Chris Squire


(2CD+2DVD+LP)


(Blu-ray audio)

Fish out of water

「リレイヤー」発売後に「さあ、みんなでソロアルバムだそうぜ!」企画で作られた作品。

「誰もワシを止めることはできんぞ」とばかりにクリスが弾きまくるズビビン・ベースを満喫できる作品。とにかくベースの音がでかいです。クリスが特徴のある声で歌いまくっています。

ドラムはビル・ブラッフォードが担当。小気味よいリズムが耳になじみます。オーケストラも導入し、広がりのあるプログレ世界が展開されています。

2018年にリマスターCD、2CD+2DVD+LPなどを封入したボックスセットが発売。詳しくはこちら

2020年にハイレゾのステレオとサラウンドを収録したBlu-rayオーディオが発売。


Jon Anderson


(SACD)


(CD+DVD)

Olias of Sunhillow

「リレイヤー」発売後に「さあ、みんなでソロアルバムだそうぜ!」企画で作られた作品。

穏やかなファンタジー色満点の世界が広がっています。エスニック風な雰囲気も取り入れています。イエスに見られるようなスリリングな展開を期待していると裏切られます。ほんわかとのんびりとした気分になりたい時にはどうぞ、という感じ。

クレジット上では全ての楽器をジョンが演奏していることになっていますが、「キーボードは彼の親友のヴァンゲリスが弾いているはずだ」という都市伝説があります(ジョン、ヴァンゲリスともに否定している)。

SACDはCD音源も収録しているハイブリッド仕様なので、今後SACDプレーヤーを買う予定がある方はこれを選ぶとよいでしょう。でも、CDと比べてもそんなに音質が向上しているわけでないです。

CD+DVDセットのDVDにはハイレゾステレオ音源と5.1chサラウンド(ステレオ音源を加工して作った「なんちゃってサラウンド」)を収録。

Song of seven

「トーマト」発売後に一時期イエスを脱退していた時に作った作品。

温泉に入っているオバサン、大仏、UFOがカバーアートに描かれているのを見て、不思議な世界を感じる曲が収録されているのかと思ったら一曲目のピコピコしたテクノ風のドラムに拍子抜けします。

「ボクぁは、幸せだぁ〜」と言った感じの脱プログレの爽快なポップ曲が続きます。ラストの11分曲Song of sevenはファンタジー風のシンフォニックサウンドでようやく溜飲が下がります。

Animation

「ロンリーハート」でイエスに復帰する一年前に発売された作品。

一曲目から元気いっぱいで、聴いていてテンションがあがります。短い曲ばかりですが、プログレ的要素が随所に織り込まれています。

後に発売されるABHWの「閃光」やイエスの「ラダー」に収録されていそうなメロディーがあり、プログレ・ポップとして楽しめます。

New Jersey 1982

1982年8月6日のアズベリー・パーク公演を収録。

3 ships

「ロンリーハート」と「ビッグ・ジェネレーター」の間に発売された作品。

オーケストラと合唱団を従えてジョンがクリスマス・ソングとオリジナル曲を楽しそうに歌っています。

クリスマスらしいキラキラとした曲が収録されています。12月に聴く分には雰囲気があっていいですが、年間をとおして聴くアルバムではないです。

In the city of angels

ロサンゼルスで録音した西海岸的に明るい曲を収録。一曲目からTOTO風AOLかボズ・スキャッグス風AOLかという感じです。

この年、イエスのポップ路線に嫌気がさしてイエスを脱退したはずなのにこの陽気さは何でしょう? この翌年、ABHWで超プログレ作「閃光」をリリースしたなんて信じられないくらいです。それほどジョンの懐が深いということなのか、気ままにやりたい放題やっていると言うか・・・

レコーディングにはTOTOのメンバーも参加しています。ジョンとデヴィッド・ペイチ共作のTop of the Worldはプログレ風に展開するスリリングな曲です。

ポップアルバムだと割り切って聴けば、とても楽しめる作品です。

Deseo

「トーク」発売後、イエスがいったん解散状態になった状態の間に作った作品。

中南米のシンガーを迎えたラテン風の曲を収録しています。プログレさは皆無。ここまで突き抜けたら、もはや好き嫌いというレベルを超越しています。

「ジョンなら何でも許せる」という仙人の域に達した方か、ラテン・ミュージックが好きな方はどうぞ。

Change we must

フル・オーケストラをバックにジョンが歌い上げる作品。新曲に加え過去の作品のオーケストラアレンジバージョンも収録。

オペラ歌手とデュエットした美しさの極み的な曲、アフリカっぽいコーラスが入った曲、少年少女合唱団をバッキングコーラスに入れた荘厳な曲などバラエティーに富んでいます。現代音楽家が作曲した怪しさたっぷりのShaker Loopはスリリングな曲で惹きこまれます。

ロック色は皆無。ヒーリングミュージックとしては最適。

Angels embrace

Toltec

かつてメキシコ高地で文明を築いたトルテカ族を題材にしたコンセプトアルバム。

キーボードの入れ方、管楽器、打楽器の入れ方がいかにも「メキシコっ!」、「インカっ!」的で異次元世界に誘ってくれます。切れ目なく曲がつながり、途中で部族の酋長っぽい人のナレーターが入り雰囲気を高めています。

ドラマチックな構成になっていて聴き終えた時に達成感があります。

The promise ring

Earth mother earth

The more you know

音数が少なく、打ち込み(風?)のリズムをバックに「ジョンが単に歌っているだけ」という印象のアルバム。

数曲でアフリカ的リズムが入りますが、物足りないです。

The living tree

リック・ウェイクマンとの共作。リックのキーボードだけをバックにジョンが歌っています。

一曲一曲はいい曲だと思いますが、アレンジが単調でメリハリがなく、聴いていくうちに「何か同じような曲ばっかり・・・」と飽きてきます。

ライヴ音源を収録したCDではシンプルにアレンジされたイエスの曲が間に挟むので、それほどの退屈感はないです。

インターネットで公募したデモテープをもとに作られた作品。

Invention of Knowledge

フラワー・キングス創始者のロイネ・ストルトとコラボしてレコーディングしたアルバム。

2014年に開催されたプログレイベントProgressive Nation at Seaで、ロイネが在籍するトランスアトランティックがジョンのバッキングとして共演しイエス曲を演奏したことがきっかけとなり、二人の共作を前々から考えていたレコード会社役員が働きかけてコラボが実現しました。

新旧のシンフォニック・プログレを背負って立つ2名だけに、期待とおりのドラマチックなプログレ世界が展開されています。

1曲1曲は濃厚なものの、同じような調子が続くために、私は途中でおなか一杯になり「もういいや」と途中で聴くのをやめることもしばしば。

1000 Hands: Chapter One

1990年頃に、キーボーディストのブライアン・チャットンとレコーディングしていたが未完のまま放置されたアルバムUzlotをベースにしたもの。このレコーディングにはアランやクリスも協力していました。

2016年になってプロデューサーのマイケル・フランクリンの働きかけによって、仕上げを再開。それにあたり、スティーヴやジェスロ・タルのイアン・アンダーソン、チック・コリアなどなどの豪華ゲストに演奏をしてもらいました。

移り気な彼の象徴的な出来上がりで、いろんなタイプの曲が収録されています。たまにプログレ風な曲もあります。聴いていて楽しめます。


Steve Howe

Beginnings

「リレイヤー」発売後に「さあ、みんなでソロアルバムだそうぜ!」企画で作られた作品。

イエス的なプログレ色は皆無。フツーのロックアルバムです。インスト曲はよいですが、彼がボーカルをとる曲は聴くに堪えません。完聴する前に聴くのを断念しました。

スティーヴの信者向け。

Steve Hoew album

14種類のギターを駆使ししてレコーディングされた作品。プログレに捕らわれずにいろいろなタイプの曲を演奏しています。どっちかというとアコースティックな音の方が多いです。プログレ的な感じは薄く、疲れた時の癒しとして向いているでしょう。

彼が歌ったのは1曲、それもごく一部なので、前作よりとっても聴きやすいです。

Turbulence

ABHWのセカンドアルバムのレコーディング直前 or レコーディング中に作成したもの。10曲中7曲でビル・ブルフォードがドラムを叩いています。

全曲インストで、スティーヴはエレキ、アコギ、マンドリン、琴など多彩な楽器を演奏。プログレ感は薄いものの、バラエティに富んだサウンドで聴いていて飽きが来ないです。

イエスの「ユニオン」に収録された曲で使用されたフレーズも登場します。

The Grand Scheme of Things

オープニングはやたらゆっくりとしたボーカル曲。声にハリやキレがなく、もやっとした感じがして「ダメなアルバムか…」と思ってしまいます。

しかし、2曲目はキレと爽快感があるギタープレイが聴けて、一安心。ゲストミュージシャンが弾く爽快なバイオリンとの絡みがナイス。

その後、ボーカル曲では「もうちょいガンバレ」と思いながら、インスト曲ではアイディアと完成度に納得することを繰り返し、ラストは琴っぽい音をバックにした和風な曲で終了。

ドラムは長男ディランが叩き、キーボードは次男ヴァージルが担当。二人はその後のアルバムでも演奏しています。

Homebrew

ソロや過去に在籍したバンドでの曲のデモを集めたもの。以下、ホームブリュー・シリーズは同じ趣向で制作。

Quantum Guitar

34本のギターを駆使して、ディランと二人だけで作ったインストアルバム。

スカッと爽やかなクリーンなエレキギターのサウンドが主体になっていて、とても聴きやすいです。爽快な気分になれ、プログレさがないことは全く気になりません。

Portraits of Bob Dylan

長年のボブ・ディランのファンだったスティーヴが、一念発起して作ったカバー曲集。

私は長年のボブを聴いたことがありませんが、いい曲ばかりなので厳選したっぽい。

ジョン・アンダーソン、アニー・ハズラム(ルネッサンス)、マックス・ベーコン(GTR)、PPアーノルドという一流のボーカリストが歌うなか、ときおりスティーヴが歌う曲が入るとガッカリします。無理に歌わなくてもよかったのに…

Homebrew 2

Natural Timbre (2001年)

アコギ、マンドリン、琴などアコースティック楽器のみで演奏した、インストアルバム。

すごく心地よく、豊かな気持ちになりながら聴けます。

ラストには、イエスのYour Move、Disillusion、To Be Overを演奏。馴染みのある曲で終わることに、ほっとした気持ちになります。

Skyline (2002年)

Elements

Spectrum (2005年)

ベースにトニー・レヴィン(キング・クリムゾン消滅中)、キーボードにオリヴァー・ウェイクマンを迎えてレコーディング。

Homebrew 3 (2005年)

Motif Volume 1 (2008年)

過去にリリースしたソロ曲やイエス曲などをアコギアレンジで演奏したインスト・アルバム。

安らぎの心地よい時間に浸れます。

Homebrew 4 (2010年)

Time

テレビや映画用の音楽の作曲で活躍していたポール・K・ジョイスと出会い、コラボしたアルバム。

これまで彼が作ってきたロック作品やアコースティック作品とは全く異なる世界が展開され、ポール主体のキーボードやオーケストラサウンドにスティーヴのギターがからみ、クラシカルな雰囲気がたっぷりの広がりのある演奏が収録されています。

スティーヴのソロアルバムと言うより、彼がポールが対等の立場で作り上げた作品。聴いていて、とても心地よいです。

Homebrew 5 (2013年)

Homebrew 6 (2016年)

Love Is (2020年)

インストのオープニング曲は、爽やかにあふれています。2曲目はイエスのジョン・デイヴィソンがハイトーンでハモっています。

その後、インスト曲とボーカル曲が交互に登場していきます。スティーヴの声がいい具合に枯れていて、思ったより耳に馴染みます。

ボーカル曲ではジョンが結構歌っています。私はコンサートでイエス曲を歌う彼の声には違和感を抱いていたのですが、このアルバムで聴く声はよく感じました。

プログレさは全くないものの、爽やかな世界観に癒しを感じて心地よいです。

詳しくは私のブログをご覧ください。

Motif Volume 2 (2023年)

過去にリリースしたソロ曲やイエス曲などをアコギアレンジで演奏したインスト・アルバム。


Alan White

Ramshackled

「リレイヤー」発売後に「さあ、みんなでソロアルバムだそうぜ!」企画で作られた作品。

1969年頃に組んでいたバンドのメンバーと一緒にレコーディングしたものです。アランが作曲した曲はなく、全て旧友が書いています。

ジャズっぽさのある軽快なロックが収録されています。肩ひじからずに聴けて、気分転換にはよいかも。

一曲だけ、ジョンとスティーヴが参加しています。



Trevor Rabin

Trevor Rabin

1972年、南アフリカでハードロック・バンド、ラビットに加入。ラビットの活動の傍らでレコーディング。

ドラム以外の楽器をすべてトレヴァーが演奏しています(他のアルバムも同様)。

当時、南アフリカの人権問題に対する欧米各国の規制により海外ツアーができないことに業を煮やし、1978年1月にロンドンに移住。

Face to Face

Wolf

ドラムはサイモン・フィリップス。ベースとしてジャック・ブルースが参加した曲もあり。

1981年にロサンゼルスに移住。アメリカのレコード会社にデモテープを送りまくった結果、アトランティックレコードの耳に留まり、イエスのクリス・スクワイアとアラン・ホワイトに紹介されたことで新グループ、シネマを結成。のちに新生イエスとして活動開始。

Can't Look Away

1988年にイエスのビッグ・ジェネレーター・ツアーが終了後、ジョン・アンダーソンが突如イエスを脱退しABWHを結成。時間ができたので新ソロアルバムを制作。

ビッグヒットを飛ばした自信に満ちた熱唱が聴けます。90125イエスで見られたようなトリッキーなプレイは少なく、フツーのロックな曲がほとんど。

Live in LA

1989年12月13日のロサンゼルス公演を収録。

のちにLift Me Upのイントロとして使われるフレーズからスタートし、「キャント」収録曲に突入します。

「キャント」の曲を主体にして、イエスの曲も3つやっています。Lonelyでは、観客が大盛り上がりで大合唱し、トレヴァーはほとんど歌っていません。

90124

「ロンリーハート」〜「トーク」に収録された、トレヴァーによるデモ曲を収録。デモと言っても結構作り込まれていて、イエス版との違いが面白いです。

1995年、イエスのトーク・ツアー終了後に脱退。以降、映画音楽に取り掛かりました。


(10CD)

Changes

前述のスタジオアルバム、1989年12月5日のボストン公演を収録した2CD、未発表サントラ盤などをセットにしたもの。

Jacaranda (2012年)

映画音楽では制約が多いし、テクニカルで冒険的なギターフレーズを弾く機会がないことにうっぷんが溜まり、ギターメインのインストアルバムを作ることを決意。映画音楽に取り組む傍らで2007年からボチボチとレコーディングを開始し5年がかりで完成しました。

「自分が生まれ育った土地に回帰する旅」をテーマにして演奏したそうです。クリーンなギターを主体に、時おりピアノがからむ爽やかなフュージョン系のサウンドに仕上がっています。


(CD+Blu-ray)

Rio

1996年頃からボーカルアルバムを作ろうと思いつつも多忙で手が付けられなかったが、妻から「はよ作らんかい」とはっぱかけられて本腰で制作。

ジャンルが違う音楽が並びながらも一貫したスタイルを持つアルバムにすることを目指したことで、バラエティーに富んだ曲が収録されています。90125イエスを彷彿とさせるフレーズがいくつもあり、「そうそう、これがトレヴァーのサウンドよ」と思うことしばしば。

イエス時代よりも高い声で歌っていて違和感がありますが、聴いていくと慣れてきます。



Patrick Moraz

Story of I

「リレイヤー」発売後に「さあ、みんなでソロアルバムだそうぜ!」企画で作られた作品。

ラテンなリズムをバックに、「リレイヤー」で聴けたジャズロック風の演奏が展開されています。

ボーカルが最悪。疲れ果てたジョン・アンダーソン的な感じで、声質に魅力が全くなく、聴いていてイライラします。そのためにパトリックの演奏もイマイチに感じてきて、毎回途中でイヤになって再生を止めてしまいます。

イエス脱退以降のアルバムには関心がないので省略します。