かつてのソ連のような強大なロシアを築くことを目論むロシア大統領ヴォローディンは、対外情報庁長官を暗殺して対外情報庁と保安庁を統合し、その長官に腹心のタラノフを据える。事実上のKGBの復活となることを危惧したアメリカのライアン大統領はタラノフの情報収集を指示する。30年前に彼が関与したヨーロッパでの連続殺人事件の容疑者<天頂>がタラノフだという可能性があると知った彼は、ライアン・ジュニアに元イギリス情報部長官チャールストンから情報を入手するように依頼する。チャールストンから当時ヨーロッパで活動していたスパイ<地底>のことを聞きだしたライアン・ジュニアは、<地底>ことオックスリーを探し当て、彼から<天頂>に関する情報を聞き出す。

一方、ロシア・マフィアの幹部の<傷跡のグレーブ>が縄張り外のウクライナ首都キエフにロシア特殊任務部隊と一緒に滞在しているという情報を知ったクラークは、ザ・キャンバスのメンバーを率いてキエフに乗り込む。そこでCIAキエフ局長と出会った彼らはセヴァストポリにあるCIA通信施設での新ロシア派との戦闘に巻き込まれる。その直後、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始し、ウクライナでのロシア軍とNATO軍の戦闘が勃発する。

オックスリーから得た情報により、自分が勤務する会社の社長キャスターが全容を知っている可能性を知ったライアン・ジュニアはキャスターの潜伏先のスイスに向かう。そこで彼はキャスターから1990年初頭のソ連崩壊時に一部のKGB将校らが起こした陰謀、ヴォローディンやタラノフの正体を聞かされる。

ライアン・ジュニアから情報を聞いたライアン大統領は、戦争を解決させるためにボローディン大統領と電話会談を行う。


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●ロシア近辺

A: ポルヴァ
エストニアに侵攻したロシア軍が撃退される。


●ウクライナ

A: キエフ ウクライナの首都。

B: ゼヴァストポリ CIAの通信施設<灯台>がある。

C: ドネツク ヴァンに乗せた爆弾がデモ中に爆発する。

D: チェルカースィ 統合作戦センターが設置される。

E: スベルドロフスク、F: クラスノドン、G: マリウポリ ロシア軍に占領される。

H: ドニプロペトローウシク ここを砲撃できるところまでロシア軍が侵攻する。


●<天頂><地底>の足取り

A: ツーク
この近郊で銀行家殺害事件が起こる。

B: ベルリン
ライアンらがRAFのアジトを探る。

C: プラハ(チェコ)、D: ブダペスト(ハンガリー)
<天頂>が暗殺事件を行う。

E: スィクティフカル
ここの収容所でオックスリーが<天頂>がタラノフだと知る。

F: サンクトペテルブルグ
キャスターがタラノフに接触する。





T-90
エストニアに侵攻する
BTR-80
エストニアに侵攻する
OH-58Dカイオワ・ウォリアー
ターゲットにレーザー照射する
AH-64Dアパッチ・ロングボウ
エストニアに侵攻したロシア軍を攻撃する
Mi-8
セヴァストポリでシャベスらの救出に向かう
F16ファイティング・ファルコン
セヴァストポリでのシャベスらの救出援護に向かう
V-22オスプレイ
セヴァストポリでシャベスらの救出に向かう
T-64
ウクライナに侵攻してきたロシア軍を迎撃する
BM-21グラート122ミリ自走多連装ロケット砲
ウクライナ軍とロシア軍が打ち合う
2SムスタS自走榴弾砲
ウクライナ軍が保有するが使い惜しみしてロシア軍に破壊される
An-70
ウクライナにロシア兵を輸送する
Su-27
ウクライナ軍がロシア軍の輸送機を攻撃する
Ka-52
ロシア軍がウクライナ軍と交戦する
Mi-24
ウクライナ軍がロシア軍と交戦する
MQ-9リーパー
ウクライナに侵攻したロシア軍の状況を偵察する
CH-47チヌーク
アメリカのレンジャー部隊をウクライナに運ぶ
MH-6リトルバード
ネステロフ拘束に向かう

フェアモント・グランド・ホテル(キエフ)
傷跡のグレーブが滞在する
ジェルジンスキーの像


「数カ月前、まだ<ザ・キャンパス>で働いていたとき、ジャックは中国の情報機関に自分の身元とほんとうの仕事をあるていど知られてしまった」(1巻:67ページ)

この経緯は、「米中開戦」に描かれています。

「イギリスの皇太子一家をIRAの武装テロリストたちから救ったり、旧ソ連の潜水艦を奪い取ったりしていたんだぞ」(1巻:77ページ)

皇太子の一件は、「愛国者のゲーム」に描かれています。旧ソ連の潜水艦とはレッド・オクトーバー号のことで、艦長のラミレスがアメリカに亡命しようとした際にライアン・シニアがレッド・オクトーバー号に乗り込みアメリカまでの道案内をしました。(レッド・オクトーバーを追え

「この人にいちど銃を突きつけられたことがあるんでしょう?」(1巻:98ページ)

ライアン・シニアは、KGB長官ゲラシモフと国防相補佐官フィリトフをアメリカに亡命させるため、モスクワの空港で彼らをアメリカの飛行機に乗り込ませましたが、運悪く足をくじいたため、自分は飛行機に乗れませんでした。そこを亡命を阻止しようと追ってきたゴロフコにつかまり、彼に銃口をつきつけられました。(クレムリンの枢機卿

「ヒルトンはテロリストたちに誘拐されそうになったケイティの命を救おうとして殉職したシークレット・サーヴィス警護官だ」(1巻:157ページ)

サウジアラビアの軍事侵攻をたくらんだイスラム教指導者ダリアイが、アメリカ国内を混乱させようと部下をアメリカに送り込みケイティを拉致しようとしました。その際の戦闘でヒルトンが殉職しました。(合衆国崩壊

「わたしもロシアをNATOに加盟させるのに一役買い、中国と戦争になった彼らを支援した」(1巻:176ページ)

シベリアで新たに発見された油脈と金鉱山を手中に収めることで経済危機を回避することができると考えた中国政府は、ロシアに軍事侵攻しました。その際、ライアン大統領はロシアを支援し、中国の人民解放軍と戦いました。(大戦勃発

「数年前、中国政府がわたしを殺そうとした」(1巻:255ページ)

ロシアの弱体化を狙った中国は、当時SVR長官だったゴロフコを暗殺しようと、モスクワで彼が乗った車をロケット砲で狙いました。(大戦勃発

「ローマのヴァチカンでヨハネ・パウロ二世暗殺未遂の首謀者を拘束・・・」(3巻:35ページ)

ポーランド出身のローマ教皇が反政府運動を支援するために教皇を辞職してポーランドに戻ることを考えていると知ったソ連は、教皇を暗殺しようと考えました。そのことをアメリカに亡命したKGBスパイから聞き出したライアン・シニアは暗殺を阻止するためにローマに行きました。(教皇暗殺







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