱退、続いてアンディーも脱退。後任としてボズ・バレルとイアン・ウォレスが加入しました。

前作とほぼ同じゲストミュージシャンを迎えたことで、管楽器が目立ちます。ほのぼのとした静かな曲が多く、ほとんど印象に残りません。

「宮殿」や「太陽と戦慄」時代の刺激的な音で疲れ果てた時に、「気持ちを落ち着かせるために聴く」程度でよいでしょう。

CD+DVD audio(5.1ch収録)もあり。


(HQCD)


(CD+DVD)

Earthbound

「アイランド」をレコーディングしたメンバーでの1972年のアメリカ公演の抜粋音源。スタジオアルバムには収録されていないインプロ曲が収録されています。

カセットテープ・レコーダーで録音されたために音の割れや歪んだ箇所があり音質が悪いです。とは言え、「エピタフ」やDGMで配信されている低音質音源に聴きなれていると、あまり気になりません。

メンバー仲が険悪になっていて解散が決まっていたものの、契約の都合でイヤイヤながらツアーしていたとのこと。メンバーの個性がぶつかりあった演奏の激しさは背筋ゾクゾクものです。クリムゾン通になったら聴いてみましょう。

CD+DVD発売時には7曲を追加収録して全12曲と進化。DVDにはハイレゾ・ステレオや高音質スタジオ・ライヴ音源も収録。詳しくはこちら

Ladies of the road

「アイランド」時代のメンバーによるライブ音源(2CD)。CD1は「リザード」と「アイランド」の収録曲がほとんどです。

CD2は、11つのライブでの21st centuryのギターとサックスソロを編集して1曲にしたもの。破壊力満点のプレイを堪能できます。この曲が好きな人は至福の46分間となるでしょうが、私は10分間で「もう、もう、お腹いっぱいです…」状態になりました。物珍しさで一回聴く分にはいいですが、二回目は…

Sailors' Tales (1970-1972)

21CD、4Blu-ray、2DVDのボックスセット。

「ポセイドン」〜「アースバウンド」のCD、ハイレゾ音源収録Blu-rayに加え、1971〜2年のライヴ音源を収載。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)


(2CD)

Larks tongues in the aspic

ロバート以外のメンバー総とっかえして新生クリムゾンが誕生。栄光の時代の始まりです。イエスから「危機」ツアー開始直前にビル・ブルフォードが脱退して加入したことはビッグニュースになりました。

前作までとアプローチが全く変わり、ヘビーなギターを前面に出し、デヴィッド・クロスのヴァイオリンの音が幻想的な味わいを加え、さらに新加入ボーカルのジョン・ウェットンの声が深みを加えています。

激しさだけでなく、中盤には渋いボーカル曲もあり、動と静のコントラストが見事です。必聴!

レコーディング後に、パーカッションのジェイミー・ミューアが仏門に入るために脱退。

リミックス音源を用いたCD+DVD audioや2CDセットもあり。


(13CD+DVD audio+Blu-ray audio)

Larks tongues in the aspic

1972年のライブ音源を収録。「戦慄」の5.1chミックス音源なども収録されています。詳しくはこちら


(2CD+2Blu-ray audio)


(2CD+2Blu-ray audio)

Larks tongues in the aspic: Complete Recording Sessions

スティーヴン・ウィルソンが手掛けた2023年リミックス、エレメンタルミックス(録音された各種音源を組み合わせてアルバムを再構築したもの)などを収録した2CD、ドルビー・アトモスなどを収録したBlu-ray、1973年1月16日〜2月1日の現存する全てのセッション・テープを収録したBlu-rayとのセット。

エレメンタルミックスは「ああ、オリジナルと違うな」と思う程度の内容、セッション・テープは歴史的価値はありますが、同じフレーズを何度も何度も聴くことになり、よほどの好奇心と精神力がないと完聴はしんどい(私自身まだ…)。

Night watch

1973年11月23日のオランダ、アムステルダム公演を収録。

この音源からTrio、Starless and bible black、Fracture、そして、Night watchのイントロが「暗黒の世界」に収録されました。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

Starless and bible black

冒頭の2曲のみ純粋スタジオレコーディングで、残りはライヴ音源(一部の曲はスタジオで音を追加)。

前作に引き続き、ヘビーなギターがメインになっています。ボーカル曲をアルバムの前半に集め、後半はインプロビゼーション大会になっています。ちょっと難解なところもありますが、Fractureの後半のスピード感あふれるプレイは、ギターが好きな方にはたまらないでしょう。

CD+DVD audio(5.1ch収録)もあり。

The Great Deceiver 1: Live 1973-1974

1973〜1974年のライブ音源(2枚組)。

オリジナルアルバム未収録のインプロビゼーション曲が多数収録されています。

まず、「太陽と戦慄」〜「レッド」を聴いて、この時期のサウンドに慣れてから手を出しましょう。

The Great Deceiver 2: Live 1973-1974

同上。

Starless

20CD、2DVD audio、2Blu-rayのセット。

1973〜1974年のライブ音源を収録。「暗黒の世界」の5.1chミックス音源なども収録されています。詳しくはこちら

Road to Red

21CD、DVD、2Blu-rayのセット。

「レッド」のレコーディング前に実施された1974年のツアーから16公演の模様を収録。「レッド」の2009年ミックス音源なども収録されています。詳しくはこちら。


(HQCD)


(CD+DVD)


(CD+DVD)

USA

1974年6月のアメリカのアズベリー・パーク公演他を収録したもの(つまり、収録日は、「レッド」よりも前)。「戦慄」〜「レッド」の収録曲をメインに、自由奔放なプレイが聴けます。
「素のアズベリー・パーク公演の音源」でなく、デヴィッドの演奏をエディ・ジョブソンの物に置き換えるなどの編集がされています。

40周年記念のCD+DVDもあり。CDには「素のアズベリー・パーク公演の音源」を収録。DVDには「素のアズベリー・パーク公演の音源」が2種類(ミックス違い)とUSAの音源がハイレゾで収録されています。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

Red

アメリカ・ツアーの終了後にレコーディングに入ろうとしたものの、デヴィッドがツアーの疲労困憊で限界に達して脱退。過去の作品での管楽器メンバーやデヴィッドをゲストに招いてレコーディングしました。

70年代クリムゾンを締めくくるに相応しい名作です。一曲目のRedのヘビーさもさることながら、最後を閉めるStarlessが描く殺伐とした風景もたまりません。ゆったりとしたリズムの中でジョンの渋い声とサックスがからむところは背筋がゾクゾクとします。

必聴!!

レコーディング直後にロバートがクリムゾンの終結を宣言して解散。

CD+DVD audio(5.1ch収録)もあり。


(2CD+2Blu-ray audio)


(2CD+2Blu-ray audio)

Red: 50th Anniversary

スティーヴン・ウィルソンが手掛けた2024年リミックス、エレメンタルミックス(録音された各種音源を組み合わせてアルバムを再構築したもの)などを収録した2CD、ドルビー・アトモスなどを収録したBlu-ray、前述の3種類のUSA音源や「ロード・トゥ・レッド」に未収録の5公演を収録したBlu-rayとのセット。

エレメンタル・ミックスには、オリジナルでは使用されなかった管楽器パートが怒涛のように入っていて、Starlessの壮絶さがハンパないです。Starlessのメイキング音源も未使用の管楽器音源やメロトロンだけパートなどがあって面白いです。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

Discipline

エイドリアン・ブリュー(G、Vo)をフロントマンに置き、トニー・レヴィン(B)、ビルの4人態勢で再出発した作品。70年代の音の厚み、深みがなくなり、「いかに正確に細かくギターを刻めるか」を主眼にした作品がならんでいます。

「他のバンドとは違う個性的なサウンド」という意味ではprogressiveかもしれませんが、曲のスケールが小さいので、プログレとは呼びたくないです。

特に盛り上がることもなく、あっという間に終わってしまい物足りなさが残ります。

CD+DVD audio(5.1ch収録)もあり。


(HQCD)


(CD+DVD audio)

Beat

前作と同じメンバーで作成された作品。80年代クリムゾン構想はロバートとしては「ディシプリン」で成就したものの、「3作発表する」という契約があったために履行するためにこのアルバムを作ったとのこと。

Discipline

1982年8月27日のフランス、フレジュス公演を収録。

音はクリアで分離がよくてロバートとエイドリアンのギターがよく聞き分けることができます。一方、トニーのベースの音が小さく迫力不足なのは残念。


(HQCD)


(CD+DVD audio)

Three of a perfect pair

前作同様に、契約履行のために作ったアルバム。

インプロビゼーション風の演奏が目立ち、「とりあえず演奏しておきました」的な感じが強いです。

Larks part 3が収録されているものの、他のLarksシリーズに比べて緊張感に欠け、最後は盛り上がることなくフェードアウトしてLarksの中でも面汚し的な印象があります(でも、「アブセント・ラヴァーズ」での演奏はカッコいいけど)。


(DVD)


(DVD)

Neal & Jack & Me: Live 1982-1984

1982年8月のフランス公演、1984年4月の日本公演を収録。

この時代のCDでは軽薄な感じがしたのですが、日本公演の映像を見て初めて、ものすごくテクニカルなプレイをしていたことがわかり驚きました。エイドリアンのギターから飛び出す数々の音、レヴィンのベースプレイなど見所満載です。

80年代クリムゾンが好きでない方も結構楽しめると思います。

Absent lovers: Live in Montreal 1984

1980年代クリムゾンの最終公演となる1984年7月11日のカナダ、モントリオール公演を収録した2枚組アルバム。

スタジオ・アルバムとは曲の印象が大違いで、躍動感に満ちて魅力的に生まれ変わっています。私は80年代クリムゾンが嫌いでしたが、ライブ音源を聴いて見直しました。

とは言え、初心者が聴くクリムゾンではありません。まずは70年代を制覇してからどうぞ。

On (and Off) the Road

11CD、3DVD audio、3Blu-ray、2DVDのセット。

1980年代の3スタジオ・アルバムのCD、DVD audio、Blu-rayに加え、各アルバム発売後のツアーの最終公演を収録したCD(1981年は日本公演!)などを収載。

「アブセント・ラヴァーズ」の5.1ch音源、「ニール・アンド・ジャック・アンド・ミー」に収録されていたパリ公演、日本公演の映像の拡張バージョンもあり。

1980年代クリムゾンを徹底究明したい方はどうぞ。

Vrooom

ギター(ロバート、エイドリアン)、ベース(トニー、トレイ・ガン)、ドラム(ビル、パット・マステロット)各2名のダブル・トリオとして再々結成された90年代クリムゾンの起動で、「スラック」の予告編として発売されたミニアルバムです。

Vrooomは「スラック」収録バージョンよりこちらの方がスピード感があって私は好きです。「スラック」未収録の曲もありますが、たいしたことはありません。

「スラック」を心底から気に入った方は、買ってもよいでしょう。

B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994

「ヴルーム」のレコーディング後、「スラック」のレコーディング開始までの間(1994年10月)にアルゼンチンでやったコンサートを収録。

ライヴで新曲を磨いて進化させてからスタジオレコーディングするという従来の方針を踏襲したものです。荒々しい熱気あふれる演奏を聴けます。注目すべきは80年代曲。ダブル・トリオ用にアレンジし直され、音の複雑さ厚みが増し生まれ変わっています。


(DVD audio)


(DVD audio)

Live in Argentina 1994

1994年10月8日のアルゼンチン公演を収録した2枚組(1枚目は昼間の公演、2枚目は夜の公演)。

熱気あふれる演奏とさらに熱気あるアルゼンチン・ファンの様子が収録されています。たまにピンボケの箇所があります。演出なのか、技術不足なのか?

DVD audioなので4chハイレゾ音源(こちらは映像なし)も収録されています。


(HQCD)


(通常盤)


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)


(12CD+DVD+2Blu-ray)

Thrak

70年代後半のヘビーなサウンド、80年代の軽いサウンド、メロウで静かな曲など、バリエーションに富んだ作品が収められています。

しかし、ダブル・トリオが活かされた曲は数少なく、また曲数が多いため間延びした感じがして、聴いているうちに飽きてきます。

主要な曲は「ヴルーム・ヴルーム」にも収録されており、パワフルな演奏が聴けるそちらを買う方がよいです。

CD+DVD audio(5.1ch音源収録)や豪華ボックスセットが発売(くわしくはこちらこちら)。


(DVD)


(DVD)

deja VROOM

1995年10月の東京公演を収録。DTS5.1ch音源収録で、個々のメンバーがどの音を出しているかがよくわかります。マルチアングル映像が収録された曲があり、特定メンバーにスポットを当てた演奏を見ることができます。

80年代クリムゾンと「スラック」収録曲がメインです。

THRak aTTaK

日本公演とアメリカ公演で演奏されたThrakの中間パート(=インプロビゼーション大会)をつなぎあわせて一曲にした作品。

ふわーんとなるフリッパトロニクス(多分)をバックに、ビルが奏でるマリンバ、指の動くままにロバートが弾くギター、エイドリアンがギターで出すピアノ風などの多彩な音が混じり合います。

私は快楽を感じましたが、クリムゾン信者でもなかなか理解できない世界だと思います。よほどの覚悟を持って買いましょう。

Vrooom Vrooom

1枚目は1996年のメキシコ公演、2枚目には1995年のアメリカ・ニューヨーク公演を収録(いずれも完全収録ではない)。「スラック」収録曲と80年代曲を主体に構成されています。


(HQCD)

ConstruKction of light

ダブル・トリオは結局成就せずに終わり、ロバート、エイドリアン、パット、トレイの4人編成で再出発した21世紀クリムゾンの作品。Larksのpart 4やFractureの続編などギンギンなヘビー・メタル的サウンドが収録されています。

ギターサウンドが好きな方にはたまらないでしょう。私の耳にはうるさすぎて、私は早々に手放しました。


(CD+DVD audio)

The reconstruKction of light

40周年記念盤シリーズとして、コンストラクション・オブ・ライトのリミックス盤を作ろうと思ったら、パットが最終的に録音したドラムパートの音源だけがなくなってしまったために、パットがドラムを再録音してリミックスしたもの。Re-imagined editionと呼ばれています。

当時、デジタル・マルチトラックレコーダーでレコーディングした後、パソコンの編集システムに取り込んでから最終的ドラムパートをレコーディングしたのですが、エンジニアが急死したためにパソコンにアクセスすることができなくなったとのこと。デジタル・マルチトラックレコーダーのテープが残っていたのは不幸中の幸いです。

リミックスによって、オリジナルよりもずいぶん聴きやすくなった気がします。

Heavy construKction

2000年5〜7月のヨーロッパ公演を収録(3枚組)。「スラック」や「コンストラクション」の曲を主体に演奏していています(70年代の曲は未収録)。

3枚目のCDにはインプロビゼーション合戦が収録されています。

Level five

2001年のアメリカ&メキシコ公演から抜粋された5曲入り(+隠しトラック曲1つ)ライヴ・アルバム。後に「パワー・トゥー・ビリーヴ」に収録されるヘヴィーな曲が演奏されており、レコーディングに向けて新曲をライヴで磨いて進化させている様子がうかがえます。

ガツンとハードだったり、ほわーんと幻想系だったり、いろいろなタイプの曲が入っていて思ったよりも楽しめます。

Happy with what you have to be happy with

「パワー・トゥー・ビリーヴ」の予告編的に発表された作品。

「パワー・トゥー・ビリーヴ」に収録された2曲(Eyes Wide Openはアコースティックアレンジ)、ブルース曲、Larks part 4のライヴ版をメインに、ごく短めの曲(ボコーダーで加工したブリューのアカペラ曲やインスト曲)をつなぎとして途中で交えています。

マニア向け。


(HQCD)


(CD+DVD audio)

The power to believe

一曲目のボーカルにエフェクターをかけたアカペラには「また脱プログレに向かうのか?」と驚かされますが、続くLevel Fiveは70年代的ハードなインスト作品で一安心。続くEyes Wide Openはブリューがしんみりと歌うバラード。曲の流れが見事です。

中東〜東南アジア風の曲があったりして、ハード一辺倒だった前作よりメリハリがあり聴きやすさを感じます。エイドリアンの声が80〜90年代と違って落ち着きがあり、耳になじむのは意外です。

70年代クリムゾンを制覇したら次に聴いてもらいたい作品です。

2019年5月にリミックス音源を用いたCD+DVD audioが発売。DVD audioには「レヴェル・ファイヴ」と「しょうがない」もハイレゾで収録。


(DVD)


(DVD)

Eyes wide open

2000年7月3日のロンドン公演と2003年4月16日の東京公演を収録した作品(2枚組)。

ヘビー、パワフル、テクニカルな演奏に圧倒されます。特にトレイのウォーギターさばきには惹きつけられます。2003年のライブでのエイドリアンは下着的な白いTシャツにラクダ色のズボン姿で、プログレミュージシャンというより「路地裏の縁側で将棋を打っている昭和時代のオッサン」風。ルックス面で残念です。

70年代曲が収録されていないのが残念だと最初は思いましたが、このメンツで演奏しても「コピー・バンド」みたいになるので、演奏しなくて大正解だったと感じます。

Elektrik

2003年4月16日の東京公演を収録した作品(アイズ・ワイド・オープンと同日)。

「70年代のクリムゾンがベストだなんて幻想だぜ」と言わんばかりに、21世紀のへヴィーでパワフルなクリムゾンの曲を威風堂々と演奏しています。聴いていてグイグイと惹きつけられます。

新たな頂点と言ってもいいくらいの作品です。

Heaven and earth

18CD、4Blu-ray、2DVD audioのセット。

ザ・リコンストラクション・オブ・ライト、レヴェル・ファイヴ、しょうがない、ザ・パワー・トゥー・ビリーヴのCD+Blu-ray+DVD audioに加え、プロジェクト1〜4のCD、2000〜2008年のライヴ音源CDを収録。

プロジェクト1〜6の全レコーディング音源を収録したBlu-rayもあります。


(CD+DVD audio)


(CD+DVD audio)

Live at the Orpheum

2014年に7人編成で突如活動を再開したロサンゼルス公演(9月30日、10月1日)からの抜粋を収録したミニライヴアルバム。

ドラムが3人いるので、リズムに重みがあります。

ライヴではLarks pt1、2やRedといった誰もが聴きたいオイシイ曲をやっているのに、このアルバムに収録されなかったことに不満を抱いているファンが多いことと言ったら…。私はこのアルバムに収録された「アイランド」時代の曲も好きなので、それほど幻滅はしていません。詳しくはこちら

DVD audioにはハイレゾ2ch音源を収録。

Live in Toronto

2015年11月20日のトロント公演をフル収録したもの。

音質は最高レベルで定位もはっきりしていて、3人のドラムサウンドがくっきりと聞き分けることができます。

詳しくはこちら


(3CD+Blu-ray)


(3CD+2DVD)


(3CD+Blu-ray)


(3CD+Blu-ray+2DVD)

Radical Action To Unseat The Hold Of Monkey Mind

2015年12月19日の高松公演の映像を主体にした映像を収録した作品。当時の持ちネタをすべて入れ込んだ感じで、超濃厚な世界を長時間味わえます。

注目点はやはり3人ドラムの業務分担。正面、アップ、斜めといったいろいろな角度から収録されていて、誰が何を叩いているかしっかりと把握できます。

数曲のエンディングでアップで映ったロバートが嬉しそうにニヤリとするシーンにはほっこりします。

3CDにはイギリス、カナダ、日本公演から厳選された演奏が収録されています。ヴァーチャル・スタジオ・アルバムという位置付けで客席の音が入っていません。

詳しくはこちら

Live in Vienna

2016年12月1日のウィーン公演を完全収録(2CD)。病気療養に入ったビル・リーフリンに代わってジェレミー・ステイシーがドラムを叩いています。

「リザード」収録のCirkusとDawn Songを演奏しています。さらにデヴィッド・ボウイ追悼のためにHeroesも演奏。

日本盤では、2015年の日本での10公演から1曲づつ選抜したスペシャルCDがつきます。

輸入盤では、Fractureのライヴ音源などを収録したスペシャルCDがつきます。

Official Bootleg: Live in Chicago June 28th, 2017

2017年6月28日のシカゴ公演を完全収録。

復帰したビルをキーボード専任で迎え、8人編成になりました。

Fallin AngelやIslandsがセットリストに加わりました。

Lizardからの抜粋組曲は音の洪水状態で圧巻の迫力です。


(3CD+Blu-ray)


(3CD+Blu-ray)

Meltdown: Live In Mexico

2017年7月14〜19日のメキシコ公演を収録。

3枚のCDに、当時の持ちネタをフルに収録している一方で、コンサート映像にはLarks 1、Red、Courtといったおいしい曲が収録されていないが残念。その分、このツアーでしか演奏しなかったRizard組曲やFractureが入っているのでヨシとしましょう。

映像の編集やサラウンドでの音の配置がよく、各人がどんな演奏をしているかよくわかります。

2020年3月24日にビルが癌闘病の末に逝去。

Music Is Our Friend

2021年9月11日のワシントン公演(アメリカツアーの最終日)を収録。さらに8月22日にアルバニーで開催したFriends and Family showからの4曲を追加し、このツアーでのセトリを完全収録しています。11〜12月に開催された日本公演でも、このアルバム収録曲から日替わりでセトリが組まれて披露されました。

このツアーのセトリは、「そのコンサートがクリムゾンを体験できる最初で最後の機会になる若者」のことを思って組んだそうで、通好みのサプライズ曲をやるよりも、グレーテストヒッツを選んだ感じ(ヒット曲はないが…)。

トリプルドラム体制の集大成といった演奏が収録されていて、迫力と聴き応え満点です。

12月8日の東京公演を持って、この体制は終結(ロバート曰く、completion)しました。

その他、多数のライブ音源があります(詳しくはこちら)。





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