ザ・ライト (1995年) The Light 1曲目の15分組曲を聴いただけでバンドの実力がわかります。しんみりとしたピアノ弾き語りから始まり、シンフォニックサウンド、重厚なコーラスと目まぐるしく曲が展開していきます。かと言って難解さはなく、歌メロが親しみやすいので、とっつきやすいです。 他の曲も、緩急&動静のコントラストがついた大作に仕上がっています。 |
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ビウェア・オブ・ダークネス (1996年) Beware of Darkness 大阪出身のキーボード職人、奥本亮を新メンバーとして迎えた作品。 ジョージ・ハリソンの曲のプログレアレンジから始まります。イエスのSiberian Khatruを連想させるドラム&ベースに思わずニヤリとさせられます。 不思議なコーラスワークの曲、ハードパートとアコギのコントラストが心地よい曲、アコギソロ曲など、バラエティーに富んでいます。 アコースティックなサウンドが耳に馴染みます。前作に比べると衝撃度合いは少ないです。 |
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カインドネス・オブ・ストレンジャーズ (1998年) The Kindness of Strangers ギターのハードさが前に出て、パワフルさを感じます。 1曲目ではチェロなどのストリングセクションを入れて、これまでと一味違う味付けをしています。 ラストには10分超え曲を2連発。1発目は後半のスピードアップと盛り上がりにノックアウトされます。次の2発目は、ピアノ弾き語り調でしんみりと始まって前曲でのヒートアップを癒した後、どんどんと音数が増えてシンフォニックに展開するドラマッチクな組曲。 |
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デイ・フォー・ナイト (1999年) Day for Night 短めな明るいプログレ・ポップ調の7曲に、6部構成の組曲が収録されています。プログレッシブ・ビートルズと言った感じです。 親しみやすいメロディーで、肩肘張らずに聴くことができます。プログレ度合いが少ないので、物足りなさを感じるかも。 |
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Don't Try This at Home 1999年9月28日のオランダ、ティルブルフ公演を収録した1枚、Vのレコーディング風景を収めた1枚、さらにお宝音源CD1枚の豪華3点セット。 ライブ盤は、まさにプログレ名曲集とも言える「おいしい曲」が目白押しです。和気藹々と演奏を楽しみながら、3人アコギ合戦、全員パーカッション、全員ハーモニー、亮さんの会場を動きまくるキーボードソロなど見どころ満載で飽きさせません。 彼らを始めて体験する人にもお勧めできる一作。 |
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20分超大作の2曲はいずれも曲調が明るく、目まぐるしく変化する激しい曲の展開もあって、とても楽しめます。老舗バンドのサウンドに似た箇所もあり、思わずニヤリとしてしまいます。 これらに挟まれて、ハード系あり、超ポップありといろいろな曲調の曲が収録されており、全然聞き飽きることがありません。 |
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スノー (2002年) 色素欠損症で肌白のためにスノーと呼ばれた17歳の少年が田舎からニューヨークに出てきてから体験することを綴った小説的アルバム。 小説的アルバムの代表作、ピンク・フロイドのザ・ウォールやジェネシスのブロードウェイに匹敵する傑作と言ってもいいです。 一般的に小説的アルバムは、暗い感じのものが多いのですが、この作品は明るい曲調のものが多く、非常に聴きやすいです。 |
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Feel Euphoria (2003年) 2002年にキリスト教徒となったニールが、音楽を通じた求道のためにはバンド活動はできないと判断して突如脱退。 ニックをリードボーカルにして、4人編成で再出発した作品。 新生SBとして前作までとの違いを出そうと考えたのか、ポップ好きなニールがいなくなったためかポップさが消え、ゴリゴリとしたハードな曲が収録されています。 |
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Octane (2005年) ジェネシスのWatcher of the Skyを彷彿とさせるメロトロン・サウンドでオープニング。 スリリング曲、アコギ曲、ハード曲、バラード曲がバランスよく、絶妙な曲順で流れていきます。 親しみやすいメロディーラインで耳馴染みがよいです。 |
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スポックス・ビアード (2006年) Spock's Beard 17分間の大組曲を含む、入魂作品。 |
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Live 2007年5月25日のオランダ、ズーテルメール公演を収録。 ドラムはジミー・キーガンが担当。彼のパワフルな叩きを始め、演奏は文句なしの迫力です。 ニール時代の曲では、ニックとニールの声質や歌いまわしが異なっていて違和感があり、あまり惹かれません。 |
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X (2010年) 15分超の組曲2つを擁した作品。 甘さを廃した辛口のサウンドが多いです。ヘビーなサウンドが好きな方はビンビンくるでしょうが、私としてはもうちょっと親しみやすいメロディーが欲しい気がしました。 ラストの組曲はオーケストラ的サウンドを取り入れた大シンフォニックが展開します。 |
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Live at High Voltage Festival 2011 2011年7月24日のハイボルテージフェスティバルでの演奏を収録。 シルク・ド・ソレイユでの活動のために参加不可能となったニックの代役として、テッド・レオナルドをリードボーカルに起用しました。 1曲目は、ビビっている感じが伝わってきますが、次第に自信がみなぎる声が出てきます。The LightとJuneではこのフェスティバルに出演していたニールがゲスト参加。 11月になり、ニックがシルク・ド・ソレイユでの活動との両立はできないとのことで、バンドからの脱退を表明。その2日後にテッドと、ライブ時のサポートメンバーだったジミー・キーガンが正式メンバーになることが発表されました。 |
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ブリーフ・ノクターンズ・アンド・ドリームレス・スリープ (2013年) Brief Nocturnes & Dreamless Sleep テッドとジミーを正式メンバーに迎えて心機一転の気合十分の演奏が収録されています。 テッドの声は、しっとり感がある甘い声で、ドライな感じがあるニックよりも耳に残って好感が持てます。 憂いを帯びた、広がりのあるシンフォニックサウンドが展開されています。クライマックスのSomething Very Strangeの複雑な展開とキーボードの入れ方のかっこいいことと言ったら! この新作をひっさけげて2014年5月に初来日公演を果たしました。その様子はこちら |
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Live at Sea 2014年2月にあったThe Progressive Nation at Sea(豪華客船でカリブ海クルーズしながらプログレのライブを聴きまくるイベント)での演奏を収録。 「ブリーフ」からの3曲と往年の名曲を3曲を演奏しています。JuneとThe Lightではニールが特別ゲストで参加し、大盛り上がりです。 CDのリリースはなく、彼らのサイトからのダウンロード販売のみ。 |
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Oblivion Particle (2015年) 明るくスピード感のある曲からスタート。歌メロが耳なじみがよいので最初「プログレ度は今一つ?」と印象を持ちましたが、繰り返し聴いているうちにドラムの刻みが変化球だらけということに気付き、プログレ度がアップしました。 亮さんが奏でるハモンドオルガン&メロトロン風のサウンドが心地よく、随所で登場するコーラスワークも見事。 後半の2曲の複雑な展開にはほれぼれします。 適度なハードさ、ポップさ、シンフォニックさのバランスでとても聴きやすい作品です。 |
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Snow Live 2016年の「モース祭」で、現メンバー+ニール+ニックで演奏された「スノー」完全再現を収録。オリジナルアルバム発売時には、直後のニール脱退でフル演奏ライヴがなされなっただけに、14年越しの奇跡的なコンサートです。 ニールが曲によってキーボードを弾いたり、ギターやアコギを弾いたりと活躍する姿に微笑ましさを感じます。また、ニックはドラムを叩くだけでなく、自分がリード・ボーカルの時は前に出てきて心地よさそうに歌っています。亮さんのノリノリの動きも楽しいです。 ボーカルできるメンバーが5人いて、緻密なコーラスワークも素敵。 曲よし、演奏よし、パフォーマンスよしと、とても楽しめて充実した作品です。 |
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ノイズ・フロア〜音華郷 (2018年) Noise Floor 2016年10月にジミーが新しいキャリアを目指すために脱退。後任のオーディションを重ねるものの目ぼしいドラマーが出てこないことから、ニックがゲスト参加ながら復活して叩いています。 新しいファンを獲得することを目指したそうで、前半はプログレさは控えめにしたメロディアスな曲が収録されています。中盤のSo This Is Lifeは、ベイ・シティ・ローラーズのアルバムに入っていそうなソフトなバラードです。 後半は一転してプログレ祭。One So Wiseは「これぞSB的プログレ」と言える複雑な展開。続くカッコよいインスト曲から切れ目なくBeginningsに雪崩込み、ドラマチックに終了。 ノイズ・フロアと同じセッションでレコーディングされた4曲を収録したボーナスCD「カッティング・ルーム・フロア」とのセットです。 |
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