ボディー(1970年) Music from the Body 1970年に放送されたイギリスのテレビ科学番組The Bodyのサントラ盤。 もともとロン・ギーシンに番組プロデューサーから声がかかったもので、Atom Heart Motherでピンク・フロイドのメンバーと知り合いになったことでロンがロジャーに参加を声掛けしました。 ロン作の奇妙奇天烈なインスト曲が中心。ロジャーはフォーク調の曲を数曲歌っています。ラストの曲ではピンク・フロイドの全員が参加。 プログレともサイケとも実験音楽とも定義しづらい音楽が展開されています。非常におもしろい作品ですが、あまりに強烈過ぎるのでピンク・フロイドのマニア向けの作品です。 |
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ヒッチハイクの賛否両論(1984年) Pros and Cons of Hitchhiking 「主人公が午前4:30から5:06までの間に見た夢」を描いた作品。 地味なサウンドなので、「派手なピンク・フロイド・サウンド」を期待していると肩透かしをくらいます。静かに淡々と流れていき、同じようなフレーズが出てきて聴いているうちに飽きてきます。 ゲスト参加のエリック・クラプトンの泣きのギターは魅力的なのが救い。 ピンク・フロイドで「アニマルズ」に続くアルバムの企画会議をやった際に、ロジャーがこのアルバムと「ザ・ウォール」を提案したところ、こっちはボツになったとのこと。 |
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シカゴ 1984 Chicago 1984 1984年7月26日のシカゴ公演を収録。ギターはエリック・クラプトンが弾いています。 前半はピンク・フロイド曲集、後半は「ヒッチハイクの賛否両論」を完全再現。 音質がとってもクリアで、この音源がこれまで一般に出回らなかったのは人類にとって損失だったと思ってしまうほど。 サックスにはメル・コリンズを起用。エリックとメルがいることを最大限に活用して、大胆にアレンジしたピンク・フロイド曲が収録されています。「ヒッチハイク」曲はライヴという勢いがあるのか、スタジオ盤より活気を感じます。 詳しくは私のブログをご覧ください。 |
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Pros & Cons of New York 1985年3月28日のニューヨーク公演を収録した2CD。 公式のライヴアルバムではないものの、アマゾンのレビューでは演奏、音質ともに評価が高いです。 前半はピンク・フロイド曲集、後半は「ヒッチハイクの賛否両論」を完全再現。 エリックはこのコンサートには参加していません。 |
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Radio K・A・O・S(1987年) Radio K・A・O・S テレパシー能力を持つ植物人間の主人公ビリーが、コンピュータや電話へアクセスし、奇想天外な方法で世界平和を訴えるストーリーを描いた作品。 ポップ調の曲で幕開けし、その後はロック調あり、女性コーラスありの派手な曲が展開していきます。曲調、構成全てが素晴らしく、スリリングな展開で最後まで引きずり込まれます。ロジャーのソロ最高傑作です。ピンク・フロイドを聴き始める前に聴いてもよいくらい。 |
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ケベック 1987 Quebec 1987 1987年11月7日のカナダ、ケベック公演を収録。 コンサートでは「Radio K・A・O・S」の曲が多数演奏されたのに、このCDでは2曲のみ収録。あとはピンク・フロイド名曲集。 |
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ザ・ウォール・ライブ・イン・ベルリン(1990年) The Wall: Live in Berlin 1990 1990年7月21日にかつてベルリンの壁があった場所で開かれたコンサートを収録したもの。 「万が一、ベルリンの壁が崩壊したらザ・ウォールのライブをベルリンでやる」と半分冗談のつもりで言ったら、ホントに壁が崩壊してしまったので、コンサートが実現しました。 他のピンク・フロイドのメンバーは誰も参加していませんが、一曲ごとにいろいろな有名ミュージシャンが入れ替わりで登場し、演奏&ボーカルをしています。 ピンク・フロイドでのザ・ウォールのコンサート映像が発売されなかったので、この映像で初めてザ・ウォールのステージ演出を知ることができました。 ザ・ウォールのコンサートは派手な演出が見ものですので、DVDの方を買う方がいいです。 |
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死滅遊戯(1992年) Amused to Death 政治的なテーマを歌った作品(難解なので詳細不明)。ジェフ・ベックがゲスト参加してギターを弾いています。 詩の朗読から始まり、女性ボーカルをフィーチャーしたピンク・フロイド的なヘビーな曲に展開します。しかし、後半にかけて、盛り上がりにかける地味な曲が続き、いつも聴いているうちに眠くなってしまいます。 傑作だとは思いますが、あまりにも重過ぎるので、ピンク・フロイドのマニア向け。 2015年にカバーアートを一新したリミックス版が発売されました。5.1ch音源を収録したBlu-rayオーディオやSACDもあります。 |
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イン・ザ・フレッシュ(2000年) In the Flesh 1999〜2000年にかけてのアメリカでのコンサートを収録した作品。前半はピンク・フロイドの名曲集とも言える演奏を聞くことができます。まさかライブ演奏が聞けると思っていなかったDogsも収録されており、感動ものです。後半のソロ時代の曲は盛り上がりに欠けるのが難点ですが・・・。 私は2002年の来日公演に行きました。ソロ時代の曲の際、退屈さに寝てしまった…。 DVDではバックスクリーンに映写される画像が楽しめます。 |
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サ・イラ〜希望あれ(2005年) Ca Ira フランス革命を舞台に描いたクラシック・オペラ。ロックさは皆無。 オペラファン以外はお勧めできません。 |
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ブエノスアイレス 2007 Buenos Aires 2007 2007年3月18日のアルゼンチン、ブエノスアイレス公演を収録。 「狂気」を完全再現しています。 |
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ザ・ウォール(2015年) The Wall ロジャーが2010-13年に行ったザ・ウォール完全再現ライブを収録したもの。 80年代当時と変わらない歌声を聞かせてくれています。どうせなら映像と一緒に楽しめるDVD/Blu-rayを買いましょう。 |
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ザ・ウォール(2015年) The Wall ロジャーが行ったザ・ウォール完全再現ライブの映像と、祖父や父の巡礼の旅の映像を織り交ぜた作品。 ライヴ映像は圧巻です。幅広い壁いっぱいに映写される映像がすごい迫力があります。ベルリン・ライブなんて目じゃないです。 詳しくはこちら |
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イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント(2017年) Is This the Life We Really Want? 不安感、絶望感が渦巻くこの世界の紛争、危機、差別、環境、政治などへの怒りを込めた作品。 とは言っても派手にガンガン攻めるのではなく、アコギ片手に弾き語りでじっくりと語りかけるという感じ。 ピンク・フロイドやロジャーの他のアルバムを聴き込んで彼がどのような人物かを理解してからじゃないと、地味なアルバムという印象しか残らないでしょう。 |
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ストラヴィンスキー:兵士の物語(2018年) Soldier's Tale クラシック作曲家ストラヴィンスキーが1918年に発表した「兵士の物語」をロジャーなりにアレンジしてレコーディングしたもの。 7人編成の室内楽団の演奏とともに、ロジャーが3人のナレーション(語り手、兵士、悪魔)を一人で担当しています。 演奏のパートはのんびりとした雰囲気があって心地よいものの、延々とロジャーが語る箇所は退屈極まりないです。 ストラヴィンスキーの愛好家かロジャーの狂信的信者はどうぞ。 |
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アス・アンド・ゼム US+THEM 2018年6月18日〜23日のオランダ、アムステルダム公演を収録。 前半はピンク・フロイドの名曲と「イズ・ディス・ザ・ライフ・ウィ・リアリー・ウォント」の曲を演奏。中盤からググっとメッセージ性がアップした曲の構成になります。 演出、映像、音響は予想をはるかに超える完成度で、極上感動レベルです。見終わった時、「この作品は、単なるコンサート映画ではない。コンサートの映像を通じて、ロジャーは強いメッセージを発信している。それを感じとって、考えなければいけない」と重い気持ちになります。 どのようなスペクタクルやメッセージがあるのかは、こちらをご覧ください。 |
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ザ・ロックダウン・セッションズ (2022年) The Lockdown Sessions US+THEMツアーのアンコールで演奏した曲でアルバムを作ろうと思い、2020〜2021年にかけて、ツアーメンバーとオンラインでセッションを実施。ピンク・フロイドやソロの曲が6曲収録されています。 ロジャーはアコギやピアノ弾き語りで演奏。バンドメンバーがシンプルなアレンジで演奏しており、心にじわじわっとしみてきます。特に女性コーラス隊の美しいハーモニーが素晴らしい。 ラストには、新ツアーのオープニングで使うためにダークにアレンジしなおしたComfortablyを収録。 |
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ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン・リダックス (2023年) The Dark Side of the Moon Redux 「ロックダウン」が思いのほかうまくできたので、50周年を迎えた「狂気」も同様のアプローチでやってみる気になり、新解釈で再録音。 「狂気の制作時には自分らは若かった。演奏重視で、歌詞のメッセージ性を十分伝えきれていなかったかも」という気持ちから音数を極端に減らして歌詞を伝えることに重点を置いています。そのため、歌っているというより朗読っぽいです。 退屈極まりなく、ロジャーの信者しか価値を見いだせないでしょう。 |