チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ (1993年) Tuesday Night Music Club 80年代にマイケル・ジャクソンのツアーでのバッキング・コーラス、スティーヴィー・ワンダーやドン・ヘンリーなどのアルバムでのバッキング・コーラスで活躍。 1992年9月にヒュー・パジャムがプロデュースしたデビューアルバムを発売する予定でしたが、本人、レコード会社ともに出来に満足できずにお蔵入りが決定。心機一転、当時の彼氏が所属していたバンド「チューズデイ・ミュージック・クラブ」に参加し、メンバーと共同で曲作りをしました。 低めの声で落ち着いた感じの曲を歌っています。じわっと心にしみるバラード、軽いカントリー調、ちょいサイケ風、ジャズ風などバラエティーに富んでいます。 B面曲やレア音源を収録したCD、ドキュメンタリーやプロモビデオを収録したDVDとのセットもあり。 チューズデイの発売後、バンドメンバーと曲のクレジットを巡る仲違いが勃発し、彼氏を含め多数のメンバーが離脱。 |
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シェリル・クロウ (1996年) Sheryl Crow 曲作りに他人をからませることに懲りたのか、自分自身でプロデュースし、さらにギター、ベースなど多くの楽器を自分で演奏しています。 ギターのサウンドを主体にしたダークでキレがあるサウンドに変貌しました。声のトーンを高めに変えて、か弱さを感じさせつつ、けだるそうに歌っているところが「ええとこのお嬢さんが反抗期に入り、ツッパリ娘になった」感じ(当時34歳ですが…)。 アレンジがシンプルな分、彼女の熱意がビンビンに伝わってきます。 1996年11月26日のロンドン公演を収録したCDとのセットもあり。 |
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グローブ・セッションズ (1998年) The Globe Sessions 貫禄が出てきてアネゴ感(もはやツッパリ娘ではなく、全国制覇をなし終えたスケ番)のあるロックな作品になっています。 ギターメインのサウンドは前作同様ですが、隠し味的にホーンやストリングセクションを入れてサウンドに厚みを出したり、インド風なアレンジを入れたりと変化に富んでいて面白いです。 1998年11月13日のカナダ、トロント公演を収録したCDとのセットもあり。 |
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ロッキン・ザ・グローブ Rockin the Globe Live 1999年5月8日のアメリカ、オーバーンヒルズ公演を収録。 肩を露わにした黒い上下の服を着て、ニコリともせずに歌っているシーンはまさにアネゴの貫禄あり。曲によってギター、アコギ、ベースを持ち替えて歌うシーンには「シンガー+バックバンド」というより、ロックバンドの一員という感じがあります。 選曲、曲順、演奏ともにバッチリ。 |
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ライヴ・フロム・セントラル・パーク Sheryl Crow and Friends: Live From Central Park 1999年9月14日のニューヨーク公演を収録。 過去3作からの名曲が熱気ムンムンで演奏されています。アーティストとして成功を収めただけに自信に満ちている感じがします。 ゲストで参加したミュージシャンが豪華。スティーヴィー・ニックスとはダブル姉御状態でフリートウッド・マック曲を歌い、If It Makes You Happyではクリッシー・ハインドが歌ってこれまたダブル姉御状態。さらにはキース・リチャーズとローリング・ストーンズ曲、エリック・クラプトンとクリーム曲を歌い、ラストは全員でボブ・ディラン曲を歌ってドドンと終了。 |
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カモン・カモン (2002年) C'mon, C'mon コンサートで一緒に盛り上がることができる曲を増やしたいという意図で、ポップでウキウキする曲を多数収録。アネゴ感が薄れ、親しみやすさが一気にアップしました。 レニー・クラヴィッツ、スティーヴィー・ニックス、ドン・ヘンリー、エミルー・ハリスなどがゲストとして歌っていて、ナイスなハモリを聴かせてくれます。特にスティーヴィーと歌うC'mon, C'monは絶品。歌メロがすごくよいし、声質が似ているので、2人の声が見事に融合しています。ドンはハモリ担当だけでなく独唱シーンもあり、曲に意外性とインパクトがあります。 アビーロードスタジオでのライヴ録音を収録したCDとのセットもあり。 |
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Live at 武道館 Live at Budokan 2002年10月24日の武道館公演を収録。 コンサート盛り上げ用に作った「カモン・カモン」のオープニング曲Steve McQueenで幕開けして、Widing Roadに流れ込んで一気にヒートアップ。 怒涛の名曲の連発でノリノリな時間を楽しむことができます。 日本だけで発売されたということは誇れる話です。 |
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カモン・アメリカ 2003-ライヴ C'Mon America 2003 2003年7月10-11日のアメリカ、ケタリング公演を収録。 |
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Soundstage Live 2004年6月27日にアメリカのテレビ番組Soundstageに出演した際の映像を収録。 |
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ワイルドフラワー (2005年) Wildflower ゆったりとしたテンポの落ち着きのある曲が全面を占めています。ストリングスを多用し、音の広がりと響きが美しいです。 ロックな彼女を求める方には、穏やかすぎて不向きです。まずは他のアルバムを聴いて、しっとりな面もあるということを知りたい場合にはどうぞ。 アコースティックバージョンの曲やプロモビデオを収録したDVDとのセットもあり。 2006年に早期乳癌の手術を受けたり、2007年に生後2週間の男児を養子に迎えたり、ナッシュビルに引っ越したりと私生活での変化がありました。 |
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Wildflower Tour: Live From New York 2005年10月31日のニューヨーク公演を収録。 |
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ディトアーズ (2008年) Detours プロデューサーとしてファーストアルバム以来、ビル・ボットレルを起用。彼は歌詞や曲作りにも協力しています。 ナッシュヴィルにある彼女の農場で2人でレコーティングしたためか、前作とはうって変わってシンプルで粗削りなロックなサウンドになっています。オープニングのアコギ弾き語り曲はいかにも農場の片隅で一人で録音しました的な雑っぽさがナイス。 ラストは養子のワイアットに向けた、愛情たっぷりの優しさを感じる子守歌で終了。 プロモビデオを収録したDVDとのセットもあり。 |
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100マイルズ・フロム・メンフィス (2010年) 100 Miles from Memphis 作曲&演奏陣にドイル・ブラムホール2世とジャスティン・スタンレーを迎え、70年代のR&Bやメンフィス・ソウル的なサウンドを展開しています。 音に艶があって、熱気、クールさ、おしゃれさが同居していて、とても聴き応えのあるアルバムに仕上がっています。 女性バッキングボーカルが入っていることに、すごい意外性と豪華さを感じます。 |
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Miles From Memphis/Live at the Pantages Theatre Miles From Memphis/Live at the Pantages Theatre 2010年11月16日のロサンゼルス公演を収録。 「100マイルズ」をレコーディングしたミュージシャンを起用してこのアルバムの収録曲を主体に演奏しています。ホーンセクション、女性コーラス部隊があって音に厚みがあります。 定番のヒット曲もホーンセクションが活きるソウル感があるアレンジになっていて面白いです。シェリルが楽しそうに歌っているのが印象的です。お立ち台ではしゃいでいるシーンは微笑ましい。 |
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フィールズ・ライク・ホーム (2013年) Feels Like Home ナッシュビルの隣人から提案されたことでカントリーミュージックのアルバムを作ることになり、ナッシュビルの作曲家たちとコラボして曲を制作。 いきなりのカントリー全開ではファンが戸惑うかと思ったのか、序盤はこれまでのロックなアレンジにしていて徐々にカントリーさが増えていく構成になっています。 ご近所さんと一緒にリラックスして、演奏を楽しんでいる感じが伝わってきます。 心温まる良い作品ですが、彼女に期待するサウンドではないです。 |
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ビー・マイセルフ (2017年) Be Myself ロックなサウンドに回帰することを目指して「ディトアーズ」以来にジェフ・トロットと曲作り&共同プロデュースしました。 どっしり系のミディアムテンポ曲の連続。軽快さはなく、面白みに欠けます。 |
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ライヴ・アット・ザ・キャピトル・シアター Live at the Capitol Theater - 2017 Be Myself Tour 小柄&細身なシェリルが、大柄なバンドメンバーに囲まれながら元気いっぱいに名曲を演奏している姿に、ほんわかと心が温かくなります。彼女は曲によって、アコギ、エレキ、ベースを担いで演奏して多才さがわかります。選曲、演奏ともにバッチリ。 おじいちゃん・おばあちゃんが目立つ客席とのコミュニケーションも微笑ましいです。 |
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スレッズ (2019年) Threads スティーヴィー・ニックス、ボニー・レイット、スティング、キース・リチャーズ、ウイリー・ネルソンなどをゲストに迎えてデュエットした曲を収録。 オープニングのスティーヴィー共演曲はまさにフリートウッド・マック調。その後は熱唱系のゲストが迫力のある歌声を披露したり、ラップが入ったりして、かわいらしい系のシェリルの声とのコントラストが面白いです。 聴きごたえのある面白いアルバムですが、シェリル初心者向けではないです。大ファンになったら聴きましょう。 こんな豪華なアルバムを出してしまったら、次回作なんてムリということで、彼女はこれが最終アルバムになると宣言しました(引退ではなく、コンサートやシングルリリースで現役継続)。 |
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Live From the Ryman & More 2019年9月23、24日のアメリカ、ナッシュヴィル公演の音源をメインに、他公演からもプラスして収録。 |
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Evolution (2024年) ピーター・ガブリエルのDigging in the Dirtのテーマ(自己分析と自己治癒)に共感して、カバーバージョンを録音したら(ピーターも歌っている)、オリジナル曲作りに目覚めてしまい、アルバム1枚分できたのでリリース決定。 アネゴ風の曲、かわいらしい曲を連発した後で、中盤はしっとり感のある曲を入れ、ピアノ弾き語り風の後は胸キュンなポップになるという、これまでの彼女の作風を凝縮した感じがあります。1曲1曲もいいし、アルバムの展開もナイス。 Digging in the Dirtは配信のみのデラックス版の2曲目に収録。他の曲と全く曲風やアレンジが異なり、違和感たっぷりなので、通常版の方が私は好み。 |
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