(SACD)
(CD+DVD)
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サンヒローのオリアス(1976年)
Olias of Sunhillow
「リレイヤー」発売後に「さあ、みんなでソロアルバムだそうぜ!」企画で作られた作品。
穏やかなファンタジー色満点の世界が広がっています。エスニック風な雰囲気も取り入れています。イエスに見られるようなスリリングな展開を期待していると裏切られます。ほんわかとのんびりとした気分になりたい時にはどうぞ、という感じ。
クレジット上では全ての楽器をジョンが演奏していることになっていますが、「キーボードは彼の親友のヴァンゲリスが弾いているはずだ」という都市伝説があります(ジョン、ヴァンゲリスともに否定している)。
SACDはCD音源も収録しているハイブリッド仕様。でも、CDと比べてもそんなに音質が向上しているわけでないです。
CD+DVDセットのDVDにはハイレゾステレオ音源と5.1chサラウンド(マルチトラックテープが発見できず、ステレオ音源を加工して作った疑似的なもの)を収録。
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七つの詩(1980年)
Song of seven
「トーマト」発売後に一時期イエスを脱退していた時に作った作品。
温泉に入っているオバサン、大仏、UFOがカバーアートに描かれているのを見て、不思議な世界を感じる曲が収録されているのかと思ったら一曲目のピコピコしたテクノ風のドラムに拍子抜けします。
「ボクぁは、幸せだぁ〜」と言った感じの脱プログレの爽快なポップ曲が続きます。ラストの11分曲Song of sevenはファンタジー風のシンフォニックサウンドでようやく溜飲が下がります。
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アニメーション(1982年)
Animation
「ロンリーハート」でイエスに復帰する一年前に発売された作品。
一曲目から元気いっぱいで、聴いていてテンションがあがります。短い曲ばかりですが、プログレ的要素が随所に織り込まれています。
後に発売されるABHWの「閃光」やイエスの「ラダー」に収録されていそうなメロディーがあり、プログレ・ポップとして楽しめます。
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ライヴ・イン・ニュージャージー1982
New Jersey 1982
1982年8月6日のアズベリー・パーク公演を収録。
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スリー・シップス(1985年)
3 ships
「ロンリーハート」と「ビッグ・ジェネレーター」の間に発売された作品。
オーケストラと合唱団を従えてジョンがクリスマス・ソングとオリジナル曲を楽しそうに歌っています。
クリスマスらしいキラキラとした曲が収録されています。いい仕上がりになっていて12月じゃなくても楽しめます。
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イン・ザ・シティ・オブ・エンジェルス(1988年)
In the city of angels
ロサンゼルスで録音した西海岸的に明るい曲を収録。一曲目からTOTO風AOLかボズ・スキャッグス風AOLかという感じです。
この年、イエスのポップ路線に嫌気がさしてイエスを脱退したはずなのにこの陽気さは何でしょう? この翌年、ABHWで超プログレ作「閃光」をリリースしたなんて信じられないくらいです。それほどジョンの懐が深いということなのか、気ままにやりたい放題やっていると言うか・・・
レコーディングにはTOTOのメンバーも参加しています。ジョンとデヴィッド・ペイチ共作のTop of the Worldはプログレ風に展開するスリリングな曲です。
ポップアルバムだと割り切って聴けば、とても楽しめる作品です。
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デセオ(1994年)
Deseo
「トーク」発売後、イエスがいったん解散状態になった状態の間に作った作品。
中南米のシンガーを迎えたラテン風の曲を収録しています。プログレさは皆無。ここまで突き抜けたら、もはや好き嫌いというレベルを超越しています。
「ジョンなら何でも許せる」という仙人の域に達した方か、ラテン・ミュージックが好きな方はどうぞ。
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チェンジ・ウィー・マスト(1994年)
Change we must
フル・オーケストラをバックにジョンが歌い上げる作品。新曲に加え過去の作品のオーケストラアレンジバージョンも収録。
オペラ歌手とデュエットした美しさの極み的な曲、アフリカっぽいコーラスが入った曲、少年少女合唱団をバッキングコーラスに入れた荘厳な曲などバラエティーに富んでいます。現代音楽家が作曲した怪しさたっぷりのShaker Loopはスリリングな曲で惹きこまれます。
ロック色は皆無。ヒーリングミュージックとしては最適。
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天使の抱擁(1995年)
Angels embrace
ほわーんとした広がりと透明感のあるキーボードが鳴るだけのヒーリングミュージック。ボーカルも入っていますが雰囲気優先で特に心に響くメロディーなし。
聴いていて退屈です。心がとことん疲れた時の癒しにはよいかも。
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トルテック(1996年)
Toltec
かつてメキシコ高地で文明を築いたトルテカ族を題材にしたコンセプトアルバム。
キーボードの入れ方、管楽器、打楽器の入れ方がいかにも「メキシコっ!」、「インカっ!」的で異次元世界に誘ってくれます。切れ目なく曲がつながり、途中で部族の酋長っぽい人のナレーターが入り雰囲気を高めています。
ドラマチックな構成になっていて聴き終えた時に達成感があります。 |
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誓いの指輪(1997年)
The promise ring
以前からケルト文化についての曲を書きたいと思っていたジョンが、カリフォルニア州にあるパブを拠点にしているケルト音楽楽団と一緒にライヴ録音。
パブに来ている客の前で、軽快なアコギやフィドルなどでの演奏をバックにニコニコしながら楽しそうに歌っている姿が目に浮かびます。同じような曲が延々と続きますが、心地よく聴けるので飽きはきません。
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聖なる地球の詩(1997年)
Earth mother earth
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モア・ユー・ノウ(1998年)
The more you know
音数が少なく、打ち込み(風?)のリズムをバックに「ジョンが単に歌っているだけ」のアルバム。面白み皆無。
数曲でアフリカ的リズムが入りますが、物足りないです。
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ザ・リヴィング・トゥリー+イン・コンサート(2010年)
The living tree
リック・ウェイクマンとの共作。リックのキーボードだけをバックにジョンが歌っています。
一曲一曲はいい曲だと思いますが、アレンジが単調でメリハリがなく、聴いていくうちに「同じような曲ばっかり・・・」と飽きてきます。
ライヴ音源を収録したCDではシンプルにアレンジされたイエスの曲が間に挟むので、それほどの退屈感はないです。
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Survival & other stories(2011年)
インターネットで公募したデモテープをもとに作られた作品。
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インヴェンション・オヴ・ナレッジ(2016年)
Invention of Knowledge
フラワー・キングス創始者のロイネ・ストルトとコラボしてレコーディングしたアルバム。
2014年に開催されたプログレイベントProgressive Nation at Seaで、ロイネが在籍するトランスアトランティックがジョンのバッキングとして共演しイエス曲を演奏したことがきっかけとなり、二人の共作を前々から考えていたレコード会社役員が働きかけてコラボが実現しました。
新旧のシンフォニック・プログレを背負って立つ2名だけに、期待とおりのドラマチックなプログレ世界が展開されています。
1曲1曲は濃厚なものの、同じような調子が続くために、途中でおなか一杯になり「もういいや」と聴くのをやめることもしばしば。
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1000ハンズ(2019年)
1000 Hands: Chapter One
1990年頃に、キーボーディストのブライアン・チャットンとレコーディングしていたが未完のまま放置されたアルバムUzlotをベースにしたもの。このレコーディングにはアランやクリスも協力していました。
2016年になってプロデューサーのマイケル・フランクリンの働きかけによって、仕上げを再開。それにあたり、スティーヴやジェスロ・タルのイアン・アンダーソン、チック・コリアなどなどの豪華ゲストに演奏をしてもらいました。
移り気な彼の象徴的な出来上がりで、いろんなタイプの曲が収録されています。たまにプログレ風な曲もあります。聴いていて楽しめます。
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トゥルー(2024年)
True
2023年からイエス懐メロツアーを実施したバンドThe Band Geeksと一緒にレコーディング。
約6分の曲ながら、目まぐるしく展開する極上プログレ曲で幕開けし、コーラスワークが活きていて90125的な勢いがあるアップテンポ曲に行き、ほのぼのさ、幻想的世界を織り交ぜた10分のプログレ絵巻に展開する流れで惹きこまれます。
グイグイくる曲のみならず、アコギ弾き語り風、ピアノ弾き語り風と多彩さあり。クライマックスとなる16分曲ではAwaken的な展開がナイス。
詳しい話は私のブログをご覧ください。
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